マーケットシェア追求の過ち

ペンシルベニア大学のWharton校のJ.Scott Armstrong先生の研究で、マーケットシェアに固執することが利益の低下を招くことが導かれているそうです。The ‘Myth of Market Share’: Can Focusing Too Much on the Competition Harm Profitability?

競争に勝つことではなく、利益を最大化することが大切だということ。そして競争に勝ってマーケットシェアの最大化につとめるあまり、多くの経営者は利益を喪失していると説いています。

トヨタ自動車、キャノン、任天堂などを、マーケットシェアではなく利益の最大化に勤めている企業の例に出し、一方でPS3やXboxのソニーやマイクロソフトをマーケットシェアに固執するメーカーの例に挙げています。

バイオの業界では競争が激化し、値下げが恒常的に行われています。売上を最大化しようというあまり、営業の増強にばかりリソースを割き、テクニカルサポートやフィールドサポートの人員は減らされています。付加価値を最大化し、利益を最大化するのではなく、「売り込む」ことに力が注がれています。いまは利益がなくても、このようにしていったんマーケットシェアをとれば、将来利益が得られるという幻想を追いかけているのです(どこかのPS3のように)。でも結果として、研究者にとってもっとも価値を提供してくれるテクニカルサポートとフィールドサポートの人員が削減されているのです。とても悲しいことです。

ちなみにABC World News Webcastを昨日見ていたら、老人ホームでWiiが盗まれて悲しんでいるおじいさんおばあさんが紹介されていました。このような人にも喜んでもらえる商品こそがすばらしいと思う今日この頃です。

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