iPhoneとAndroidに関する気になる記事

iPhoneとAndroidに関する興味深い記事が最近多いので、メモとして残しておきます。

日本でiPhoneが大人気という話

アップルが国内の10月のスマホ販売の76%獲得-カンター調査

10月に日本で販売されたスマートフォン(多機能携帯電話)のうち、米アップル社の「iPhone」(アイフォーン)が76%を占めた。

NTTドコモが販売したスマホのうち、アイフォーンは61%に上る。

情報元のKantarのTwitter上のTweetを誤訳したものがlivedoorで公開され、ネット上に話題になっていますが、あっちは誤りでこっちの情報が正しいです。

2013年の1月22日にはNTTドコモの加藤薫社長が

「スマホの総販売台数に占めるiPhoneの割合が2~3割なら取り扱いもありえる」

語っていました

2-3割のはずが、ふたを開けてみたら61%だったということです。

気になるのはNTTドコモのAndroidがどのような影響を受け、ドコモ全体のスマートフォン販売台数がどのように推移したかです。今までだったらばAndroidを買う顧客がiPhoneを買っただけで、スマートフォン販売台数としてはそれほど上がらなかったのか。それともこの61%はほとんどが上積みで、ドコモのスマートフォン販売台数が驚異的に伸びたのか。実際にはその中間のどこかに答えがあるのでしょうが、私はかなり上積みになったのではないかと予想しています。

オンライン広告はiOSの方がずっとよく見られているよという話

Apple widens lead over Android in worldwide ad impression share, now twice as large

こういう調査の絶対値はあまり信用できませんので、気にしていません。大切なのは iOSが3%上昇したのに対して、Androidが6%低下したことです。

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Black Fridayのオンラインショッピングでは、モバイルのうち82%がiOS

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これは単にページビューが多かったかどうかという話ではなく、実際にどれぐらいの売り上げが得られたかというデータです。しかもiOSユーザの方が顧客単価が高いそうです。

数字を見ていくと;
iOS全体: 17.3%
Android全体: 3.75%
Tablet全体: 13.2%
Smartphone全体: 7.8%
と紹介されいます。

iPhoneを 7.8% – 3.75% = 4.05% として計算すると、Android全体とiPhoneというのは競った数字になっています。したがっておそらくは、iOSとAndroidの差はほとんどがiPadによるものであり、Androidのタブレットがほとんど使われていないためにこのような顕著な差が生まれたのだろうと思います。

とにかくAndroidのタブレットはオンラインショッピングには使われていない。それに尽きます。

マーケティング戦略無き製品 Google/MotorolaのMoto Gを見て

Google傘下のMotorolaがMoto Gという低価格のスマートフォンを発表しました。

特徴は廉価で高機能となっており、“並外れた電話を並外れた価格で”と謳っています。

新興国をメインにターゲットしているということで

今週中にブラジルと一部欧州で発売し、数週間以内に中南米、欧州諸国、カナダ、そして一部アジアに拡大する。2014年1月前半にその他のアジア諸国、米国、インド、中東に投入する。

となっています。

さて問題は、これがうまくいくかどうかです。

とりあえずブランディング、販売チャンネル、競合を見ていきましょう。

価格

価格は179 USDとなるようです。問題はこれが高いのか安いのか。

Janaという会社が行った調査によると、まぁ何とも言えない感じです。性能的にはずいぶんと落ちますが、例えばSamsungのGalaxy Yはインドでは6000ルピー、99 USDぐらいです。

ブランディング、販売チャンネル

先ほど紹介したJanaの調査結果を見ると、「既に持っている機種」 “What brand of mobile phone do you have?”で見ても、「買えたらいいな」 “If you could buy any mobile phone in the world, what phone would you buy?”のどれで見てもMotorolaは全然イケてません。

特に「既に持っている機種」での不人気ぶりを見ると、Motorolaは有効な販売網を持っていないのではないかと思われます。GoogleはMotorolaを買収した後、昨年以降Motorola社の携帯電話をインドで売るのをやめたそうです。ただし「既に持っている機種」の結果を見る限り、販売を中止した時点でも販売網はたいしたことが無かったようです。

加えてブランディングだけ考えるも、「買えたらいいな」の結果を見る限りMotorolaブランドはほとんど価値を持っていないようです。思い切ってGoogleブランドで行かないと効果が無いんじゃないかと思えます。

競合

Moto Gの特徴は、「廉価で高機能」です。しかしその高性能は何によってもたらされているのでしょうか?スペック表を見ると1) 高解像度のスクリーン (720×1280) 2) 高速CPU (1.2GHz quad core) 3) 1GB RAM 4) 大型電池 (2070mAh) などです。Galaxy Yのスペックは 1) スクリーン 240×320 2) 830MHz CPU 3) 290MB RAM 4) バッテリー 1200mAhです。したがって高性能は主にハードウェアによってもたらされているが明らかです。

スクリーンはおそらくSamsungもしくはLG製、CPUはQualcomm製、RAMはアジアのどこかから調達でしょうから、これらのコンポーネントはMotorola内製のものではありません。

こう考えると、Moto Gと同じスペックのものを例えばSamsungが作ろうと思えば、いとも簡単に作れるだろうと想像できます。それももっと安く。

Moto Gの特徴である「廉価で高機能」が持続可能な差別化ポイントとはとても思えません。Googleが赤字覚悟で値段を設定していない限り。

総合的に考えると

マーケティングで重要なのはブランド力、製品力、価格競争力、販売力(販売網の協力)、そしてプロモーション力になります。Moto Gの場合、新興国ではブランド力、販売力がありません。Samsung Galaxy Yと比較すると価格競争力もありません。巨額の広告宣伝費をかければ効果的なプロモーションは可能かもしれませんが、Googleが相当にお金を出してあげないと無理でしょう。

唯一あるのは製品力ですが、それもあくまでも同価格帯の製品との比較であって、例えばGalaxy S4などには劣ります。中途半端であるのは間違いありません。

今後の予想

GoogleのNexusシリーズはNexus 7を除けばごくわずかしか売れていません。Motorolaが大々的に発表したMoto Xも販売不振です。Google/Motorolaにはハードウェアをちゃんと売るという実績が近年は全くありません。

評論家の間では性能と価格面で高評価だったものがなぜ売れなかったか。普通に考えると販売網が全然機能しなかったのだろうと推測されます。

Moto Gでそれが変わる気配は全くありません。おそらく最初からほとんど売れないでしょう。

仮に売れ出したとしても、Samsungは簡単に対抗策を打ち出せます。同じ性能でより安価なものが作れるでしょう。あるいは販売チャンネルの強みを活かして、Motorolaを閉め出すことも可能でしょう。

それにしても「廉価で高機能」という戦略はGoogleが一貫してNexusシリーズでチャレンジし、ずっと失敗し続けている戦略です。なかなか失敗から学びません。

他の評論

このポストを作成している間に、インドの事情に詳しいNitin Puri氏がZDNetに記事を投稿していました。

以下に引用します。

Unfortunately, Google Motorola has a tough battle ahead in India, as along with the bulkier weight of the Moto G, the pricing is not as aggressive as what other leading manufacturers are currently offering in India for the low end market. For example, Samsung’s Galaxy Young, with a 3 inch screen and weighing just 3.4 ounces, sells for only US$100 on Amazon. Furthermore, Chinese handset makers such as Huawei and ZTE already sell Android devices as low as US$100 too.

もちろんiPhoneがインドで実質0円で発売されているという点も考慮しないといけません。

携帯電話の価格って何だろう。インドでiPhoneが2年契約で安くなる報道を受けて…

日本ではiPhoneなどは実質0円で買うことが可能です。実質0円というのは、2年間の通信料をキャリアが割引して、それで割引額の合計がiPhoneの本体価格と同じになるという仕組みです。つまり2年間キャリアと契約することを約束すれば、キャリアがiPhoneの代金を割引してくれるという仕組みです。

表題のインドの件は、いままではインドではこのような割引がなく、本体価格を丸ごと末端消費者が払わなかったのに対し、最近RComというキャリアがiPhone本体価格を割引してくれるようになったという話です。例えばインドでの iPhone 5S 16G本体価格は 53,500ルピー(約84,000円)であるのに対して、RComと2年契約(毎月2,800ルピー、約4,400円)を約束すれば実質 0ルピーになります。

「インドのような発展途上国でiPhoneを売っていくためには低価格のiPhoneモデルが必要だ」と多くのアナリストは述べていましたが、またしてもAppleは“Think Different”をしたことになります。

このようなアナリストが期待したほどにiPhone 5Cが安価ではなかったことからもわかるように、Appleの発展途上国での戦略は低価格モデルの導入ではなく、先進国で成功しているキャリア補填モデルであることは明白です。

まずRComとはどのようなキャリアか?

RComがインドでiPhoneを実質0円から提供するというのはいったいどれだけの意義があるのか。それを知るためにはRComがどのような会社かを知る必要があります。

Wikipediaによると、RComはインドで第二のキャリアで1.5億人のユーザがいます。そしてインドで4Gを提供する準備をしている2社のうちの1つだそうです。したがってインドでは相当に大きなキャリアであることがわかります。

RComがiPhoneを実質0円にするというのは相当にインパクトがありそうです。

加えて現在RComのウェブサイトに行くと、次の画面に転送されます。このことからRComがかなり本気だというのがわかります。

Reliance Communication

最初の画面の後のトップページもiPhoneばかりが目立ちます。

Reliance Communications Online Recharge Reliance Mobile India s premier GSM CDMA service provider

間違いなくRComは本気です。

iPhoneは誰が買うのか?

代理店、卸や問屋を相手にマーケティングやセールスを経験したことがある人なら常識ですが、メーカーは末端ユーザに製品を売る前に、まず中間業者や小売店に製品を売り込む必要があります。中間業者は必ずしも末端ユーザの利益を最優先していません。その上、中間業者が「売りたくない」「売り場に置いてやらないよ」と言ったら製品は売れません。

これは例えば安値を武器に市場に参入しようとするときに障害になります。既に販売されている高額な製品と競合するものとして安価な製品を新規に導入しようとして、中間業者はなかなかOKしません。末端顧客にメリットがあってもです。なぜならば高額な製品を売った方が中間業者は儲かるからです。営業の人はよほどのことがない限り、わざわざ高額な製品を購入し続けているユーザに安価な製品を紹介しに行きません。自分から売り上げを落としているようなものです。

Googleが安価に販売しているスマートフォンのNexusシリーズがことごとく売れていない理由はここにあります。キャリアとしては、高額なGalaxy Sシリーズを買ってくれる顧客にわざわざ安価なGoogle Nexusを紹介することはしないのです。

それではキャリアに「売りたい」と思わせるスマートフォンとはどんなものでしょうか?それはずばり、高額なデータプランを継続して購入してくれるような上客を(他のキャリアから)引き寄せてくれるスマートフォンです。そしてロイヤルティーが高く、長期継続してくれる顧客を呼び寄せるスマートフォンです。

それをやってくれるのがiPhoneです。そして今のところiPhoneだけです。

iPhoneはキャリアにとってのマーケティングツールです。広告です。客寄せパンダです。優良な顧客が手に入るのであれば、実質0円となるように補填することは十分にペイします。だからキャリアはiPhoneを買い、優良顧客に「あげる」のです。

キャリアはiPhoneを売っているのではありません。iPhoneを買っているのです。

キャリアがそこまでして顧客を欲しがる理由は?

通信キャリアはほぼ固定費のビジネスです。無線ネットワークを一端構築すれば、パンクしない限り、利用者が増えても増設はしません。利用者が増えてもインフラは同じで済みます。

ですから利用者が増えれば増えるほどキャリアは単純に儲かります。

逆にせっかくインフラを構築しても利用者が少なければあっという間に赤字です。それが固定費ビジネスの怖さです。

4Gネットワークが普及してくると、まずキャリアはインフラ構築のために大きな支出(固定費)を強いられます。その一方で回線に余裕が生まれます。その余裕分をなるべく優良顧客で埋めておきたい。余裕が少なくなるように顧客を増やしたい。それがキャリアの本音になります。

そこでRComは世界で一番優秀なセールスマン、つまりiPhoneを採用したのです。

今後は

Androidの急成長ぶりが注目されている一方で、日本と米国では逆にAndroidのシェアが下がり、iPhoneのシェアが上がっています

日本にいるとその理由はよくわかります。iPhoneの方が品質が高く、そして本体価格そのものはAndroidよりも高価なのですが、キャリアからの補填で実質ではAndroidよりも安価だからです。

注目されるのは A) 世界でのAndroidの成長が継続し、iPhoneのシェアが下がっていくのか? それとも B) 日米を追いかけるように、他の国でも徐々にAndroidのシェアが下がり、iPhoneのシェアが上がる局面を迎えるか、です。どっちのシナリオが主になるかです。

そして上記の議論にしたがうと、Aが主になるのかBが主になるのかは直接的には携帯電話本体の価格や顧客の経済力によって決まるのではありません。むしろキャリアのビジネスの構造、例えば利益や次世代通信インフラへの投資によって決まります。例えば途上国のキャリアが積極的にデータ通信インフラに投資すれば、固定費が多くなり、それを埋めるための良質の固定客を積極的に集める必要があります。これはB)に傾くシナリオです。

A)のシナリオが主であり続けるならば、いずれAppleはiPhoneの価格を下げて、新興国での売り上げ拡大に走るでしょう。一方 B)のシナリオが多くなってくれば、AppleはiPhoneの価格を下げることなくシェアを拡大することができ、今まで以上に強い地位を築くことができるようになります。

Androidが登場して以来、A)のシナリオが特に途上国では主でした。しかしインドのキャリア補填が成功し、なおかつChina Mobileが中国でもiPhoneのキャリア補填を実施すれば、世界は急速にBのシナリオに傾くかも知れません。

その流れに注目していきたいと思います。

タブレットという製品のわかりにくさ

製品を理解し、マーケティング戦略や販売予測などをするときは当然ながら a) この製品はどの市場にいるか b) 競合製品は何か を考えます。そしてこれが意外と簡単ではなく、間違った分類をしてしまって大きく戦略を間違えることもあります。

タブレットについても同じことが当てはまります。

タブレットが競合しうる製品はいくらでも思いつきます。

  1. パソコン
  2. ゲーム機
  3. DVDプレイヤー や テレビ
  4. カーナビゲーションシステム
  5. 書籍
  6. 紙(印刷機)
  7. 楽器
  8. などなど…

なのに話題はタブレットがパソコンに取って代わるのではないかに集中しています。

確かにパソコンの販売台数は落ち込んでいます。しかしゲーム機市場はもっと落ち込んでいますテレビの市場も落ち込んでいます

タブレットの用途を見ると、パソコンとしての用途よりもゲーム機やテレビ、書籍として使っている時間の方が長いかも知れません。そうであるならば、タブレットとそういう製品を比較しないと意味がありません。

タブレットのウェブ使用率が低いという不思議

最近タブレットの売り上げ台数がPCを越え、いよいよタブレットがPCに取って代わるのではないか、これがPost PC時代の到来だという意見を最近よく耳にします。

それに対して私はこのブログの中で、「状況はどうもそんなに簡単ではない。タブレット市場で起こっていることは何かちょっと変だ。」ということを繰り返し述べています(1, 2, 3)。

今回はタブレットのウェブ使用率が低くて、とてもPCに取って代わっている様子がないことを紹介します。

以下にStatCounterから取ったデータを紹介します。なおこのグラフでiOSと言っているのはiPadのことです。またAndroidもタブレットの集計となっていますが、最近やっと1.5%に届いている状態のため、グラフには表示されていません。またデータはUSAのデータです。USAはタブレットの普及が進んでいると言われているので採用しました。

StatCounter-os-US-monthly-201110-201310

ポイントは以下の通りです;

  1. iOS (iPad)のウェブ使用率は徐々に伸びています(2年前は1.96%で現在が5.75%)。しかしPCのウェブ使用率にはまだ遠く及びません。
  2. 「iOSはまだ出たばかりだから」という議論は可能です。しかしWin8のグラフを見ると、2012年10月ごろに登場して、現在までに7.71%となり、iOSをあっさり抜いています。「でたばかり」というだけでは十分な説明になりません。
  3. 参考までにAndroidは現時点で1.49%です。2年前の0.19%よりは大きく拡大していますが、Androidタブレットの販売台数の急増を考慮すると寂しい数字です(Linuxですら1.44%)。

この状況をどう解釈するべきか?

まだ「でたばかり」と考えても、タブレットのウェブ使用率がPCよりも大きく劣るのは間違いありません。タブレットではアプリを多く使っているかも知れませんし、ビデオをたくさん見ているのかも知れません。ゲームをたくさんやっているのかも知れません。

しかしPCの一番の用途である「ウェブ閲覧」において、タブレットが代替する気配すら見せていないのが現状です。

このデータを見る限り、「タブレットがいずれPCを代替する」と結論するのはまだ時期尚早な感じがします。

タブレット市場の成長は?新型Nexus 7, Kindle Fire HDXが売れていないという話

情報筋としてはずいぶん怪しいのですが、新型Nexus 7とKindle Fire HDXの売り上げがどうやら前モデルよりも落ち込みそうだという話が出てきています。

情報元はDigitimesとアナリストのMing-Chi Kuoです。

普段であればこのような情報筋の話は議論しないのですが、a) トレンドとして納得ができること b) 世間では余り話題になっていない ので、今回は取り上げたいと思います。

まず噂の内容を要約すると;

  1. 月間出荷台数が前モデルよりも落ち込んでいる。
  2. Nexus 7は2012年には最大で月間100万台弱を出荷した。2012年には500万台を出荷した模様。
  3. 2013年は350-400万台にとどまる可能性がある。

またトレンドとしてはBenedict Evans氏がまとめたグラフがあります。季節性は考慮しないといけませんが、Nexus 7の売り上げに成長の気配は見られません。

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考察はいろいろ可能なので、現時点ではどうしてこうなったかを断言することはできません。しかし悪い兆候がいろいろあったのも事実です。

  1. 初代Nexus 7は時間が経つにつれ性能の劣化が著しかったそうです。そうなると初代Nexus 7購入者は新型を買おうとは思わないでしょう。
  2. 初代Nexus 7の訴求点は高性能で安価なタブレットでした。安価すぎて、Googleが赤字で売っていると言われたほどでした。しかし競合の登場により、もはやNexus 7は特に安価と言えなくなりました。
  3. 初代モデルの品質問題でブランドを傷つけ、かつ安価ではなくなってしまうと、売れる理由がなくなります。
  4. タブレット市場そのものの成長が鈍化している可能性があります。
  5. Googleは他にもNexusをいろいろ出していますが、どれもさほど売れていません。Googleの販売力の弱さが露呈しています。

一方でiPad Airが非常によく売れているという話があり、iPadと中堅Androidタブレットの差が大きく開く可能性も考えられます。

さて、どうなるでしょうか。

タブレット市場で何が起こっているかの仮説

Androidタブレット市場の怪

タブレット市場ではAndroidがマーケットシェアを拡大していると言われていたものの、理解しがたい不思議な点がいくつかありました。

  1. Androidタブレットは出荷台数では大きなシェアを奪っているものの、どれだけ使用されているかを示す統計では20%に届きませんでした。
  2. iPad miniの登場以降、9.7インチのiPadだけでなく7.9インチのiPad miniがかなり多く売れるようになりました。とはいえ、9.7インチモデルも相当数売れていて、使われています(例えばFiksuのデータでは、iPad 4の使用率がiPad miniを若干上回っています)。一方でAndroidタブレットの10インチモデルはほとんど売れません。このあたりの統計はGoogleは公開していませんが、Benedict Evans氏が考察しています。つまりiPadでは9.7インチモデルが売れるのに、Androidタブレットでは10インチモデルが全然売れないのです。
  3. タブレットの市場は最近の数四半期を見る限り、成長が大きく鈍化しています。特にiPadについては、iPadの新機種待ちという事情はあるものの、前年比でほぼフラットになっています。Androidタブレットは1年前はほとんど売れていなかったこともあり、前年比こそは大幅に成長していますが、前期比ではやはり成長が大きく鈍化しています。
  4. Androidタブレットの販売台数の半分は中国のnon-brand市場です。しかしウェブの使用統計などを見る限り、中国国内でもこれらのタブレットは余り使われていません。
  5. Androidには、タブレットに最適化されたアプリのがわずかしかありません。Androidタブレットは市場に大量に出回っているにもかかわらずです。これだけのビジネスチャンスがあれば、当然Androidタブレット専用アプリがもっと登場しても良いはずです。

上記から推察されるのは、Androidタブレットの市場とiPadのマーケットは何かが根本的に異なることです。何が違うのかはわかりませんでした。しかし最近、中国の市場に関する情報が出てきて、そこからだんだんとAndroidタブレット市場の姿が見えてきました。

中国のAndroidタブレットはビデオ専用

実はAndroidタブレット市場の半分以上は、中国で売られている非ブランド品の超安価なタブレットです。以下のグラフはBen Bajarin氏のものを引用しました。

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Ben Bajarin氏がこの中国タブレットについて解説しています;

First, most of these low cost tablets in the category of ‘other’ are being used purely as portable DVD players, or e-readers. Some are being used for games, but rarely are they connecting to web services, app stores, or other key services.

It is certainly not a genuine revenue opportunity for app developers, services companies, or other constituents in the food chain.

この中国タブレットはほぼDVDプレイヤーやeBookリーダー代わりに使われていると言うことです。そしてウェブへのアクセスやアプリの購入には全然使われていないので、アプリ開発者などにとっては全く魅力のない市場セグメントです。

どうして中国だけが突出しているのか?

DVDプレイヤー代わりにタブレットを使うのは別に中国だけではありません。例えばiTunes Storeでは映画をレンタルしたりダウンロードしたりできますし、アメリカではテレビ番組を見ることもできます。

どうやら中国でタブレットが人気なのは、著作権違反のとりしまりが緩いことと関係しているようです。

11月3日の朝日新聞に「スマートTV中国席巻 緩い著作権、ネット動画見放題」という記事が掲載されました。これはスマートテレビ市場の話ですが、タブレットについてもあてはまるでしょう。

中国では米動画サイト「ユーチューブ」は閲覧できない。代わりに、国内の動画サイトでは、テレビ番組や映画が大量にアップされている。国内放映の番組は放送直後からほとんどネット視聴でき、話題の映画でも公開から3~4カ月後には無料視聴できる。国内コンテンツは権利者の許諾を得たものが主流だが、日本のドラマなど海外コンテンツは違法にアップされているものも少なくない。

こういう国内状況ならば、ビデオ閲覧だけのためにタブレットが購入されるのも納得がいきます。

他のAndroidタブレットはどうか?

上記は中国のタブレット市場に関する話です。それは他の「ブランド品」のAndroidタブレットはどうでしょうか?例えばSamsungやAsus、Google NexusやAmazon Kindle Fireなどのタブレットはどうでしょうか?

Androidタブレットのウェブ使用率が低いというのは中国だけの話ではなく、例えば米国市場でも顕著に見られます。これはTim Cook氏がプレゼンの時に良く紹介しているChikitaのデータでわかります。またAmazon Kindle Fireはそもそもがウェブ閲覧やアプリの購入ではなく、Amazonからの電子書籍購入やビデオ購入を目的に開発されたデバイスです。

中国タブレットと同様に、「ブランド品」のAndroidタブレットも同様の使われ方をしている可能性は決して低くありません。

ビデオ専用で買ったとしても、どうして他の用途に使わないのか?

中国のタブレットはビデオの閲覧のために購入されているということですが、とはいえれっきとしたAndroidタブレットです(Google公式のものではありませんが)。ウェブを閲覧することもメールを確認することもできますし、ゲームだったできます。その気になればワープロとしても使うことができます。

なのにそうはなっていません。

なぜか?なぜビデオ閲覧以外の用途に使われないのでしょうか?

可能性としては以下のことが考えられます;

  1. 中国人の多くはそもそもウェブ閲覧やメールをあまりしない可能性。
  2. ウェブ閲覧やメールはスマートフォンですませている可能性。
  3. ウェブ閲覧やメールはパソコンですませている可能性。

この中で1.は可能性が低いでしょう。そうなると2.もしくは3.の可能性が残ります。中国で売られている携帯電話の91%がスマートフォンであるというデータもあり(これは米国の87%を超えています)、2.の可能性の方が断然高そうです。

つまりビデオ専用で買われた中国タブレットが、それ以外の用途で余り使われない理由は、スマートフォンにその用途を奪われているためと推測できます。ビデオ鑑賞には優れているものの、ウェブ閲覧やメール作成の用途については、中国タブレットはスマートフォンよりも利便性が落ちると言うことです。

今度は質問をひっくり返します。「どうしてiPadはよく使われているのか?」

すると自然な答えは、iPadはビデオ鑑賞にしても、ウェブ閲覧にしても、メール作成にしても、スマートフォンより利便性が高いから、ということになります。

タブレットはOSにしても操作性にしてもスマートフォンと同じなので、当然競合する可能性があります。中国製タブレットはビデオ鑑賞以外では完全にスマートフォンに競合して負け、iPadではスマートフォンと棲み分けができている感じです。中間に位置するブランド品のAndroidタブレットもまたスマートフォンと競合して、かなりの部分で負けている可能性があります。

Androidタブレット専用アプリはなぜ少ないのか?

一番自然な答えは、Androidタブレットのユーザが少ないからとなります。ウェブ使用率を見るとAndroidタブレットのユーザは少ないという結果になっています。アプリについて同じ結果になっても不思議ではありません。

Androidタブレットの販売台数が多いのにユーザが少ないのは、上述したようにAndroidタブレットが主にビデオ観賞用に使われていること、スマートフォンと競合していることと関連しています。

ユーザが少なければ、そして収益につながらなければアプリを作る理由もありません。ましてやタブレット専用のアプリを作る余裕はありません。

他にもいろいろな説明は可能ですが、上記の最も素直な理屈が真実に近いだろうと私は考えています。

10インチのAndroidタブレットがなぜ売れないか?

この謎に対する解答はまだありません。

例えば小飼弾氏も先日ブログで書いていますが、Androidの主力である7インチはウェブを見るのには狭すぎると感じる人がいます。これは新しいことではなく、Phil SchillerがiPad miniの発表で話した内容と同じです。

それなのにどうしてAndroidの10インチタブレットは売れないのか。

一番わかりやすいのは、タブレット専用アプリが少ないからでしょう。スマートフォン用アプリを拡大しただけのようなアプリは7インチなら我慢できますが、10インチだとバカバカしくなります。

10インチAndroidタブレットが売れないのはこのためでしょう。

タブレットの成長はなぜ鈍化しているのか?

iPadの成長が鈍化し、Androidも対前年比では成長著しいものの対前期比では大きな成長をしていない話は、このブログでも以前に紹介しています()。

世の中はとかくiOS vs. Android的な見方をしますが、用途別で見ると、ポストPC用途(ウェブ閲覧やメール)の市場が鈍化しているのに対し、ビデオ観賞用とが伸びているという構図にも見えます。

これらは本来は全く別の市場ですので、分けて考えるべきです。

ビデオ観賞用の市場はTVの普及率から見ても極めて大きいものです。特にTVは通常は一家に一台ですが、タブレットでTVを見るのであれば、家族一人あたり一台ということも想定できます。

それに対してポストPCというのはまだ流動的な市場です。ポストPC時代の主役がタブレットになるのかスマートフォンになるのか、それとも引き続きPCが主役であり続けるのかも不明です。スマートフォンは一人一台の時代が来ることは想定できますが、タブレットがどれだけ普及するかは未知数です。

こう考えるとタブレットの成長が鈍化したのは、ポストPC時代の主役がタブレットではないこと、そしてタブレット市場が飽和しつつあることを示しているのかも知れません。

またまだタブレットにはイノベーションが起こる可能性があるので、ずっと飽和したままであり続けることはないでしょうが、ひとまずは飽和してきたと私は見ています。

まとめ

繰り返し出てくるのはAndroidタブレットの市場とiPadの市場が全く異なることです。

この原因と意義をしっかり理解しない限り、タブレット市場で何が起こっているかは理解できないでしょう。

日本はいち早くポストPCに突入していた?

先の書き込みで、日本ではWindows XPのプライベートでの利用が多そうだという統計を紹介しました。なおかつこれが日本と韓国に固有で、その他の国ではWindows XPの企業利用は多いものの、プライベート利用は少ないと解説しました。

今回はその原因について推測してみたいと思います。

私なりに考えた結論は、これは日本(そして韓国)が世界に先駆けて、いち早くポストPCに突入していた結果ではないかということです。そして日本の現状を見ることで、ポストPC時代が理解できるのではないかと考えています。

では始めます。

プライベートでのWin XPが多いのは、7年間以上パソコンを買い換えていないから

Windows XPを使っていることの必要条件は、Windows XPあるいはそれよりも古いOSがプレインストールされたパソコンを購入したことです。Windows Vista, Windows 7がプレインストールされたパソコンをわざわざダウングレードする人は希です。したがってWindows XPを使っている人が多いと言うことは、Windows Vistaプレインストールの機種が増える前のパソコンを未だに使っている人が多いと言うことです。

Windows Vistaは2006年末から2007年はじめにかけてリリースされた、Windows XPの後継OSでした。当初は動作が重く、評判が悪かったのですが、それでもパソコンにプレインストールされたのは主にWindows Vistaでした。例外としてはNetbookがあります。Netbookは2007年末のASUS Eee PC登場から数年間人気を博しましたが、性能が低いためにWindows XPしか走らせることができませんでした。2009年の9月にWindows 7が登場するまで、NetbookはWindows XPが標準でした。

このことから、未だにWindows XPを使っているユーザは、通常のパソコンであれば2006年以前に購入したものを、Netbookであれば2009年以前に購入したものを使い続けているユーザと言えます。とりあえずNetbookを除外して考えると、Windows XPを未だに使っているユーザは、2006年から2013年までの7年間の間、パソコンを買い換えていないユーザです。

つまりこうです。日本のプライベート用パソコンの多くは7年間以上買い換えられていないのです。そしてこれは日本(韓国)固有の現象で、欧米の国では起きていません。

なおGarbageNEWS.comでは内閣府の消費動向調査のデータを元に買い換えサイクルを抽出していますが、私の推測よりも若干短い結論になっています。海外の同様のデータは、私が探した限りでは見つかりませんでした。

どうして日本のプライベート用パソコンは買い換えられないのはiモードのため

日本のプライベート用パソコンが買い換えられていない理由は何でしょうか。もちろんWindows XPで十分だから買い換える必要が無かったなどと議論することもできますが、それだけでは日本(および韓国)と、それ以外の国の違いを説明することができません。日本(韓国)固有の事情が何か無いとうまく説明できません。

韓国のことはよくわかりませんが、日本の特殊事情としてはiモードが一番考えられます。iモードを使うとテキストメールはもちろんのこと、ウェブの閲覧も可能です。つまりパソコンのプライベートな使用用途は、日本ではほぼiモードでカバーされていました。特にウェブの閲覧が可能な携帯電話が2007年時点で広く普及していたのは、おそらく日本だけのことでしょう。日本だけが「プライベートではiモードがあればパソコンはいらない」時代に突入していたとも言えます。

日本ではiモードの普及によりプライベートでパソコンを使用する機会が激減したので、パソコンを買い換える必要がなくなったのでしょう。そのためにプライベート用パソコンを買い換える必要がなくなったのではないでしょうか。

iモードがもたらしたポストPC時代

前段の議論は若干乱暴ですが、仮説としては十分だと思います。つまり日本ではiモードが2007年時点で既にポストPC時代を到来させていて、そのためにプライベート用パソコンの買い換えが行われなくなってきたという仮説です。

これがポストPC時代の姿であったならば、いま欧米をはじめ、世界全体で始まっているポストPCのトレンドを先読みすることが可能です。

ポストPC時代の姿は

ポストPC時代にはタブレットがパソコンに取って代わると考えている人がいます。つまりパソコンを新たに買おうという人が代わりにタブレットを買う時代になるのではないか、という考えです。

しかし上述の議論からは違う姿が予言できます。

つまりポストPC時代ではそもそもパソコンを買い換えようとしません。したがってパソコン代わりにタブレットを買おうということも起こりません。古いパソコンはいざというときのWord、Excel、そしてスマートフォンで撮った写真の保管のためにのみ使用され、動作の快適さは要求されなくなりません。そのためいつまで経ったも買い換えられません。

日常的なメールの交換、インターネットの閲覧はすべてスマートフォンで行われるでしょう。ラップトップはおろか、タブレットすら使う必要はありません。なぜなら最近ではスマートフォン専用ウェブサイトが非常に多くなったからです。狭い画面でもウェブ閲覧は不便を感じなくなりました。最盛期のiモード専用サイト以上にスマートフォン用ウェブサイトは多くなっています。しかも大半が無料です。

最後に

最後に、ちまたのアナリストが語っているポストPCの姿と私が予想している姿の違いを挙げます。

  1. ポストPC時代の主役はタブレットではなく、スマートフォンです。タブレットの売り上げ台数がPCを超えたとしても、それは本質的には全く意味の無いデータです。
  2. タブレットはPCに置き換わりません。PCは買い換えられないまま、新しく購入されないままではありますが、家庭に残り続けるでしょう。
  3. タブレットの市場は最終的には余り大きくならないでしょう。ただし中国などではテレビの代わりに安価なタブレットを購入する動きがあり、これは大きな市場になる可能性があります。
  4. スマートフォンを中心とするならば、スマートフォンを差し込むとデスクトップパソコンに変身するようなドックが意外と人気が出るかも知れません。

各国の企業でWindows 7の使用が増えていることをウェブアクセス統計で確認する

StatCounterは多数のウェブサイトのウェブアクセス統計を確認できるツールを用意しており、様々な観点からレポートを作成することができます。

今回はStatCounterを使って、ここ数ヵ月間で企業のWindows 7使用が急激に増えていることを確認します。

日本のデータ

まずは日本のデータを見ながら、グラフの見方を解説します。

日本のデータのWin7のグラフ(黄色)の左側(2012年頃)を見ると、上方にスパイクがあるグラフになっています。スパイクしているのは週末のデータです。したがって2012年頃のWin7は、週末に使用される割合が高かったことがわかります。それとくらべてWinXP(青色)のグラフは下方にスパイクしています。つまり平日に使われる割合が高かったことがわかります。このことから、2012年頃はWin7はプライベートで、WinXPは職場で使われることが多かったことが推測できます。

さてWin7のグラフの2013年のデータ(右側)を見ると、2012年と比べて上方のスパイクが小さくなっていることがわかります。2013年後半(右端)になるとスパイクが消えかかっています。つまりWin7が職場に浸透し、平日に職場でも使われることが多くなったことが推測されます。

またWinXPのグラフの2013年後半を見ると、同様に下方のスパイクが小さくなっています。つまり職場で使われていたWinXPが減り、その一方でプライベートでのWinXPが余り減っていないことが推測されます。

なおWin8(水色)は上方にスパイクしていますので、プライベートでの使用が主であることがわかります。さらにWin Vista(緑色)はずっとプライベートで主に使われたままであり、職場で使われることは最後までなかったことがうかがえます。

加えてMac(紫色)は日本では主に職場で使われていることがわかります。

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世界のデータ

以下では同じように集めたいろいろな国のデータを並べました。個別の国の解説は割愛しますが、気になったポイントを以下に紹介します。

  1. 米国では2012年末から2013年はじめにかけてWin7の職場への浸透が進み、2013年後半時点ではすでにWin7は主に職場で使われるようになりました(Win7の線が上方スパイクから下方スパイクに代わりました)。一方でWinXPの使用は以前として職場が中心です。Win7に代わって、プライベートで主に使われるOSとして登場したのはWin8、そしてiOS (iPad)です。
  2. 英国は米国と非常に良く似ていて、既にWin7が職場に浸透してますが、Win7の職場への浸透は半年程度遅れています。
  3. ドイツ・フランス・イタリアは傾向としては米・英に似ていますが、Win7の職場への浸透は1年弱遅れています。タイミングとしては日本とほぼ同じです。
  4. 日本と韓国の傾向は良く似ています。Win7の職場への浸透のタイミングはドイツ・フランス・イタリアとほぼ同じです。WinXPについてはドイツ・フランス・イタリアでは米国同様に依然としてXPでの職場利用が多いままです。一方日韓では、XPの職場利用が減っています。
  5. 米欧ではMacは職場でもプライベートでも良く使用されています。日本では職場の利用が中心なので対照的です。
  6. ブラジルとインドは欧米と良く似た傾向ですが、Win7の職場利用はまだ緩やかで、日欧よりもさらに遅れています。
  7. 中国は今回見ている国の中では唯一、WinXPが下方にスパイクせず、プライベートでも職場でも同じように使われています。今回見ているデータだけではその理由はわかりませんが、おそらくは海賊版の影響があるのだろうと思います。

最後に

Microsoftは来年の4月でWinXPのサポートを完全に打ち切ると宣言しています。職場で多く使われているWinXPですが、企業やようやく2013年になってWin7への以降を加速させているのはこのためだと思われます。

日本と韓国のデータで気になるのは、プライベートでのWinXPの使用が多そうだという点です。中国を除いた他国では、WinXPのプライベートでの使用は少なく、企業がWin7に移行していくことでWinXPのユーザがほぼ完全になくなることが期待できます。しかし日本と韓国ではプライベートでのWinXPの使用が多く、企業がWinXPの使用を減らしているのと対照的に、プライベートでは引き続けて使い続けているようです。これはWinXPの下方のスパイクが日韓では小さくなっているのに対し(プライベート使用率が上がっている)、他国ではWinXPの下方スパイクの大きさが依然として大きいことでわかります。

プライベート向けのウェブサイトを開発している日本、韓国、そして中国のウェブデザイナーは、引き続きWinXPそしてInternet Explorer 8をサポートし続けないといけないのかも知れません。

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