Jukka Korpelaがコミュニケーション学者のOsmo A. WiioのWiio’s lawsについてコメントしている記事が面白かったので、抜粋して日本語に翻訳しました。
以下Wiioの法則
1. コミュニケーションはたいてい失敗します。偶然に成功するとき以外は
これは人間の間のコミュニケーションを指すのであって、コンピュータ間のコミュニケーションを指すものではありません。人間のコミュニケーションは抽象的かつ漠然と定義されたシンボルを使用しています。そして抽象的なシンボルを使用しているがために、コミュニケーションは誤解されやすく、さらに困ったことに誤解されても確認する方法がありません。
自分の考えを言葉に表現し、さらにそれを聞き手が受けて考えを再構築する行程は何ステップもあるので、たいていどこかで失敗が起こります。
1.1 コミュニケーションが失敗する可能性があるのなら、必ず失敗します
1.2 コミュニケーションの失敗のしようがないときでも、やはりほとんど失敗します
1.3 思い通りにコミュニケーションが成功したと思える場合は、何か誤解があります
1.4 自分の発しているメッセージに満足している場合は、コミュニケーションは必ず失敗します。
2. あるメッセージの解釈の仕方が何通りかある場合、最もダメージの大きい解釈のされ方をされるでしょう
3. あなた自身が云わんとしていることを、あなた以上によく知っている人が必ずいます
あなたの言っていることを理解したつもりになっている人は本当に迷惑です。彼らは自分の言いたいことを、あたかもあなたが言ったかのように広めてしまいます。
4. コミュニケーションをすればするほど、コミュニケーションの成功率は下がります
4.1 コミュニケーションをすればするほど、誤解の伝搬は速くなります
コミュニケーションの成功率は非常に低いので、繰り返しても大して良くなりません。むしろ間違った解釈を繰り返すことによって、誤解されたメッセージが増強されてしまうということです。
5. マスコミュニケーションで重要なのは、事実そのものではなく、事実がどう見えるかです
6. イベントの重要性は、距離の二乗に反比例します
どのようなメッセージを伝えようとも、それを受け取る人は自分自身の枠組みの中でそのメッセージを解釈し、プライオリティーを与えるということです。
7. 状況が重大であれば重大であるほど、ちょっと前のやはり重要なことを忘れてしまっている可能性が高いでしょう
そしてJukka Korpela氏のまとめの言葉をいくつか;
コミュニケーションは対話を通して成功させることができます。あなたのメッセージの一部を理解した人でも、必ず他の部分は理解できていません。ですからフィードバックというのはコミュニケーションに必須なのです。それが非難めいたコメントかどうかはその人の教養と礼儀正しさの問題だけであって、重要なことではありません。
コミュニケーションを成功させることはできません。できることは上記の問題点を良く理解した上で、偶然の成功が起こる確率を高めることです。
フィードバックが得られない環境であれば、受け手が自分自身の理解度を練習問題を通して確認できるようにしてあげることです。