iBooks Authorは電子書籍ではなくブックアプリを作るソフト。だからePub3じゃない。

アップデート
ePub3にJavascriptを埋め込んで、ePub3でインタラクティブなウィジェットを実現する方法についての考えを新しい書き込みにしました。iBooks AuthorのウィジェットがePub3じゃなくて良かったという話 – Booki.sh Blogより

Macworld誌のJason Snell氏が“Why iBooks Author is a big deal for publishers : Now creators can make interactive books without becoming app developers”という記事でiBooks Authorの位置づけを出版社の立場で紹介しています。

ポイントは以下の通り;

  1. iOSアプリの開発は難しく、高い。特に優れて開発者を探すのが難しいのです。
  2. iPad用の雑誌とか書籍タイプのアプリにはすごいものがあるけど、普通の出版社にはなかなかあれほどのものは作れません。
  3. iBooks Authorがすごいのは、Al GoreのOur Choice並みの書籍タイプのアプリが、iOSアプリ開発をしなくても作れてしまうことです。

iBooks AuthorがなぜePub3フォーマットを出力しないのかという議論がウェブで賑わっていますが、簡単に言うとiBooks Authorはいわゆる電子書籍を作るものじゃないからと言うのが一番良い答えではないかと思います。ePub3の主眼は、印刷された書籍のレイアウトの自由度を電子書籍に持つ込むかです。日本語のルビ対応や縦書き対応というのも、印刷された書籍を再現するという次元の話です。インタラクティブなマルチメディア体験をePub3でもある程度は作れるみたいですが、まだまだの印象です。

一方、アップルが目指しているのは紙媒体に代わる電子書籍を作ろうというものではないと思います。紙媒体ではとうてい実現できないマルチメディアのアプリを、プログラミングすることなく作れるようにすることが目標だったのではないでしょうか。

既存の書籍に変わろうというのがePub3。デジタルの可能性を思いっきり広げようというのがiBooks Author。全く違う考え方です。

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