Advertising Ageの記事Interactivity Is Not Just for the Internetを読みました。
オンライン広告(サーチ連動広告以外のバナーなど)がまだまだTV広告に遠く及ばないこと、さらにTVのデジタル化の普及に伴いオンライン広告の双方向性がTVでも実現されるようになって、TV広告が再度注目されるようになるだろうと結論しています。
バナーなどのオンライン広告の効果が弱いことを示す事実として、Nielsenの2008 Media Comparison studyを引用し;
- オンライン広告の影響は強いとしている回答者がわずか5.1%
- 残りの94.9%はバナー広告を邪魔と感じていること
を取り上げています。
また最近話題を集めているSNSを利用した広告についても、click-throughはひどいとしています。
それに対して、Nikeの”Just do it”など、非常に印象に残る広告は依然としてTV広告だとしています。
さて、僕の感想です。
TV広告と比べれば、バナー広告は非常に弱いだろうというのは、これは当たり前だと思います。もちろん、オンライン広告を過大評価している人もいますが、インターネットのバナー広告をTV広告と比較すること自体に無理があると思います。
バナー広告はコンテンツの脇に置かれるものであるのに対して、TV広告というのは一定時間、画面を独占します。これが決定的な違いです。TV広告は「暴力」と評している人もいますが、まさにその通りです。TV広告はソフトな作りになっていますが、画面を奪い去るという面では「暴力」です。
バナー広告はむしろ新聞広告や雑誌広告に似ています。特にニッチな購読者にマッチングしたコンテンツを用意しているという側面では雑誌広告に近い面があります。それにインタラクティブ性を追加している訳ですから、インターネット広告が雑誌広告を抜くというのはそれほど無理の無いことです。
オンライン広告は影響力の面ではTV広告にはなかなか勝つことはできません。それはそもそも期待するべきではないでしょう。安価に制作できることであるとか、ニッチをしっかりターゲットできることをうまく活かして、新聞や雑誌の広告を参考に、これらをより発展させるという形で進化していくべきだろうと思います。