「ネットの匿名は信用できない」–ユニクロ柳井会長がFacebookを選んだ理由
ユニクロがFacebookと連動するファッションコミュニティサイト「UNIQLOOKS」を公開しましたが、Facebookと連携して理由についてユニクロ代表取締役会長の柳井正氏は以下のコメントをしたそうです。
「Facebookはアクセス数でGoogleを超えた。世界最大のコミュニティがそこにはある。どうせお店を出すなら世界最大の市場がいい」
Facebookは個人対個人で、しかも匿名でなく実名。これは責任を取れる情報をお互いに交換するということ。それが可能なのは、いまだとFacebookが一番」
「特に日本ではそうだが、インターネットの匿名制は信用できないと思う。本当に参加したとはいえない。単純に意見を言っただけで責任がないからだ。『自分はこう思う』と言ってほしいが、やっぱりそれは実名でなければいけない。Facebookは一番正確に情報を発信したり、受信したりできる媒体で、いまのところアクセス数は世界最大」
日本のインターネットは匿名主義だとか、あるいは実名主義にしていかなければならないという意見はいろいろありますが、そういうイデオロギーはとりあえず考えないことにしましょう。ここではイデオロギーは無意味ですから。
単純なことです。ウェブサイトを所有しているのは企業であり、そのウェブサイトに参加する資格があるのは誰なのか、それを決める権利は企業にあります。企業のウェブサイトに無責任なネガティブコメントが書き込まれれば、企業の収益にマイナスになります(UNIQLOOKSの場合はモデルの容姿に対するコメントにもなるので、無責任な誹謗中傷はモデルにとって特に堪え難い)。だからそういうネガティブコメントを封じつつ、ポジティブコメントが集めやすい仕組みがあれば、企業がそれを選択するのは当然のことです。
Facebookはそういう企業にとって魅力のあるユーザを多数かかえているので、企業はFacebookと連携したがるのです。
善くも悪くも、資本主義社会である以上、企業が世の中を引っ張っていく側面は強くあります。ユニクロをはじめとした各企業がFacebookのユーザ限定のいろいろな企画をすれば、Facebookの実名ユーザが増えます。それはまたその企業のプラスにもなりますので、ポジティブな循環が生まれます。
やはりFacebookの実名主義は強いです。匿名主義ではここまでビジネスを動かせません。そしてそれはインターネットがリアルな社会と結びついていく上でとても良い方向だと思います。
このブログでもFacebookは何回か取り上げていますし、バイオの買物.com公式ブログでもFacebookを論じていますが、こういうのをバイオの業界でも活用できたらと思っています。まだ乗り越えなければならないハードルがたくさんありますが。