最近タブレットの売り上げ台数がPCを越え、いよいよタブレットがPCに取って代わるのではないか、これがPost PC時代の到来だという意見を最近よく耳にします。
それに対して私はこのブログの中で、「状況はどうもそんなに簡単ではない。タブレット市場で起こっていることは何かちょっと変だ。」ということを繰り返し述べています(1, 2, 3)。
今回はタブレットのウェブ使用率が低くて、とてもPCに取って代わっている様子がないことを紹介します。
以下にStatCounterから取ったデータを紹介します。なおこのグラフでiOSと言っているのはiPadのことです。またAndroidもタブレットの集計となっていますが、最近やっと1.5%に届いている状態のため、グラフには表示されていません。またデータはUSAのデータです。USAはタブレットの普及が進んでいると言われているので採用しました。
ポイントは以下の通りです;
- iOS (iPad)のウェブ使用率は徐々に伸びています(2年前は1.96%で現在が5.75%)。しかしPCのウェブ使用率にはまだ遠く及びません。
- 「iOSはまだ出たばかりだから」という議論は可能です。しかしWin8のグラフを見ると、2012年10月ごろに登場して、現在までに7.71%となり、iOSをあっさり抜いています。「でたばかり」というだけでは十分な説明になりません。
- 参考までにAndroidは現時点で1.49%です。2年前の0.19%よりは大きく拡大していますが、Androidタブレットの販売台数の急増を考慮すると寂しい数字です(Linuxですら1.44%)。
この状況をどう解釈するべきか?
まだ「でたばかり」と考えても、タブレットのウェブ使用率がPCよりも大きく劣るのは間違いありません。タブレットではアプリを多く使っているかも知れませんし、ビデオをたくさん見ているのかも知れません。ゲームをたくさんやっているのかも知れません。
しかしPCの一番の用途である「ウェブ閲覧」において、タブレットが代替する気配すら見せていないのが現状です。
このデータを見る限り、「タブレットがいずれPCを代替する」と結論するのはまだ時期尚早な感じがします。
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