San Diegoのバイオベンチャーの話ですが、バランスシートを分析しながら、金融危機で運転資金がなくなりそうな企業をピックアップしている記事がありました。
見ているのは非常に簡単な指標で、現時点でどれだけの現金を所有しているか、そしてそれをどれぐらい使っているかです。
なお、Eun Yangが10月に発表したレポートによると、株式公開されていて利益が上がっていない248のバイオベンチャーのうち、半数の企業は1年分の運転資金が残っていないとのことです。
上述のレポートでは、San Diegoに所在地があり株式公開されているベンチャー企業のうち23の企業を分析しています。その結果、現金$100 M (約100億円)を持っている企業はわずか10社だったということです。
金融危機によって資金調達や借り入れが非常に困難になっていきますので、運転資金を自前で持っていない企業は破綻の危機に直面することになってしまいます。
私は日本のベンチャー企業の資金繰りの状況を知りませんが、アメリカ以上に利益を出しているところは少ないので、金融危機で大きな影響がでてくることが予想されます。
アップデート
ちょっとグーグルしたら、僕が知らないだけで、既にいろいろ情報がありました。
日本は治験に費用と時間がかかりすぎるのも要因かも知れませんね。だから個人投資家もVCも、警戒しておいそれと金を出さない。費用は結局時間の長さに比例するので、私がバイオベンチャーの経営者なら、治験終了までの期間が短いどこかの国(とはいえ、国際的信用力の低い発展途上国は除外しなければなりませんが)を探して起業するか、拠点を置きます。優秀な通訳が2~3人いれば、開発プロセスのみならず現地の投資家とも十分折衝ができますし、EXITが見えれば、海外に拠点を置きつつも、日本のVCから資金を引き出すこともできると思いますね。
金融危機云々の前に、日本のバイオベンチャーはそもそもEXITが全然見えない、という点が最大のリスクファクターだと思います。おまけに経営センスのない素人経営者がほとんどで、金融危機は彼らの息の根を止めてしまう可能性が十分あります。
彼らが金融危機にかこつけて安直な清算でもされた日には、ますます投資家の投資熱を冷めさせてしまいかねず、そうなれば日本のバイオベンチャーの種子は向こう数年間まったく育たなくなるでしょう。そうなる前に、技術流出などおそれず、彼らにはさっさと海外へ逃げて会社の温存を図っていただきたいと思っています。名を捨てて実を取らねば、それこそ日本のバイオベンチャーは全滅してしまいかねません。
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