このブログでも以前に取り上げていますが、朝日新聞のトヨタ自動車に関する報道が面白いです。
今日は「トヨタ、拡大一辺倒主義を反省 世界基本計画破棄」とその隣に書かれていた「現場重視回帰『創業家なら』」の記事から抜粋して紹介します。
トヨタ自動車は商品展開や販売・生産計画の指針となっている世界基本計画「グローバルマスタープラン」を実質的に破棄する方針を明らかにした。拡大偏重主義に走り、現在の苦境を招いた元凶と判断した。
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グローバルマスタープランは、5年先までの商品ごとの販売・生産台数を記した計画。02年に登場した。
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全社的に「プランを重視するあまり、仕事の進め方が計画達成のために向かい、販売や生産の現場の声を聞く姿勢が薄れる」(トヨタ幹部)状況が生まれた。
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金融危機をきっかけに深刻な販売不振が起きると、必達主義は生産にブレーキをかけるのを遅らせる原因になり、09年3月期決算が戦後初の営業赤字に転落する見通しになるなど、現在の危機的状況をつくってしまった、とトヨタは分析している。
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新計画は「マーケットビジョン」と名付け、15年を目標に北米や欧州、中国、日本など地域の特性に合わせて、顧客や地域に求められる車種構成を十分考えて定める。
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目標が独り歩きした従来計画の問題点を改めるため、顧客の声が届きやすい商品企画部門を中心につくる。(寺西和男)
(豊田)章男氏は、本社主導のグローバルマスタープランに代えて、現場の声を色濃く反映する「マーケットビジョン」を経営の柱に据える。短期的な利益は望まない。不況下でも黒字を出せる本来のトヨタの姿を取り戻す狙いだ。
僕が特に好きなのは
目標が独り歩きした従来計画の問題点を改めるため、顧客の声が届きやすい商品企画部門を中心につくる
現場が一番良く物事をわかっているとは限りませんし、現場の声や顧客の声が絶対とも僕は決して思いません。顧客の声を鵜呑みにしてしまうことは、企業の衰退につながるというClayton Christensen氏の考え方に僕は賛同しています。
しかし企業の成長と利益の拡大ばかりを望む株主および株価ばかりを気にしている経営者と比較すれば、現場の方が何十倍も正しい。これだけは間違いありません。
メーカーの場合、現場は消費者とつながってますからね。やはり経営者が見えないものが見えているのが現場なのかも。しかし、トヨタ、どうしてしまったんでしょう?トヨタが税金を払えない今年は日本は危ないでしょう?
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きゃろらいんさん、
コメントありがとうございます。
ぼくは今回の経済危機に際して、トヨタがとっている自己反省の姿勢が大好きです。ほとんどの会社は売り上げ低下を経済のせいにしていますが、トヨタはそうではなく、これを自社を強くする機会と捉えているみたいです。それがすばらしいと思います。
トヨタ社内の政治的な要因もあるでしょうが、このように環境に合わせて、方針を明確に切り替えられる会社は大丈夫ではないかと思います。
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