2ヶ月ぐらいでFacebookが反応したみたいです(Facebook revamped to combat Google+ threat)。
具体的な機能はまだ見ていませんが、上の記事でsocial media strategistのTiphererh Gloria氏は”With Facebook’s new share options, many of the privacy concerns reasons to leave Facebook for Google+ have been removed.”と語っています。FacebookをやめてGoogle+に移行する理由はなくなったと。
以前からFacebookはこの機能を用意していたと考えるのが順当ですが、Google+が成功しているのを見て反撃を早めたのではないかと想像されます。
Googleの新たなソーシャルネットワークサービス、Google+ (plus)が公開され、招待制であるにもかかわらず急速に利用者が増えているようです。
新しいサービスが出てくることは一般の人にとってはありがたいことです。
一方でGoogleの狙いはもちろん打倒Facebookです。
Google+の方がかなり後発だし、Googleのエンジニアはとても優秀なので、Google+にあってFacebookに無い機能があるのは当たり前のことです。問題は、これらの機能のおかげでFacebookの脅威になりうるかどうかです。
ハッキリ言って、それは無理でしょう。
もしGoogle+の新機能の中で特に人気が高いものがあれば、Facebookは単にそれを真似れば良いのです。Facebookには十分なお金と優秀なエンジニアがいますので、真似るのは難しくないでしょう。
改めてイノベーション、特に業界をひっくり返すような破壊的なイノベーションについてのChristensen氏の著書を読むと明確に書いてあります。業界リーダーを引きずり降ろすようなイノベーションが起こるためには、業界リーダーがそのイノベーションを取り入れない何らかの障害が必要なのです。この場合、Google+の新機能をFacebookがあえて真似ない理由が必要です。
例えばFacebookを横目にTwitterが躍進した理由を考えてみましょう。Facebookはクローズドであり、自分が友人と認めた者にしか情報は発信されません。それに対してTwitterは誰にでもメッセージを送ることができ、また誰でもTweetを読むことができるオープンさがあります。FacebookとTwitterはこの意味では対極に位置していますので、FacebookがTwitterと直接対抗することは非常に困難でした。Twitterとの連携を計る以外に、Twitterの躍進に対抗する手段はありませんでした。Facebookにとって幸いだったのは、TwitterはFacebookを補完する存在だったということ、そしてそれぞれがお互いの領域で成長できたことです。
Google+の場合はFacebookと全面的に対抗しようとしています。アクセスをきっちり管理するという意味でFacebookと同じ領域で戦っています。しかしその結果、Google+の新機能はFacebookと親和性が高く、その気になればFacebookがいつでも真似られるものです。Google+のイノベーションを取り入れる上で、Facebookにとって障害になることはほとんどないのです。
技術力によるイノベーションをいくら繰り返しても、Googleがソーシャルネットワーク関連でFacebookで勝つのはほぼ無理です。ただ何か決定的な技術の特許がとれれば話は変わります(例えばPagerank等のような)。
それよりも必要なのはソーシャルネットワークの魅力を根底から考え直して、新たなソーシャルのニーズを掘り起こすことでしょう。それもFacebookと親和性が無いようなものを探さないといけません。
Google+がFriendFeed(機能的に優れていたけど一部の人しか使わなかったTwitterライクなサービス)化するような気がしてなりません。