iBooks Authorのデジタル書籍はアップル独自のファイルフォーマットを使っていて、現時点ではAndroidなどでは動かせません。
理由はいくらでも考えられます。
- 競合のAndroidを助けたくないから。
- そもそもAndroidのタブレットなんて無視できるぐらいしか売れていないから。
などが普通の考える理由でしょう。
でももう一つ理由があります。
それはAndroidではうまく動かないからというものです。
つい最近まで、Androidのグラフィックス描写はハードウェアアクセラレーションが十分活用できませんでした
Anantechの”Samsung Galaxy Nexus & Ice Cream Sandwich Review”によると、Honeycomb (Android 3.0)になって初めてGPUを活用したGUI描写が行われるようになったそうです。それでもまだ完全ではなく、ようやくIce Cream Sandwich (Android 4)になってOS、ブラウザ、そしてGoogle提供のアプリがGPUを活用するようになったそうです。そしてこの効果はすごく高いという話です。
一番売れ筋のAndroidタブレットは古いOSを使っていて、GPUが活用できない
一番売れ筋のAndroidタブレットというのはAmazon Kindle Fireのことです。これはAndroid 2.3をベースに独自に改良したOSを使っていると報告されています。ハードウェアのスペックも低いものになっています。
当然ながらグラフィックス性能は低いです。
iBooks Authorでは様々なアニメーションが使われていますので、Kindle Fireではうまく動かない可能性が高いです。仮にApple社ががんばって作っても。
まとめ
仮にApple社が何らかの理由でAndroid用のiBooksを開発しようと思っても、最も売れているKindle Fireで動くようにはできなさそうです。ハード的にも貧弱ですが、それよりもOSが古いのが問題になりそうです。
UIのアニメーションがうまく動かないでしょう。
このブログにも前に書きましたが、Kindle FireのようなローエンドマシンがAndroidで最も売れるタブレットになってしまうと、タブレットにおけるAndroidのイノベーションが大きく阻害される可能性があります。アップル社がわざわざそういうプラットフォーム用にソフトを作るはずがありません。