Appleの価格競争力がすごいことに関する解説がJohn Gruberのブログ、Daring Fireballにありました。
このブログの中で僕がずっと言ってきたことではありますし、Steve Jobs氏本人も解説しているぐらいではあるのですが、Samsungですら高品質で安価なAndroidタブレットが作れないのがはっきりしてきたということのようです。(1、2、3、4、5、6、7、8、9)
この記事の中でJohn Gruberはパソコン市場とiPod/iPad市場の違いについて述べています。
- パソコン市場ではAppleの製品は割高感があるのに、iPod/iPad市場だと価格が安くなるのはなぜか。
- 世界で一番Flashメモリを買っていて、メーカーから安く買えることが大きな原因でしょう。
- パソコン市場ではひどいデザインとか低品質のパーツを使ってもパソコンが売れてしまうが、iPod/iPad市場ではAppleがスタンダードになってしまっていて、まともな競合はこのスタンダードを目指さなければなりません。そのため安いパーツでごまかすことが出来ません。
僕は3番目の視点には気付いていなかったのですが、確かにそうかもしれません。
こう考えてみると、“Back To The Mac”の戦略的意義がすごく大きいことがわかります。
つまりAppleとしては、パソコン市場をiPod/iPad市場に近いものに誘導し、変質させることができれば、パソコンの価格競争力においてもAppleが圧倒的に優位に立てる可能性があります。
一番分かりやすいのはMacBook Airでハードディスクを排して、Flashメモリ(SSD)オンリーにする戦略です。パソコン用の保存領域としてFlashメモリがスタンダードになれば、Appleのパソコンは競合他社と比較して相対的に安くパソコンが作れるようになります。
いずれFlashメモリが標準になるのは必然で、時間の問題でしかないのですが、そのスピードを加速させることによってAppleは他社に先んじて価格競争力を身につけようとしているのではないでしょうか。
アナリストからはMacBook AirとiPadがカニバライズするのではないかという心配があったのに対して、Apple自身は全く気にしてないようです。よくよく考えてみるとAppleにとって大切なのはそういうことではなく、如何にマーケットをFlashメモリに切り替えさせ、自分たちの強みを最大化するかかも知れません。そういう意味ではiPadでもMacBook Airでも何でもいいから、一刻も早くFlashメモリをスタンダードにしたいのかもしれません。
そんな気がします。