前に書いたブログに対していくつか捕捉したい点があります。
やはり「進化」の視点で。
GALAPAGOSの独自機能は強みにならないか?
GALAPAGOSにはいくつか優れた特徴があります。例えば画面の解像度がiPadよりも高いとか、あるいはXMDF規格が日本語の扱いに優れている点です。
しかし、優れた機能を持っているということと強みがあるというのは全く別の話です。なぜならばGALAPAGOSはAndroidなどの標準規格を多用しているからです。
少なくともGALAPAGOS程度の特徴であれば、標準的なAndroidタブレット(まだ販売されていませんが、近いうちに登場するでしょう)やiPadに搭載することが簡単です。XMDFについてはビューアソフトを作ればいいだけです。画面解像度の問題についてはAppleはiPhone 4で大幅に改善していますので、iPadの次期バージョンでも解像度が良くなるのはかなり確度が高いです。
つまりGALAPAGOSは「隔絶」の度合いが極端に少ないため、独自機能を進化させても、すぐに真似られます。ですから独自の進化を積み重ねることが出来ず、ガラパゴス的進化はできません。
機能を限定することにより、独自のセグメントが築けるか?
大西宏さんが言っているのが恐らくこの議論です。
大西さんも言っていますが、価格をぐっと抑えられればこの可能性はあります。価格を大きく開けることにより「隔絶」したマーケットセグメントが狙えるからです。しかし既に発表されているAndroidタブレットを見ると、価格はiPadより安いどころか、むしろ高くなりそうです。新しい抱き合わせ(例えばオンライン新聞購読とのセット販売)をしない限り、GALAPAGOSの値段も抑えられないでしょう。
そうなるとこの議論は無理になってしまいます。
僕の意見
GALAPAGOSという名前、「社員レベルでは反対の声が多かったのは確か。しかし、上層部に行くほど、このブランドに対する賛成の声が増えていった」そうです(ソース)。
マーケティングと生物の進化は共通するところは多いと思います。ガラパゴス進化なんてまさに生物学的に言うニッチですし、マーケティングのニッチ市場も言葉が同じだけでなく考え方も同じだと思います。その意味で技術のガラパゴス進化は非常に興味深い話題です。
でもシャープ上層部はガラパゴス進化を理解していないのでしょうね。
前編?を含め、深く書いてあり、興味を持って拝見いたしました。
galapagosという名前もそうなのですが、書籍で、”イケル”と判断したり、あくまで電子書籍が中心なのに”メディアタブレット”と名づけたり、カタログにはあれもこれもできるような表現であったり、XMDFファイルの中に映像を含むことができるのに、”(電子)書籍”と表現したりして、主役がドンと構えてないんですよね。そこで、一生懸命アピールしたいのでしょうが何かとてもわかりにくい環境が作られてしまったみたいですね。
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