オバマ次期米国大統領の世界へのインパクト

BBCの記事を読みました。

Obama and the rest of the world

Long before Americans went to the polls, the world had already chosen Barack Obama as the next president of the United States.

The crowd of 200,000 excited Germans that cheered him in Berlin, in July, was a far cry from the protesters that often greeted President George W Bush on his foreign trips.

オバマと世界の他の国々

アメリカ人が投票所に行く遥か前から、世界はバラクオバマ氏をアメリカの次期大統領に選んでいました。

7月にベルリンで彼に声援を送った20万人の興奮したベルリン人の観衆は、ブッシュ大統領が訪問したときにしばしば見られた抗議デモとは全く異なるものでした。

アメリカって本当はこんな国なんですね。

日本の首相は日本人だって期待が持てません。
中国の共産党書記長は世界から疑いの目でしか見られません。
アジアから見れば日本の首相も同じレベルなんでしょうね。
ロシアも同様です。

世界中が夢と期待を抱いてしまうアメリカ大統領ってなんなんでしょう。
僕が生まれる前にはケネディー大統領もそうだったらしいのですが、未だにアメリカという国はそういう力を持っているのですね。

歴史をひもとけば、かつて超大国というのはいくつもありました。唐の時代の中国、7つの海を支配した英国など。でも僕が知る限り、こんなことはなかったのでは。

麻生ニコニコ動画のすごいコメント vs. オバマ氏のインターネット活用

オバマ次期米国大統領はインターネットをきわめて有効に活用し、そのおかげもあって若者からの支持が得られ、途方もない献金を手にしました。(などなど)

例えばFaceBook (アメリカのミクシィみたいなもの)のBarack Obamaのページには”Supporter”が300万人登録していて、これは対抗馬のJohn McCainの5倍ぐらいの人数です。YouTubeに登録したビデオは1,800を超えます。

さて日本はどうでしょうか。何しろ小泉首相のメルマガ以来、あまり聞いたことがないのでグーグルで検索はしてみました。

面白いのは、日本で行っているものはインターネットとはいえ、双方向性のないメディアに終始している点。

例外はニコニコ動画のコメントですね。ニコニコ動画の「麻生自民党チャンネル」を見ると、コメントが爆発していますね。すごいことになっています。不満爆発です。そのうち、コメントを消すのではないかと心配です。もしかしたら麻生さんはニコニコ動画のコメントのことを知らなくて、単なるインターネットテレビだと思ったのではないでしょうか。

日本の政治家もちゃんとコメントが残せるような双方向のインターネットサイトを用意して、ニコニコ動画サイトにぶつけられている不満を受け止める努力をされた方が良さそうですね。

経済危機の解説 by 武藤敏郎 前日銀副総裁

世界的な経済危機をしっかりわかりやすく解説した日本語の記事がなかなかみつからないなと思っていましたが、今日(2008年11月8日)付けの朝日新聞の3面にすごくよいものがありました。

「繁栄続き、楽観しすぎた米国」
武藤 敏郎
大和総研理事長・前日本銀行副総裁
(財務省出身ということで、日銀総裁への昇格を民主党に反対された人です)

残念ながら記事はオンラインで無料で読むことができないのですが、以下に僕がよいと思ったポイントを紹介します。(それにしても朝日新聞はケチだ。こんなのこそ無料でウェブで読めるようにしてもらいたい)

「グリーンスパン前FRB議長も、サブプライムローンはアメリカンドリーム実現の手段だと評価していた。」
・・・
「今からみれば、危機に陥った理由はすべて合理的で、納得できる。なのになぜ楽観論ばかりが支配していたのか。それは、危機の前夜に、きわめて長期の繁栄があったからだ。大恐慌の前の米国も、80年代後半の日本も、そうだった。」
・・・
「バブルの最中に、それがバブルだと認識するのは、ものすごく難しい。投機の対象がチューリップの球根の時もあれば、土地の時もある(注:オランダで1637年に起こったチューリップ・バブル)。バブルは常に個性的なだけに、見極めにくい。」

武藤さんの見方が優れているのは、今回の経済危機の原因をウォール街の無責任さや無謀さなどの倫理的な問題に求めるのではない点です。そうではなく、長期の繁栄が起こると人間は実態を見失ってしまうという根本的な性に原因を求めています。

平家物語でいう

奢れる者も久しからず、唯、春の夜の夢のごとし。
(おごれるものもひさしからず、だだ、はるのよのゆめのごとし)

です。

「結局、政策もグローバルに同質化してくるだろう。」
「今回も、ある国が預金を全額保護すると、他国も追随せざるを得なくなった。銀行への公的資金注入も、横並びで実施しなければ、市場に狙われて株価が急落する。もはや一国だけ「我、関せず」ではいられない。」
「同様に、政府や公的部門の役割も今後、標準化が進むのではないか。欧州のように、公的部門が雇用や社会保障でそこそこ力を発揮するモデルに収斂していくような気がする。」
・・・
「国民負担でも、これまでは米国型の低負担率でなんとかしようとしてきた。いまは将来世代からの借り入れで欧州並みの中福祉を得ているが、このままでは限界が来る。増税などによる負担増で公経済を拡充することを、国民がどう考えるか。」
「歴史を後から振り返ってみれば、今回の危機は、日本が欧州型に近づいていった転換点だった、ということになるかもしれない。」

小泉政権の行政改革は、英サッチャー首相や米レーガン大統領の政策をモデルに、政府機能の民営化(小さい政府)が中心でした。その小泉改革に多くの問題点があり、格差社会だとか医療問題を大きくしてきたことが非難されています。

今回の経済危機は、小泉改革をより根本的に否定するものと言えます。今回の経済危機を通して、政府よりも民間の方が良いとする基本的な発想の転換が迫られています。米国型の小さい政府よりも、欧州型の大きい政府の方が、経済の安定および国民生活の保障という意味で優れていることが言われるようになってきました。

米国自身、大規模な公的資金注入によって、実質的に大きな政府へ舵取りをしました。オバマ次期米大統領も選挙戦で欧州型社会保障への方向転換を訴え、中・低所得者層の広い支持を得ました(ただ米国では社会主義アレルギーがあるので、明確には言わないようにしていましたが)。

しかも、武藤さんが指摘していますように、政策がグローバルに同質化していくと予想されます。日本だけが小泉改革路線を継承することは実質的に不可能になります。

日本の政治家には、現実をしっかりと直視して、「埋蔵金」などという漫画の世界の馬鹿な言葉を使うのをやめて、しっかり税収を増やす方法を考えてもらいたいです。消費税という形ではなく、オバマ次期大統領が主張した高額所得者に限定した増税、大企業増税という形の方が一般国民の理解を得られるでしょう。

そして景気刺激策として公的事業を拡大するにしても、意味のない道路に税金を使うのではなく、国民の安心を支える福祉や医療、教育、そして次世代エネルギーの研究開発に使うようにしてもらいたいものです。これもオバマ次期大統領が言っていたことそのままですけど。

mixiの著作権

Mixiの各ページの下の部分をみると

Copyright (C) 1999-2008 mixi, Inc. All rights reserved.

なんて書いてあります。

ちょっと待て。Mixiの記事はユーザが書いているものだろう!って思いますけど。

おそらくこんなことを書いていても、裁判で争えば「著作権はmixiなんかにあるわけないじゃん」となるとは思いますが、こんなアホなことはなるべく書かないで欲しいと思います。

でもよく考えてみると、「バイオの買物.com」でもフッターに同じようなことを書いています。今のところはほとんどが僕が書いている内容なのでそんなに問題はないと思いますが、マッシュアップやユーザのコメントが多くなるようだったら考え直さないといけないですね。

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理想の上司

毎年「理想の上司」のアンケートが行われ、星野仙一が(なぜか?)上位になります。

2008年度の新入社員に対して三菱電機が行ったものは1位が星野仙一、2位が所ジョージという感じだったようです。

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さて、オリンピックの野球の惨敗によって星野仙一が圏外に落ちるのは当然としても、2009年度のトップは誰になるでしょうか。

それはきっと

  • 渡辺久信 埼玉西武ライオンズ監督
  • デーブ大久保こと大久保博元 埼玉西武ライオンズ打撃コーチ
  • 原辰徳 読売ジャイアンツ監督

のいずれかではないでしょうか?

特にデーブ大久保のインタビューやYouTubeのビデオ(おかわり中村選手とはしゃぐサヨナラヒットで喜びすぎて両足肉離れ)を見ていると、いままでの理想の上司とはずいぶん違うように思います。

今までの理想の上司は1位から3位まではどちらかというと古いスタイルの上司で、自分で方針を決めて、下の人に従わせるタイプ。それに対して原監督も渡辺監督もデーブ大久保も、対話をしてお互いに理解し合い、お互いに喜び合おうというタイプの人間です。

僕のスタイルは対話タイプだし、とても好きです。

こういう上司たちが日本シリーズを戦っているのをとてもうれしく思っています。

Update:
理想の上司ランキングは他にも

が見つかりました。

まだバグが直っていない

前のブログで指摘したバグが直ったかどうか、毎日こまめにチェックしています。なにせもともとは私が作ったものだし、うまく動いていないのは気になります。

しかも、バグを直したソースコードを私の方で作って、すぐに送ってあげたのに。

ソフトウェア開発外注がうまくいっていないと、こういう簡単なバグフィックスですら行われなくなってしまうのですね。私からは内部の状況はわかりませんが。

がっくり

P.S.
とは言うものの、コスモバイオも簡単なバグがなかなか直らなかったり、BioCompareもいつまでたってもよく落ちたりします。バイオのサイトは企業のものでも結構不安定なものが多い。
バイオの買物.comは私が作っているので、気付いたらバグをすぐに直していますが、テストがまだ甘いので、バグに気付かないことも多くなってしまっています。かなり気にはしているのですが。

ニコンの修理体制に大満足

僕は昔からニコンのカメラばかり買っていますが、その理由は簡単です。朝鮮戦争、ベトナム戦争などで従軍カメラマンを支えたニコンなら、サポート体制は万全だろうと。キャノンよりはスペックが劣っても、多少カメラを雑に扱ってもカメラ自身は頑丈だろうし、修理もちゃんとしてくれるだろうと。

ここ何年間か、実際に修理に出すことは無かったのですが、先日インターネットで修理をお願いしました。そしてその修理体制に大満足。

バイオの機器メーカーもこれに近いサービスが提供できるように、IT側からサポートできることはないか。そんなことを思いました。

修理の流れはこんな感じでした。

ウェブサイトで修理依頼

ニコンイメージングのサポートページから修理受付のページに移動します。

Nikon repair2.png

ここにはなんと「修理料金目安表」がありました。これを見ると、機種ごとの平均的な修理料金がわかります。「修理しようか、それとも我慢して使おうか」と悩んでいる人にとってはとてもありがたい情報です。

Nikon repair.png

実際の修理受付は「WEB修理受付」から。

なんと修理受付では最初に見積もりを出してくれるのです。機種と故障した箇所を入力していくと、故障した実際の製品を見てもらう前に見積もりを出してくれます。

Nikon repair3.png

あとは

  1. 製品のピックアップは宅急便で。宅急便が自宅までくるので、宅急便屋さんにカメラを預けます。
  2. メールで受け取り案内が来ます。
  3. 修理完了の案内と実際にかかった修理料金の案内がメールできます。見積もりより安かったのがまたうれしいですね。
  4. 料金はカメラ受け取り時に、宅急便屋さんに支払います。

見積もりがすっと出てくるので安心ですし、こっちの手間はほとんどなく、とてもスムーズに作業が流れました。

これがあるべき姿ですね。

バイオの機器修理もこれを見習いたいものです。

成功する会社は良いアイデアを潰せる

今回もBob Suttonのブログから。

Steve Jobsは次のように語ったそうです。

The thing I remember best was that Jobs advised them that killing bad ideas isn’t that hard — lots of companies, even bad companies, are good at that. Jobs’ argument went something like this: What is really hard – and a hallmark of great companies – is that they kill at lot of good ideas. Sure, this is tough on people who have come-up with the good ideas as they love them and don’t want to see them die. But that for any single good idea to succeed, it needs a lot of resources, time, and attention, and so only a few ideas can be developed fully. Successful companies are tough enough to kill a lot of good ideas so those few that survive have a chance of reaching their full potential and being implemented properly.

私が一番良く記憶しているのは、Steve Jobsの以下のアドバイスです。悪いアイデアを潰すのは難しくありません。悪い会社を含めた多くの会社でこれはできています。非常に難しいのは、そしてこれは優れた会社の特徴ですが、多くの優れたアイデアを潰すことです。良いアイデアを思いついて人にとって、これはつらいことです。自分が愛しているアイデアが潰されていくのは見たくありません。しかし、一つの優れたアイデアが成功するためには多くのリソースと時間と注意が必要です。ですから、十分に時間をかけられるのは少数のアイデアだけです。成功している会社はたくさんの優れたアイデアを潰すだけの勇気を持っていて、生き残った少数のアイデアが潜在的ポテンシャルを十分発揮し、正しく実施されるようにできるのです。

これには全く同感です。同時に昨日ブログに書いたように、非常に多くのアイデアを出すことの重要性も感じています。非常に多くのアイデアを生み出して、そして良いアイデアを含めて非常に多くのアイデアを潰していく過程がイノベーションには必要です。

通常はそのいずれかがおかしくなって、バランスが崩れます。

私が製薬企業に入社した1994年は、一般企業のバブルははじけていたものの、製薬企業のバブルはまだまだ膨らんでいました。各企業は最高益を更新し、研究開発においては非常に高い自信を持っていました。いつかは世界の大手製薬企業に飲み込まれ、日本の企業の淘汰が始まると言われていたものの、それが実際に始まる様子はありませんでした。

私が入社した協和発酵を含めた多くの企業は、この環境の中で多角化戦略を取りました。事業の多角化もそうですが、創薬だけをとってもターゲットする疾患の数が膨らみました。さらに分子生物学や構造生物学などの基礎研究にも積極的に取りかかり、気がつくと縦方向(基礎から応用)にも横方向(対象疾患の数)にも研究分野が広がっていました。これはSteve Jobsがいう、良いアイデアが潰せない状況です。

一方、製薬企業のバブルがようやくはじけた2000年前後になると、今度は極端な選択と集中が行われます。対象疾患を大幅に絞り込み、さらに基礎分野を大幅に減らしました。一見、これはSteve Jobsのいう良いアイデア潰しに見えますが、大きな問題がありました。というのは、ここまで絞り込みをした結果、発想力のある人間が力を発揮する場所がなくなってしまったのです。本来は選択と集中によって、極少数の生き残ったアイデアに優秀な人材と創造力が集中し、これが豊かに花開かなければいけません。しかし極端な選択と集中によって、アイデアが生まれる土壌すら枯れてしまい、生き残ったアイデアを膨らます補助的なアイデアも生まれない環境になってしまったのです。

大切なことは、勇気を持ってアイデアの絞り込みをしつつ、依然として様々なアイデアが涌き上がる環境を持続するでしょう。そのためにはアイデアやイノベーションが生まれる過程について十分に理解を深め、注意しながらバランスを保つことが重要だと思われます。アイデアがこんこんと涌き上がる環境を維持しつつ、適切な時期に適切な数までに絞り込みを行うことです。

さて、バイオの買物.comもそろそろアイデアの絞り込みをしないといけない時期に来ました。リソース不足でまともにサポートできない機能があり、それが放置されてしまっています。年内には大幅に見直す予定です。それについてはまたの機会にお話ししたいと思います。

アイデアが生まれる過程:600の思いつきから18の作品まで

Bob Suttonのブログに、良いアイデアを得るまでに必要な失敗作の数について、具体的な数字が書かれていました。

創造的なアイデアを作り出す人や組織が失敗を恐れず、日常の一部として捉えていることの例です。

紹介している例は1) おもちゃメーカーと 2)お笑い です。

1) おもちゃメーカー IDEO
1998年において、10人以下の社員が4,000のアイデアを生み出し、そのうち230はプロトタイプ化し、最終的に製品になったのは12個。

“You can’t get any good new ideas without having a lot of dumb, lousy, and crazy ones. Nobody in my business is very good at guessing which are a waste of time and which will be the next Furby.”

「新しくて良いアイデアを得るには、アホらしく、全くだめで、気違いじみたアイデアをたくさん出さなかればならないんだ。このビジネスでは、どのアイデアが時間の無駄で、どれが大成功するかを予測できる人はいないよ。」

2) お笑いニュース番組 The Onion
毎週のヘッドラインのネタ 18個を得るためには、普通600のネタを提案するそうです。この工程を紹介したポッドキャストもあります。
The Onionの白板はこんな感じだそうです。

僕自身はブレーンストーミングのファシリテーションをするときは、なるべく自分からばからしい提案をするようにします。自分が先に失敗をしてみせることによって、失敗しやすい雰囲気を作り出すのです。

日本のように上下関係をどうしても意識してしまうような文化圏では、上司の方から失敗してあげること大切です。変なプライドを持っている人だとできませんけどね。