以前に「ウェブサイトへのアクセスと売上げの関係」のブログ記事を書きましたが、そこで僕が出した結論は、試薬メーカーのウェブ訪問者数と売上げが驚くほどに相関しているということでした。
もちろん相関があるという言っているだけで、因果関係があるかどうかは全く別です。ウェブ訪問者数と売上げがよく相関していると言っても、ウェブサイトに訪問したから売上げが増えている側面はあるでしょうが、同時に製品が良く売れているからウェブサイトの人気があるという側面もあります。恐らくはこの2つの側面が両方ともに絡み合っていて、その結果としてこのような良い相関が見られるのだと思います。
さてこのグラフを見ると、ビジターあたりの売上げを計算することができます。このグラフを見ると、大雑把に年間100億円のあるメーカーは60,000ユニークビジター/月があると言えそうです(これはビジターの効果を一番低く見積もった線ですが)。この数値を使うと {100億円 / 12 (月間売上げ)} / 60,000 (ユニークビジター) = 1.38 万円/ユニークビジター になります。つまり、月間ユニークビジターあたり1.38万円の売上があることになります。
ビジターあたり1.38万円の売上ってすごいですよね?
なんだかとても高い数字です。ライフサイエンス研究支援の試薬の単価が高く、低く見積もっても一品が平均2万円ぐらいだというのは確かにあります。またウェブを見ないで製品を購入しているケースもそれなりにあるはずです(繰り返し同じものを買うとき等)。
ビジター数についてもちょっと考えてみたいと思います。例えば年間で20億円の売上を出している中堅メーカーであり、平均単価が2万円だとすると、年間で10万製品を出荷していることになります。毎月8,300製品を出荷していることになります。先ほどの相関ですと年間20億の売上げのメーカーのウェブサイトは毎月12,000のユニークビジターがいることになりますので、ウェブサイトのユニークビジター数と出荷製品数はだいたい同じ程度と言うことになります。この数字だけでは因果関係が出てきませんのではっきりしたことは言い難いのですが、製品の購入とウェブサイトへのアクセスはやはりかなり関係がありそうな雰囲気です。
なお毎月8,300製品の出荷というのはかなり少なく、平均的なコンビニに大きく負けています。コンビニの顧客単価は¥600弱らしいので、平均日販を60万円とすると毎日1,000人、月間で30,000人に物を売っていることになります。同じ土俵で語ることではないのですが、いまだにメーカーと代理店が注文伝票をFAXでやり取りしていられるのも(そう、電子化されていないのがまだほとんどです)、そもそも取り扱っている数が少ないからです。
いまのところバイオの買物.comを経由して、毎月数千のビジターがメーカーのウェブサイトを訪問しています。仮に5,000のビジターを誘導していると計算し、先ほどの1.38万円をかけ算すると、バイオの買物.comで月間6,900万円の売上貢献をしていることになります。ものすごい我田引水的な計算で恐縮ですが。
まぁ実際のところ、まだその1/100も稼いでいないのですが、将来的にちゃんとしたビジネスが構築できるのではないかという勇気がわいてくる計算です。
ちなみに最近のインターネットで話題になっているSNSのMixiやGREEやモバゲー。これらは様々な形で収入を得ていますが、会員あたりの月間売上げは¥63-¥256のようです。なんだか1会員あたり1,000PVしているという計算になっているのですが、これもすごいですね。同じインターネットでの商売だし、何かのインスピレーションにならないかなと思ったりもするのですが、やっぱりバイオの買物.comがやろうとしていることとはとても比較できないと痛感します。アクセス数はもちろん何桁も違いますが、アクセスあたりの価値もライフサイエンスの場合は桁違いに大きい気がします。