Advertising Ageの記事、”U.K. Online Spending to Surpass TV in ’09“。
Pricewaterhouse CoopersとWorld Advertising Research Centreと合同で作成されたInternet Advertising Bureauのレポートによると、景気悪化の影響でインターネット広告にお金が流れているとのことです。
2007にインターネット広告売上は38%上昇して5.6兆ドルに達し、2008, 9年と引き続き伸びて、テレビ広告売上の8兆ドルを超える見通しであるとのことです。
このようにインターネット広告が伸びているというレポートは決して珍しいことではないのですが、面白いのはInternet Advertising Bureau CEOのGuy Phillipsonの以下のコメント;
“Online budgets are pretty much ring-fenced. Marketers can see exactly where their money is going, and it’s the last medium to have budgets cut. Given a choice between traditional and online media, you’d maintain your online spend.”
「オンライン広告の予算はかなりリスクフリーです。広告主はオンライン広告のお金がどこに使われているかが正確に把握できるので、予算削減の対象とはなりにくいのです。従来の広告媒体とインターネットのどちらの予算を削減するかを判断するとしたら、インターネット広告予算は維持して従来のものを削減するでしょう。」
教訓: 景気が悪化している局面において、広告予算をどこに投じるかの判断は「宣伝効果」の大小によって決まるのではなく、「リスク」の大小によって決まります。透明性が高く、「リスク」が少ないのがインターネット広告です。
さてバイオ業界に話を転じます。
日本でのバイオ業界は景気が悪化しています。したがって広告宣伝などの予算は、より効果が見えやすいものに流れようとしています。しかし、インターネット広告には流れていません。どちらかというと、今までの広告宣伝費は営業人員の増加に使われています。どうしてそうなってしまっているか、自分なりの意見をあげます。
- 透明性の高いインターネット広告をやってくれるインターネット媒体が未発達: ネイチャーや羊土社などはインターネット広告を募集していますが、クリック数すら教えてくれません。これではインターネット広告の良さが活かされません。
- インターネット上で製品のディスカッションがない: 例えば家電製品やパソコンであれば、各製品の善し悪しがインターネット上で盛んに議論されています。価格コムの口コミやアマゾンのレビュー、さらに個人のブログなどで使用体験などが多く掲載されています。その一方でバイオ研究用の製品のディスカッションはほとんど行われていません。したがって広告を貼るべきウェブサイトそのものが少ないです。
2 thoughts on “イギリスのインターネット広告は’09にテレビ広告を抜く”