リーダーについてのブログ記事でHenry Mintzbergを取り上げたので、Googleを使ってもう少し調べてみました。僕がMintzbergと出会ったのは29歳ぐらいのときで、会社に入ってしばらくして、あれれと感じていた頃でした。“Mintzberg on Management”という本でしたが、会社に対する幻想をまだ持っていた僕は目から鱗が落ちる思いでこの本を読んだ記憶があります。
いずれにしても、Henry Mintzberg自身のウェブサイトが見つかって、この中に面白い論文がいくつかあったので、とりあえず簡単に紹介しておきます。また機会があったら、より深く論じてみたいと思っています。
- Leadership Beyond the Bush MBA: まず、僕も始めて知ったことなんですが、あのブッシュが実はMBAを持った始めてのアメリカ大統領だということが紹介されています。しかも権威あるHarvard Business Schoolの。これは初めて知りました。Harvardは恥ずかしくて隠していたのでしょうか?この論文ではBush政権の行動パターンのいくつかが、Harvard Business Schoolでの教育にルーツをたどることが出来るとしています。a) 状況がわからなくても素早い決断をすること、b) 実践能力は軽視されていること、c) ビジネスの基本をいくつか学ぶだけで、全般的なマネージメントまでわかってしまった気になること(ビジネス的ダウンサイジングをイラク戦争に適応したことなど) などが紹介されています。
- How Productivity Killed American Enterprise: アメリカの企業が株主を優先して短期的利益を追求した結果、製品とサービスおよび顧客を犠牲にしたしまったことを論じています。具体的に何が行われ、何が犠牲になってしまったかを論じています。面白い論点がいくつもあります。a) 短期的な利益を最大化するには、すべての人をクビにして、在庫にあるものだけ売れば良い。極端に聞こえるけど、実際にはこれに近いことが行われた。b) 「株主利益」を最大化するために、アナリストを騙すような活動をすることが重要。例えばアナリスト用プレゼンへの注力、ブランドの統廃合、顧客から最大限の利益を吸取ること、それと合併を繰り返すこと。そしてa)に非常に近いのですが、ダウンサイジングをすること。