Amazon.comのビジネスモデルの説明として、「ロングテール効果」が紹介されています。全売上の80%は上位20%品目がもたらしているという観測(パレートの法則)から、多くの経営者は上位20%品目に重点を置き、下位80%の製品を軽視する傾向が強くなります(特に大企業では目に余ることが多い)。それに対してAmazon.comなどのオンラインショップは、この下位80%をビジネスに組み込むことに成功しており、Amazon.comの売上の中で重要な位置を占めるようになっています。
バイオの研究用試薬機器のマーケティングにおいては、このロングテールはとても重要なコンセプトです。2,000億円程度の市場に200万以上の製品がひしめく、超少量多品種市場だからです(単純に平均すると1品目は10万円しか売れていない)。
ロングテールを可能にしているのは様々なインターネット技術と物流革命ですが、本日発表されたiTunes 8のGeniusプレイリストもその一つと言えると思います。iTunesユーザからの情報を集積して、関連性のある曲、一緒に聴くと楽しい曲をまとめてくれるのです。iTunes Music Storeにある曲も紹介してくれます。
とりあえずは、面倒くさくてほとんど整理していない自分の音楽コレクションを、全く新しい感じで聴くことができるので、とても楽しんでいます。
バイオでも何か似たようなことができないか。またまた刺激されてしまいました。できたら結構すごいと思います。
ポイントは、普段だったら知ることない製品でも、「これはあなたの趣向にぴったりです。あなたが使っているものと似ていて、ちょっと拡張したものですよ。」と伝えること。全く新しいものに取っ付くには時間がかかりますが、いままで使っていたものとの関連で説明されると早く納得してくれますので。