NBonlineに顧客との最前線「コールセンター」に人材危機、このままでは「顧客満足経営」も絵に描いた餅という記事がありました。
コールセンターには本来非常に高い専門性が要求され、顧客との最前線としての重要な機能があるにも関わらず、社会および社内から大切にされず、結果として人材危機になっていることが紹介されています。
この記事で紹介されているのは火災保険の保険代理店向けのコールセンターですが、1)代理店は自動車ディーラーや修理工場などで、保険に習熟していない、2)保険が複雑化している、などの理由で、かなり保険に詳しくないと勤まらないそうです。なのに十分に大切にされないために、トレーニングを受けてスキルを身につけた人材が十分に確保できないというのです。
僕もメーカーのコールセンター(テクニカルサポート)について見たり聞いたりした中で、コールセンター業務の専門性の高さが十分に認識されていないケースをいくつも見てきました。どちらかというとまだまだベンチャー企業の香りが残っているような会社、つまり研究者出身もしくは現場の営業出身の人が経営者をやっている会社ではコールセンターは大事にされます。それに対して、畑違いの人が経営者となったりするとコールセンターは軽視されていくように感じます。これは合併によって例えば診断薬出身の経営者がバイオ部門に指図をしたり、最悪のケースはどこの現場にも詳しくない企画や経理出身の人がコスト構造だけを見て経営判断したときに起こるように思います。
コールセンターがどれだけ売上に貢献するかというのは、具体的な数字になりにくいので、どうしてもコストだけが目立ってしまいがちです。そこで畑違いの経営者は合理化と称して、コールセンター業務を一カ所にまとめるなどを実施して、現場を大混乱に陥れ、サービスレベルを低下させてしまう訳です。このような経営者はたいていジェネラリストで、専門的スキルを自分自身があまり持っていないこともあり、専門性を軽視してしまう傾向があるのです。
バイオの買物.comでは様々な工夫を通して、エンドユーザの声がメーカーに伝わるように仕掛けていきたいと考えています。そうやってコールセンターを含めた全体的なサポートが、実際にどれだけ売上に貢献するかを見えるようにできれば、業界全体のサポートレベルが向上するのではないかと思っています。