ユーザが決定権を持つコンピューティング

Accentureのレポートそのものはウェブで見つからないのですが、
‘User-Determined Computing’ Redefines Information Technology Priorities, Accenture Survey Finds

大部分の企業が短期の利益追求のためIT予算を抑制する一方で、社外の顧客および社員は、現在のITに対する不満がますます増大しているとしている。

  1. 世界中のFortune 1000のうち300の会社に対して調査をしたところ、ITチームは時間の40%を既存システムの保守管理に費やしている。
  2. 顧客接点のうち、わずか22%だけがオンラインで取り交わされている
  3. ITシステムのわずか11%だけが、顧客にフォーカスしたものである

そして、業績の良い企業に限って調べると

  1. ITシステムの25%を顧客フォーカスの活動に投入している。これは平均の11%を大きく上回る
  2. 既存システムを大幅に整理することにより、システムの保守にかける労力を19%減らすことができている
  3. 業績の良い企業は、既存システムに代わる新しいシステムを常に探していて、特にSaaSに興味を示している

バイオの世界で私は2つの会社に所属しましたが、大きい会社の方が非常に多くのITリソースを持っていました。でも顧客向けのITに関して言えば、1/10のサイズの小さな会社の方がよっぽど良いサービスを提供していました。そして大きい会社のITリソースは何に費やされていたかというと、まさにAccentureの調査の通り、ほとんどが社内向けの古いアプリケーションの保守と管理。

なんでそうなっていたのかを自分なりに考えると、営業が強すぎたのだと思います。営業というのは自分の目の前にいる顧客ばかり見るので、訪問できていない顧客のことがよくわからないのです。だから営業が強すぎる会社は、目の前にいる顧客のためのサービスばかりに注力して、ITを介してより多くの顧客にアピールすることを忘れていまいがちのように思います。

いずれにしても、その大きい方の会社は、ITに関しては非常に大変な思いをさせられた会社でした。小さい会社の方もITは良くはなかったのですが、小さいからこっちの言いなりに丸め込めたのが良かったですね。