法人税の支払い

今日は法人税のための確定申告を行いました。

初年度なので、わからないことばかりだったのですが、税務署の方が非常に親切に一つ一つ教えてくれました。まだまだCastle104としては利益は出ていないので、法人税は1円も払えないのですが、それにもかかわらず非常に親切でした。おかげでとても気持ちよく確定申告ができました。

郵便局や区役所、そして税務署の窓口ではいつも親切に対応してもらっています。親戚も公務員が何人かいて、いずれも非常にまじめに仕事をする人です。窓口で嫌な思いはほとんどしないですね。

ここ数日は経理の仕事にかかり切りでしたが、おかげでとても気持ちよくバイオの買物.comの作業を再開できます。少し作業を止めている間にアイデアがいくつか出てきましたので、ご期待ください。

4Qアンケート結果のアップデート (2008-05-29)

4Qのアンケートを始めて今日で1週間が経ちます。そこで、中間報告です。

アンケート回答率

予想を大幅に超える回答率が得らました。計算方法はいろいろ難しいところがあるのですが、おそらく3%台の回答率だと思います。回答してくれた皆さん、ありがとうございました。
メルマガを出したりしたときのクリック率(プレゼントとかキャンペーンとかがなければ、1%を割り込むことも珍しくない)、特に英語で出したときの反応の悪さを考えると、これはかなりいい方だと思います。

ひとまずはこのアンケートシステムが有用であると判断し、今後も継続したいと思います。

アンケート結果

全体的な満足度は100点満点中、51点でした。これはもちろん決していい数字ではありません。

その原因は非常に明快でした。ニュースを確認する目的だった訪問者は65点とまぁまぁな点数を付けていたのに対して、製品を比較したり、製品について学びたいと考えていた訪問者は46点と非常に厳しい点数つけていました。

製品を比較するサイトとしてはまだまだという結果になりました。

実際、ニュースを確認する目的で訪問してくれた方は100%が主目的を達成したと述べているのに対して、製品比較等を目的としていた訪問客はわずか40%の方しか主目的を達成できなかったと述べています。

今後は製品を比較するための情報と機能を充実していかなければならないことを痛感しました。

アンケート結果を受けた対策

まずはアンケートを継続したいと思います。ただしアンケート画面の出現頻度を調節します。いままでは50%の訪問者にアンケート画面を出していましたが、今後は20%に減らします。

ウェブサイトそのもののの対策ですが、現在製品比較については、1) コンテンツを増やすこと、2) 製品を絞り込んで比較しやすくすること を中心に対策を進めています。より満足の得られるものになるように努力するとともに、この4Qアンケートを活用しながら、良い方向に進んでいるかどうかをこまめにモニタリングしていきたいと思います。

製品サポートの最前線:コールセンターの課題

NBonlineに顧客との最前線「コールセンター」に人材危機、このままでは「顧客満足経営」も絵に描いた餅という記事がありました。

コールセンターには本来非常に高い専門性が要求され、顧客との最前線としての重要な機能があるにも関わらず、社会および社内から大切にされず、結果として人材危機になっていることが紹介されています。

この記事で紹介されているのは火災保険の保険代理店向けのコールセンターですが、1)代理店は自動車ディーラーや修理工場などで、保険に習熟していない、2)保険が複雑化している、などの理由で、かなり保険に詳しくないと勤まらないそうです。なのに十分に大切にされないために、トレーニングを受けてスキルを身につけた人材が十分に確保できないというのです。

僕もメーカーのコールセンター(テクニカルサポート)について見たり聞いたりした中で、コールセンター業務の専門性の高さが十分に認識されていないケースをいくつも見てきました。どちらかというとまだまだベンチャー企業の香りが残っているような会社、つまり研究者出身もしくは現場の営業出身の人が経営者をやっている会社ではコールセンターは大事にされます。それに対して、畑違いの人が経営者となったりするとコールセンターは軽視されていくように感じます。これは合併によって例えば診断薬出身の経営者がバイオ部門に指図をしたり、最悪のケースはどこの現場にも詳しくない企画や経理出身の人がコスト構造だけを見て経営判断したときに起こるように思います。

コールセンターがどれだけ売上に貢献するかというのは、具体的な数字になりにくいので、どうしてもコストだけが目立ってしまいがちです。そこで畑違いの経営者は合理化と称して、コールセンター業務を一カ所にまとめるなどを実施して、現場を大混乱に陥れ、サービスレベルを低下させてしまう訳です。このような経営者はたいていジェネラリストで、専門的スキルを自分自身があまり持っていないこともあり、専門性を軽視してしまう傾向があるのです。

バイオの買物.comでは様々な工夫を通して、エンドユーザの声がメーカーに伝わるように仕掛けていきたいと考えています。そうやってコールセンターを含めた全体的なサポートが、実際にどれだけ売上に貢献するかを見えるようにできれば、業界全体のサポートレベルが向上するのではないかと思っています。

ウェブサイトが顧客離れを招くとき

NBonlineにあなたの会社のサイトは、顧客離れを招いていないかという記事がありました。

テレビCMをはじめととした広告で消費者の心をつかみ、ホームページでじっくり検討してもらって消費者の頭をつかむというのが、昨今のCMとインターネットの関係であるとした上で、そのウェブサイトのインタフェースが不十分であるケースが多いと指摘しています。それにも関わらず、ウェブデザインに投じられているお金が相対的に少ないとしています(掲載されていた図を下に引用しました)。

そして、こう述べています

Webサイトは、消費者との接触時間を豊富に取れる手段である。それにもかかわらず、Webサイトのインターフェースをなおざりにしがちなサイトが多い。高額の広告費をテレビなどに投入し、Webサイトに誘導することには成功しても、それが裏目に出ている場合がある。

 Webサイトへの接触時間が長くなればなるほど、顧客のロイヤルティが低下しかねない。皮肉をこめて言えば、わざわざ顧客ロイヤルティを低下させるために、膨大な広告費を各種メディアに投じている。そういう現象に見える。ユーザーインターフェースに接触するたびに、ユーザーのロイヤルティは高くも低くもなる。ユーザーインターフェースというものを、単なる使い勝手の良し悪しとだけで捉 えてはいないだろうか。

…….

ユーザーインターフェースほど、単価コストあたりのロイヤルティ向上期待値が高い戦略手段はない。広告費、販売促進費、サイトのユーザーインターフェース投入資金を総合的に評価しながら、ロイヤルティ向上のための最適なポートフォリオを再考する時期にきているのではないだろうか。

獲得した優良顧客を、Webサイトに誘導する度に、その顧客のロイヤルティを下げてはいないか。あなたの会社のサイトは、顧客離れを招いていないだろうか。

さて、バイオの研究試薬・機器業界ではマス広告にはそれほど力を入れないで、むしろ営業に力を入れています。しかし、図式としては非常に似ています。ウェブの使いやすさに投じられるリソースはわずかです。

僕自身がマーケティング・マネージャーをしていたあるメーカーでは、敢えて入社初年度はほとんど表向きのPR活動をしませんでした。その理由は他にもいろいろありましたが、大きかったのは、ウェブがまだまだ駄目だったからです。この記事に書いてあるように、駄目なウェブサイト客離れを起こすことを心配した訳です。ですから、あまり顧客をウェブに誘導するのは逆効果だなと。
そして初年度で一生懸命ウェブサイトを整備し、2年目以降は安心してPR活動をいろいろやりました。

ただ、それでもこの記事で指摘されているようなユーザインタフェースにこだわることはできませんでした。やはりリソースが全然足りなかったのです。

いま作っているバイオの買物.comでもユーザインタフェースは大切になります。その改善のツールとして使っているのが、以前も紹介しました4Qというアンケートツールです。訪問者のおかげで思いのほかにレスポンス率がよく、大変参考になっています。

でもよく考えてみると、ウェブだけじゃないですね。マニュアルや技術サポートへの投資が不足のメーカーも多いですよね。営業に力を入れている割には。

これようするに、
「釣った魚に餌をやらない」
というのが恒常化してしまっているメーカーが多いということか。

オンライン広告がTV広告にかなわない訳(そしてかなう必要も無い訳)

Advertising Ageの記事Interactivity Is Not Just for the Internetを読みました。

オンライン広告(サーチ連動広告以外のバナーなど)がまだまだTV広告に遠く及ばないこと、さらにTVのデジタル化の普及に伴いオンライン広告の双方向性がTVでも実現されるようになって、TV広告が再度注目されるようになるだろうと結論しています。

バナーなどのオンライン広告の効果が弱いことを示す事実として、Nielsenの2008 Media Comparison studyを引用し;

  • オンライン広告の影響は強いとしている回答者がわずか5.1%
  • 残りの94.9%はバナー広告を邪魔と感じていること

を取り上げています。

また最近話題を集めているSNSを利用した広告についても、click-throughはひどいとしています。

それに対して、Nikeの”Just do it”など、非常に印象に残る広告は依然としてTV広告だとしています。

さて、僕の感想です。

TV広告と比べれば、バナー広告は非常に弱いだろうというのは、これは当たり前だと思います。もちろん、オンライン広告を過大評価している人もいますが、インターネットのバナー広告をTV広告と比較すること自体に無理があると思います。

バナー広告はコンテンツの脇に置かれるものであるのに対して、TV広告というのは一定時間、画面を独占します。これが決定的な違いです。TV広告は「暴力」と評している人もいますが、まさにその通りです。TV広告はソフトな作りになっていますが、画面を奪い去るという面では「暴力」です。

バナー広告はむしろ新聞広告や雑誌広告に似ています。特にニッチな購読者にマッチングしたコンテンツを用意しているという側面では雑誌広告に近い面があります。それにインタラクティブ性を追加している訳ですから、インターネット広告が雑誌広告を抜くというのはそれほど無理の無いことです。

オンライン広告は影響力の面ではTV広告にはなかなか勝つことはできません。それはそもそも期待するべきではないでしょう。安価に制作できることであるとか、ニッチをしっかりターゲットできることをうまく活かして、新聞や雑誌の広告を参考に、これらをより発展させるという形で進化していくべきだろうと思います。

4Qアンケート結果のアップデート

4Qのアンケート始めてからまだ2日しか経っていませんが、最初の中間報告をします。

回答数そのものは報告しませんが、アンケートが表示された訪問者のうち2%の訪問者がアンケートに答えてくれました。ありがとうございました。
英語のアンケートであることを加味すると、決して低い回答率ではないと思います。回答してくれた訪問客の方にには心より感謝いたします。

ニュースのチェックを目的とした訪問者は目的を果たし、その一方で製品の比較を目的に訪問してくれたお客様は目的が果たせなかったそうです。

もう少しアンケートを継続しようと思います。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。

技術者向けソーシャル・ノウハウサイト okyuu.com 開設

カカクコムがIT技術者向けのソーシャルサイト okyuu.com のβ版を開始ししたと発表しました。@ITの記事に紹介されていました。

ちょっと見ましたが、まだまだコンテンツが少なく、何とも言えない感じでした。

僕が反応したのは、カカクコムの安田さんのコメント

カカクコムの取締役COO 安田幹広氏は「ITについてのノウハウはネット上にたくさんあるが、Googleなどの一般検索エンジンではノイズが多く、効率的ではない」と指摘し、「専門のエンジンの方がずばりと情報を探せる」とokyuu.comの狙いを説明する。

英語を読むことに抵抗が無くて、ある程度どこで情報を探すべきかがわかっていれば、現状のGoogleでも特に不便は無いので、僕自身は必ずしも安田さんの意見には賛同しません。でもいいポイントをついていると思います。

実際、Googleもこの問題に対して対策を打っているように僕には思えます。それは対象検索サイトを絞り込んだカスタム検索サービスです。バイオの買物.comでの「メーカー限定Google検索」はこれを利用しています。検索対象ウェブサイトを限定することによって、ノイズが減らしています。後は対象検索サイトを登録する仕組みがもう少し工夫できれば、同じ興味を共有するコミュニティーが、S/N比の高いカスタム検索サイトが作れると思います。

okyuu.comのアイデアはバイオではまだ時期尚早だと思いますので、バイオの買物.comでは当面は考えません。でも、たくさんの頭のいい人がいろんなことを考えているので、また何か面白いものがありそうですね。

バイオメーカー限定Google検索をチャリティーにする準備完了

準備が完了しました。

現時点ではまだ「バイオメーカー限定Googleサービス」の収益は無いのですが、これからの収益は全額チャリティーに行くようになります。

これをやりながら久々に興奮しました。自分のやっていることが、もしかしたら多くの人の役に立つかもしれない。そう思うと、僕は鳥肌が立つのです。その感覚を久々に味わいました。

ぜひともご協力をお願いします。皆さんの力なくしては、結局なにも起こりませんので。

一緒に明るい21世紀を作っていきましょう!

バイオメーカー限定Google検索の収益は100%チャリティーに出します

公共の利益を大切にする会社。これは僕の夢でした。

たいしたことは無いかもしれないけど、Castle104は今日、その第一歩を踏み出します。

「バイオメーカー限定Google検索」で得た収益はすべてチャリティーにまわすことを、私はここに宣言します。
(バイオの買物.comの他の部分の収益をどうするかは、皆さんの意見次第で考えます。)

アフリカに寄付するか、ミャンマーに寄付するか、四川に寄付するか。どこにどう寄付するかはまだ決めていませんが、100%寄付します。透明性を高めるために、どれだけの収益を得たかの細かい報告もします。

意見や感想は、このブログにコメントするか、バイオの買物.comのフォーラムに書き込むかしてください。

今日、いまからその仕組みを作りますので、来週からスタートです。

みんなで何か、世界を良くすることをやっていきましょうよ!

研究者向けの受託ビジネスの難しさ

研究者向けの受託ビジネスは難しいです。始めるのは簡単ですが、儲けるのは難しいです。

合成オリゴ業界の話題はしょっちゅう2chをにぎわしています。僕自身も以前にDNAアレイとかcDNAライブラリーの受託ビジネスを担当していましたので、その厳しさはよくわかります。

なんでそうなのか、ちょっと古典ですが、著名なMicheal E. Porterの5 Forces分析をするとすごくわかりやすいので紹介します。

5 Forcesでは以下の各項目がどうなっているかを市場ごとに見ていきます。

  • 新規参入業者の脅威
    • スケールメリット
    • 製品の差別化
    • 必要な投資資本
    • 製品切り替えのコスト
    • 販売チャンネルへのアクセス
    • ノウハウ、早いもの勝ち的要素など
    • 国家政策
  • 企業間の競争のし烈さ
    • 競合はドングリの背比べか
    • 市場成長は鈍っているか
    • 固定費が高いか
    • 差別化が無く、切り替えコストが低いか
    • 戦略的に重要な市場か
    • 撤退障壁が大きいか
  • 代替品の脅威
  • 買い手の交渉力
  • 供給企業の交渉力

その他、細かく書いていくと大変なのでここのあたりでとどめます。

でもこれだけ書けば、どうして研究受託ビジネスが大変かがわかりますよね。合成オリゴ業界について書きますが、多くの部分は他の受託でも同じです。

  • 超少量多品種なので、スケールメリットが出にくい。仮にスケールメリットを出すとしても、それはすべて購入している機械や試薬の性能に依存するので、結局は供給企業の交渉力を強めているだけ。供給企業はかなり寡占なので、1受託メーカーに大量に安く卸すよりも、複数メーカーに少量ずつ高く卸した方がいいので、ボリュームディスカウントはそんなに効かない。ここら辺はClayton Christensenの「イノベーションのジレンマ」の方が細かく分析しています。
  • 製品の差別化はできていない。また市場成長は鈍ってきている。
  • 国のベンチャー支援もあり、資本を調達することが簡単。
  • 日本の代理店制度のおかげで、販売チャンネルは比較的簡単に確保できる。代理店が在庫をする必要がないこともあり、代理店としてはリスクがない。
  • 撤退障壁は大きい。研究受託しかやっていないベンチャーが多いので、撤退するということは会社が無くなることを意味する。最後までついつい戦ってしまう。

ということで、5 Forces分析をすれば、参入するべき市場ではないと言えると思います。割と当たり前に。

もっとも5 Forcesは絶対的ではありませんので、これを超えたイノベーションができればうまくやれるのですが、ただ単に普通にビジネスをやっていたのでは泥沼にはまる運命にあるのはわかってもらえるかと思います。

非常に教科書的なことなので、MBAでこの泥沼にはまっている人がいたら、その人はなんちゃってMBAかもしれませんね。