
Bob Suttonのブログにあったいくつかの記事を見ながら、会社にとってとても重要な「社員が失敗したときにどうするか?」を思い返してみました。
新しい会社の入社面接などを受けているとき、その会社の本当の姿を知るのは非常に難しいことです。美辞麗句を見通すのは、何回か転職を経験していてもなかなかできません(ちなみに採用側が面接による人材採用に失敗する確率は50%と言われています。採用面接というのは双方にとって、その程度のものです)。皆さんに御勧めするのは、この「社員が失敗したときにどうするのですか?」を質問することです。そうすることによって、その会社が社員教育をしっかりできているか、業務システムをしっかり作り上げているか、イノベーションを大事にしているか、そして今後も成功し続けるかがある程度わかると思います。
- Gretchen’s Happiness Projectの”Eight tips for dealing with criticism.”について
- Failure Sucks But Instructs
- The Best Diagnostic Question and Amazon
失敗無くして成功にたどり着くことはあり得ません。
会社を運営する中で、しょっちゅう失敗するのは当たり前のことです。イノベーティブなことを実現しようと思えばなおさらです。
ですから会社のカルチャーやシステムの中には、
- 失敗を早めに察知する仕組み
- 自分の失敗を言い出しやすい仕組み。失敗を許す仕組み
- 失敗を共有する仕組み
- 失敗から反省する仕組み
が必要です。
日本の製造現場ではこの仕組みが浸透しています。例えばヒヤリ・ハットという言葉がありますが、製造現場では各個人が経験した事故一歩手前の失敗の情報を公開させ、蓄積、共有することで、重大な労働災害の発生を未然に防止する活動が行われています。
僕自身は製造現場で働いたことはないのですが、入社研修で工場に数週間配属されたときにこれをかいま見ました。(もっとも大学院を卒業したばかりの若輩者にはその価値は理解できませんでしたが)
残念ながら僕が後に転職した先の外資系企業(2つとも)ではこのようなヒヤリ・ハット活動はなく、それどころか反省会すら全くやりませんでした。重大が失敗が起こった後でもです。
例えばITプロジェクトの大失敗、受託研究の大失敗、学会展示の失敗など、いろいろな失敗があっても、僕が言い出してやったもの以外には反省会を見たことはありません。
反省会をしない代わりに何が行われるかというと、とても残念なことですが、それは個人への責任のなすりつけです。失敗した原因を個人の能力ややる気の問題と結論付け、そしてその個人が修正をすれば事態は解決するだろう考え、それで終わりにしてしまうやり方です。
とても残念な終わらせ方ですが、原因分析をしていない以上、これよりましなやり方はできなくなってしまうのでしょう。原因分析をしなければ、生産的な解決策は見つけ出しようがないのです。
会社だけでなく、人物についても同様です。失敗に対してどのように向かい合っているかが聞ければ、普通では見えてこないことがいろいろとわかっています。
特に新しい会社に入るときは、どうしたってしばらくは失敗続きです。その失敗を新しい会社はどのように受け止めてくれるかを知るのはとても大切なことだと思います。
確かに日本企業はチームワークでミスもみんなでフォロー、外資は個人の失敗って言う風潮はありますよね。私も外資経験者なので、少しだけ分かります。しかし採用ミスの確率が50パーセント!それは初耳です。エヌさん大学院卒なんですね。どうりでさすが!
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きゃろらいんさん
コメントありがとうございます。
面接による採用の成功率の話は、後でまたブログで紹介します。研究論文になっているのです。
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