高校生の携帯電話の使い方2

昨日の「高校生の携帯電話の使い方」のポストを受けた、第二弾。

今後のあり方について、思いつくことをいくつか書き留めておきます。

携帯電話はパワフルなパソコンだと理解するべし

携帯電話のパワー、記憶容量、グラフィックスは日進月歩です。僕が最初に使っていた富士通のFM-7という8-bitパソコンの処理能力はもちろん、僕が大学生だった頃に流行っていた16-bitパソコンのNEC PC-9800シリーズと比べると、今の携帯電話は信じられないほどの高性能です。Macintoshなど初期の32-bitパソコンと比較しても、今の携帯電話の方が遥かに処理能力があるでしょう(クロック数だけで言ったらiPhone 412MHz vs. Mac Plus 8MHz)。しかも携帯のネットワーク速度は遅いと言っても、インターネット初期の2400bpsモデムに比べれば遥かに速いです。

しかも携帯電話はiPhoneやBlackBerryなどのスマートフォンの普及で、さらに携帯電話は進歩しようとしています。

携帯電話は単なる「電話」や短いメールをやり取りするものではなくなく、高度なインターネットデバイスになろうとしているのです。一見すると、パソコン同様に、勉強にポジティブに活用できるはずです。

携帯電話で勉強しにくい環境が作られてしまった

近年の日本の携帯電話は音楽やワンセグチューナー、さらにお財布携帯、モバイルゲームなど、言ってみれば「遊び」の部分で発達してきました。ですから、中学生や高校生に携帯を持たせても、それはおもちゃを持たせているようなものだと思われてしまいます。

しかし携帯電話というのは、インターネット黎明期の10年前の高機能パソコン以上の性能を持っています。その気になれば勉強に非常に役立つ使い方ができるはずです。しかし残念ながら、そのような使われ方はあまりされていないようです。それがなぜかを考えてみます。

Wikipediaを携帯で見られるようにしている無料サイトは複数あります。しかしこのように情報系サイトが無料で使えるのは、携帯電話の世界ではレアケースです。例えば新聞社のサイトは今でも携帯版は有料です(インターネット版は無料なのに)。雑誌系のサイトも同様です。

携帯電話はちょっと暇な時間、例えば通勤電車の中で見られるというのが大きな特徴ですが、中高生の勉強になりそうな情報は残念ながらほとんどが有料なのです。僕も何回も経験がありますが、役に立つ情報系サイトが見られないので、仕方なくそんなに面白くもなく、時間の無駄にしかならないモバイルゲームをやってしまいます。

せっかくの携帯電話を勉強に利用してもらうのであれば、勉強に有用なコンテンツをインターネット同様に無料化していくか、あるいはインターネットサイトのアクセス料がパケット放題の料金の中に含まれるようにしないといけないでしょう。iPhoneの登場でまさにインターネットサイト閲覧がパケット放題に料金に含まれるようになりましたので、しだいに携帯電話が勉強に利用されていくのではないかと期待しています。

結論

今までの日本の携帯は、スペック的には非常に優れていて、勉強用に活用する上では問題はなかったはずです。しかし勉強に有用な情報系サイトがほとんど有料だったりするなど、環境がそろっていませんでした。しかもワンセグなど勉強を阻害する方向でばかり進歩してしまったために、携帯は遊びの道具というイメージが定着してしまったように感じます。

言ってみれば、日本の携帯電話はパソコンのインターネットとは大きく異なる進化をしましたが、それが結果として「遊び」専用(少なくとも中高生にとっては)の携帯電話の形を生んでしまったように思います。

iPhoneなどの登場で、インターネットの無料の情報系サイトをフルブラウザで閲覧することが一般化すれば、勉強に役立つ使い方がかなりできるようになってきます。これを機会に、携帯を中高で禁止するのではなく、逆に勉強に役立てる機運が高まることを期待します。

2 thoughts on “高校生の携帯電話の使い方2”

  1. つきあいのある会社が、携帯での勉強インフラを作ろうと、最近サービスを開始しつつあります(まだ準備中かも・・・)。
    http://www.cangaku.com/mobile.php
    要は、先生が携帯の問題集を作って、宿題として携帯でやらせるためのツールです。

    こういったインフラが整ってくれば、自ずと使い方も広がってきますね。

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  2. CANgakuの紹介、ありがとうございました。ウェブサイトを見てきました。詰め込み型教育にアレルギーがある僕としては、CANgakuの4択問題を見ると拒絶反応が起きるのですが、まぁまぁ方向性は悪くないような気がします。もうちょっと面白いのがあるといいですね。

    日本の学校の情報教育は「コンピュータの使い方」の勉強に終始して、「コンピュータを使って学習を支援する」方向には向かっていないと聞いたことがあります。そういうこともあって、アイデアが生まれにくくなっているかもしれません。

    携帯電話のコンピューティングパワーはすごいものがありますので、4択問題ではなくもっと面白そうなことができそうな気がしています。簡単なものとしては動画メールやポッドキャストを活用した英語のヒアリングの勉強だとかが考えられます(こんなサイト http://caspeee.jp/ を見つけました)。

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