ウェブサイト管理委託の失敗:それは最初から見えていた

僕が前の会社で作成したウェブサイトを、僕の退職を機に保守管理を外部委託して、そして1年後に様々な問題が噴出してしまっている件については、すでにブログに何回か書きました。

僕は自分で開発してしまうので、IT系の外部委託はあまり経験していないのですが、バイオの研究受託(研究者に依頼された研究を行う業務)を担当していた時期がありますので、外注の仕事の危なさは肌で知っているつもりです。製薬企業によっては結構えげつないところもあるので、本当にヤバいことになって、大変な思いをしたこともあります。

実はウェブサイトの保守管理を外部委託した1年前から、自分の経験と照らし合わせて、この外部委託は危険だと感じた点は何点かありました。ちなみに外注プロジェクトの失敗ポイントをシリーズ化したウェブサイトがありましたので、ぜひ読んでおくことをお薦めします。

これは失敗するなと思ったポイント;

  1. 向こうは赤字プロジェクトのつもりでいました。僕が所属していた会社は600人規模の結構大きな会社でしたので、担当の営業は、目の前のプロジェクトをまとめることよりも、その先の商機に興味を持っていました。
  2. 現状のシステムについてのヒアリングをしないうちから見積書が出てきました。その見積書は当然ながら、猛烈におおざっぱなものでした。しかも見積もり金額は、われわれがなんとなしに話した予算とぴったり一致していました。あやし〜〜〜。もっとひどいことに、要求仕様書を書いて渡しておいたにもかかわらず、それを読んだ気配すらありませんでした。
  3. 当然ながら、契約も非常におおざっぱでした。
  4. 我々の技術力は非常に不足していました。僕はウェブ開発ができましたが、僕以外にウェブ技術に詳しい人は誰もいませんでした。したがって僕が退社すれば丸投げ状態になってしまいます。プロジェクトの進捗を理解できるだけの技術力がありませんでした。
  5. マイルストーンが決まっていませんでした。管理を委託するというだけで、それが具体的にどのような作業を指すのか、そして各作業がどのようなスケジュールで行われるべきかが決まっていませんでした。
  6. 契約後に一回担当者と電話で話をしましたが、僕が書いたソースコードをほとんど見ないうちから、僕にいろいろ相談していました。しかもちょっときつく言ったら、もう二度と電話してきませんでした。全く骨のない奴でした。

これは失敗するなと思いながらも、僕自身は1月もすれば退社する身分でしたので、事を荒立てても後始末ができるわけでもなく、できるだけ引き継ぎをがんばるしかありませんでした。僕には外注先を選定する際に意見する権限は無く、外注先の管理は他部署が担当することになっていました。

しかし、やはり1.と2.に関係するのですが、僕が引き継ごうとしても、向こうは内容を理解することにあまり熱心ではありませんでした。

かくして、当然の帰結としてウェブサイト管理委託は大変なことになってしまったのでした。

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