GoogleのHugo Barra氏:Android 2.2はタブレット用には最適化されていない

Techradarの記事 “Google: ‘Android not optimised for tablets”より。

あれ?って感じです。だって昨日書いたようにAndroidを搭載したTabletがたくさん発売予定になっていますよ。

どうやらこれらのTabletはAndroid Market (AndroidのApp Storeみたいなもの)のアプリが使えなくなりそうです。Android 2.2はTabletサイズに最適化されていないし、そういうアプリはAndroid Marketからダウンロードできないかも知れないとのことです。

いたたたっ!ですね。

NewImage.jpgGoogleは次のバージョンのAndroid (Gingerbread)でタブレットへの対応を強化してくるでしょう。噂によるとQ4 2010に発表されるみたいですが、2010年9月になってもまだ情報は無い状況です。

いずれにしても、足並みは揃わないですね。

同じように水平分業をしているマイクロソフトWindowsの場合、マイクロソフトが完全にしきっていますので、ここまでのハチャメチャ感は無いですね。

AndroidにしてもiOSにしても、ハードもOSもアプリの供給システムも大変なスピードで進化し、変化していっています。この状況では水平分業はつらいよねって思います。垂直統合の方がよっぽど楽そうです。

NewImage.jpgそういえばGoogleはChrome OSというのも作っていましたね。こちらは基本的にはNetbookをターゲットしたOSです。Touch UIも視野には入っているということですが、Webアプリを作っているデベロッパーはTouch UI対応をやってくれるでしょうか。少なくともiOSの傾向を見ると、WebアプリをTouch UI用に作り直すよりは、iOSアプリをつくってApple App Storeに無料で載せることの方が多いようです。Touch UIに対応したWebアプリはあまり増えなさそうに思えます。

こうなるとChrome OSをタブレットに載せても、まともに動くアプリ(Webアプリ)が無いということになります。Netbookの売上げがiPadを筆頭としたタブレットに相当に食われると予想されていますので、Netbookでしか使えないChrome OSだと将来が暗いのではないでしょうか。

アップグレードする毎に速くなるOS

Mac OS X Public Betaが発売されたとき、そしてBetaから抜け出してMac OS X 10.0 (Cheetah)が発売されたとき、あまりにも処理速度が遅くてがっかりしてしまったことを先日紹介しました。

今ではOSのアップグレードにより、処理速度が向上するケースは珍しくなくなりました。例えばiPhone 3Gで特に顕著だったのですが、iOS 4からiOS 4.1にアップグレードすることによって、ほとんど実用に堪えないほどに遅かったのが、ほぼ問題の無いレベル(iOS 3レベル)に回復しました。

またWindowsの世界では、重すぎて古いパソコンやNetbookでは使いものにならないと言われていたVistaでしたが、新しいOSのWindows 7にするとパフォーマンスが大幅に改善するそうです。

しかしMac OS X Public Betaが発売された2000年当時はそうではありませんでした。OSのアップグレードをしたら処理速度が遅くなるのはほぼ「常識」でした。処理速度の低下がどれぐらい顕著か、そして新しい機能がどれぐらい魅力的かを天秤にかけながら、最新の高速なパソコンに買い替えるべきかどうかをアップグレードのたびに考えたものです。

NewImage.jpgMacの世界ではSystem 6の時代はOSがフロッピーディスク一枚に納まり、そして何秒かかったかは計ったことはありませんが間違いなく1分以内に再起動してくれました。MacはしょっちゅうOSが落ちたので、再起動は一日に何回もやるのが普通でした。ですから再起動が速いのはとても便利でした。

System 7になったらOSはハードディスクに載せる必要が出てきました。OSが巨大化したのです。再起動も遅くなりましたが、各種の処理も非常に遅くなりました。ただ疑似マルチタスク等、どうしても必要な機能がたくさん追加されていました。そしてMac OS 7.5, 8, 8.5, 8.6, 9と進化していきましたが、一貫してOSは重くなっていきました。

NewImage.jpgWindowsの世界ではまともなGUIベースのOSが出たのはWindows 95が最初でした。後を次いだWindows 98はまだそれほど問題がありませんでしたが、マルチメディア機能等を拡充したWindows Meは悲惨でした。OSそのものが重くて処理が遅いのはもちろんのこと、RAMと高速CPUを搭載したパソコンに買い替えても状況は改善できない決定的な欠点を持っていました。OSそのものが決定的な限界を抱えていて、ハードをどんなに良くしてもダメだったのです。そしてこれらの問題を解消したWindows 2000とWindows XPは真のマルチタスクができる等、大幅に改善されたOSではありましたが、Windows 95, 98に比べて処理速度は重く、よりパワーのあるパソコンが必要でした。

このように、OSをアップグレードしていくに従って処理速度が落ちるのは常識でした。だからこそMac OS X Public BetaやMac OS X 10.0があまりにもパフォーマンスが悪かったときに、絶望的なほどにがっかりしてしまったのです。

NewImage.jpgこの常識を覆して行ったのは、Mac OS X 10.0 Cheetahの後を次いだ Mac OS X 10.1 Puma、Mac OS X 10.2 Jaguarでした。特に10.2 Jaguarはグラッフィックスカードの処理能力を引き出すことによって、大幅なパフォーマンス改善を実現しました。この時点でMac OS Xは実用に堪える処理速度を手に入れました。そして10.3 Panther、10.4 Tiger、10.5 Leopard、10.6 Snow Leopardと、どのバージョンでもパフォーマンスは改善して行きました。Windows VistaからWindows 7に行くまでのパフォーマンス改善も、期間は短かったのですがおおよそ同じ状況だったのだろうと思います。

もちろんすべてのマシンでパフォーマンスが改善した訳ではありません。OSの機能を拡充しながらの速度改善はマジックではありません。これを実現するためには、CPUが担ってきた処理を他のハードウェアに任せる等の方法がとられましたので、対応しないハードウェアではうまくいきませんでした。しかしハードウェアが対応している限りはOSの機能拡充と速度改善は両立していました。

Mac OS X 10.0 Cheetahのパフォーマンスが遅かったときは非常にがっかりしたのですが、iPhone 3GでiOS 4の速度が遅くても安心していられました。Apple社ならOSアップグレードでパフォーマンスを改善してくれるだろうって、信じることができました。そう遠くはない過去にそれをやってのけた訳ですから。

今ではOSにしてもアプリにしても、そしてウェブサービスにしても、機能を拡充しながら処理速度を向上させることが常識になってきました。

LinuxのUbuntu 10.04は超高速で再起動できることに注力しています。Windows 7はNetbookでも軽快に動くようにすることに重点を置きました。MacはSnow Leopardで大幅な減量と最適化を実現しました。

ウェブではGoogleがGoogle Instantを発表し、スピードへの飽くなきこだわりをまたも見せてくれました。ウェブページの速さがオンラインでの売上げに直結するというデータも出ています。

良い時代になったと思うと同時に、これを支えている多くのテクノロジーを開発した人間には本当に頭が下がる思いです。

Androidのタブレットは成功するか?

iPadと対抗すべく、多くのAndroidタブレットがまもなく発売されるそうです(“Ipad, a Wave of Android Tablets Are Gunning for You”)。

しかしAndroid携帯のマーケットシェアが拡大しているとはいえ、タブレットの世界でも成功する保証はどこにもありません。

Android携帯がシェアを拡大できているのは、Apple社がキャリアを制限していることが一番大きな理由だと考えられます。日本だったらiPhoneを売っているのはソフトバンクですが、ドコモだったらもっとたくさん売れたと考えるのは自然です。同様に米国ではAT&Tが独占的にiPhoneを売っていますが、Verizonが売ればもっともっと売れただろうと大部分の人が考えています。iPhoneがVerizonから出ていれば、Androidが入り込むスキすらなかっただろうという考えもあります。

いずれにしてもApple社はキャリアを制限することで、Androidに走り込むスペースを開けてしまったのは間違いありません。別な戦略的意図があったとは思いますが、シェア獲得という点だけ考えると、キャリアを制限したのは間違いなく不利でした。

タブレットの世界では、このキャリア問題の影響は小さくなります。WiFiだけのモデルがあることからも分かるように、携帯電話キャリアのネットワークに依存しない使い方が多いからです。

つまりAndroid携帯の最大の強みが、タブレットの場合は少ない、あるいは全く無いのです。

どっちかというと、タブレットの市場はスマートフォンのように展開するのではなく、MP3プレイヤーのように展開するだろうと僕は予想します。そう、iPodに支配されているMP3プレイヤー市場のようになるでしょう。ただ今回は最初からApp Storeが整備されているので、差はより圧倒的になるとも考えられます。

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Appleは単に最高の製品を作りたいだけだ

Steve Jobs氏はインタビュー等でしばしば “We just want to make the best products that we know how to make.” 「我々は単に自分たちが作れる限りの最高の製品を作りたいだけなんだ」と言っています。

僕はこれがApple社の偽らざる真実だと思っています。Apple社がクローズドで排他的であるとか、利幅を優先しているとか、いろいろな議論がされていますが、僕はこれは「結果」でしかないと思っています。Apple社が常に最高の製品を作ろうとしている「結果」なんだと。

今朝のブログで「一部の新しいAndroid携帯ではGoogle検索ができない?Bingしか使えない」ことを紹介しました。米国で最もネットワークが充実している携帯電話キャリアのVerizonは、自社とMicrosoft社の間の提携を優先して、自社ネットワークにつながるAndroid携帯に制限を加えているのです。そしてAndroidはオープンソースなので、Google社は全く何もできないという話です。このようにAndroidはオープンですが、オープンであることによってGoogle社は「最高の製品を作る」ことにこだわるだけの権限を無くしてしまったのです。

それはAndroid携帯のOSがおおむね古いバージョンになってしまっていることからも言えます。Android携帯のユーザがどのバージョンのOSを使っているかを紹介した記事、“Android 2.2 Finally Starts To See Wide Adoption, Now On 28.7% Of Handsets”によると、Android携帯のメーカーはなかなかアップデートを提供せず、おかげで多くのユーザは古いOSを使い続けなければならないそうです。オープンであるだけに、Google社はメーカーに対して最新のOSを使うように強く働きかけることが出来ず、おかげで最新の機能を搭載したOSをユーザは利用できないでいます。

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それに対して、クローズドで統合されたバリューチェーンのiPhoneの場合は、iOS 4を公開してからひと月で利用者が半分を越えたそうです。Android 2.2が公開から3ヶ月でやっと30%弱に届くのと比べると、ずいぶんと違います。しかも1年前に公開されたAndroid 2シリーズ以前のOSがまだ30%弱残っています。iPhoneの場合、1年以上前のOSを使っているユーザはわずかに3%です。最新のOSを使用しているユーザの割合はiPhoneの方が圧倒的に高く、逆に古いOSを使用しているユーザは圧倒的に少ないのです。

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多くのユーザが古いOSに取り残されていると、ソフトを開発するデベロッパーは最新OSの新しい機能を積極に使ったアプリが開発しづらく、常に古いOSでも動作するように機能を制限しないといけません。ですから「最高のソフト」が作れなくなってしまうのです。Apple社がクローズドなバリューチェーンを維持している理由はここにもあります。

Apple社が日本国内でドコモと組まずにソフトバンクと組んだのも、同じように「最高の製品を作りたい」からでしょう。ソフトバンクならば、Apple社流の最高の製品のコンセプトを理解し、それを実現するために共に協力してくれるとApple社は判断したのでしょう。短期的にはドコモと組んだ方が大きなマーケットシェアが獲得できるのは間違いないのですが、シェアは眼中に無かったのでしょう。それよりはイノベーションを通して「最高の製品」を作りやすいパートナーを選択したのだと思います。

Macintoshが1990年代にWindowsによって窮地に追いやられたことを引き合いに出して、「クローズドよりはオープンの方が最後には勝つ」と考えている人をしばしば見かけますが、Steve Jobs氏はそう思っていないようです。そうではなく、Macintoshが負けたのはApple社が「最高の製品を作る」ことを忘れたからだと判断しているでしょう。実際、1984年に生まれたMac OSを抜本的に書き換えることが出来ずに十何年間も引きずったわけなので、最高の製品を作ることはできていませんでした。過去の栄光にすがって、古い技術につぎはぎをしているだけでした。

iPodはiTunesと強く結びついたクローズドなシステムでした。マイクロソフト社の音楽フォーマット(WMA)などは再生できず、著作権保護された楽曲はiTunes Storeから買ったものしか再生できませんでした。それでも2009年時点のマーケットシェアは73.8%と報告されています。1990年代のMacintoshと何が違ったかというと、常に「最高の製品」を作り続けていたことです。そして値段も非常にアグレッシブでした。クローズドかどうかで言えば、むしろMacintoshよりもクローズドでした。

まとめると、重要なのはオープンだとかクローズドだとかではなく、また利益を優先しているかシェアを優先しているかとかではありません。少なくともApple社が重要だと考えているのは「最高の製品を作り続けること」であって、たまたまクローズドにした方がやりやすい場合が多いというだけだと思います。

大幅にマーケットシェアを拡大したと報じられているAndroidにしても、勝負はこれからです。短期的にシェアを拡大する道を選んだAndroidは、「最高の製品を作る」点において不利な立場に追いやられるでしょう。Apple社ではこう考えているはずです。自分たちがイノベーションのペースを緩めなければ、Androidはついて来れないと思っているのでしょう。

Mac OS X Public Beta から今日でちょうど10年

Mac OS XのPublic Betaが公開されてから今日で10年が経ちました。その歴史についてはWikipediaなどを参照するのが良いと思いますが、そのPublic Betaを新宿に行って購入した僕としては、とにかく長かったなぁ〜という気持ちです。

Wikipediaの記事も、またArs Technicaが当時書いたこの長文のレビュー記事もかなり良く書かれています。当時を知らない人、もしくはそのときはウィンドウズを使っていてマックを使っていなかった人は、せめてWikipediaの記事でも読むと良いと思います。

そこでここでは、あくまでも当時の自分の個人的な気持ちを書こうと思います。

まず当時のMacintoshの状況です。

OSはMac OS 9。1984年に発売された初代のMacintoshを継承したものでした。既に16年が経っていましたが、マルチタスクがうまく出来ないなど、1984年当時の負の遺産をそのまま継承していました。ちょっとしたことでOSごとフリーズしたりすることはしょっちゅうで、フリーズしないにしてもしばらく全く操作を受け付けないということはあっちこっちでありました。

マイクロソフトから1995年に発売されたWindows 95も同じような問題があったので、そのときはまぁしょうがないよねって流せました。Windows 95って、要は11年かけてやっと同じところまで追いついてきたのねって。でもWindows 2000が発売されると、もうそろそろこんなのではダメだということが誰の目にも明らかになってきました。Windows 2000はマイクロソフトが長年をかけて開発した、マルチタスクができる近代型のOSでした。Windows 95に将来的に代わるものして準備されていて(実際にはWindows XPで代わった)、この近代的なOSであればフリーズの問題などが大部分なくなりそうでした。

Windows 95はMac OS 9とさほど差はなかったのですが、Windows 2000は明らかにMacを越えていました。Macのファンであっても、もうダマしが効かなくなり、かなり暗い気持ちになってきていました。

1984年以来、次世代OSの開発に失敗し続けたApple社に、ようやく引導が渡されるのかな。そんな気持ちしてした。

Steve Jobs氏は1997年にApple社に復帰していて、2000年には正式にCEOになりました。一時は破産まで残り90日間という大ピンチを乗り越えて、Apple社は利益が出る会社になっていました。1998年にはiMacも投入して爆発的に売れました。しかしこれはまだ急場しのぎでした。なぜならOSはまだ旧来のものだったからです。OSを近代的にしない限り、長期的なApple社の復活はあり得ませんでした。

Steve Jobsは復帰当初からMacの次世代OSの開発を最も重要な仕事に挙げていました。NeXTのOSをベースに、全く新しい近代的なOSを作り上げると言っていました。これがうまく開発できて、そして多くの人が使ってくれれば、Apple社に復活の道が見えます。これができなければ、長期的にはApple社は必ずしぼんでしまいます。Windows 2000、そして噂されていたWindows XPの登場までもうあまり時間は残っていませんでした。

Mac OS X Public Betaはそういうぎりぎりの状況の中で生まれた製品でした。すくなくとも私はそう感じました。

でも実際に使ってみると、全然使い物にならない。

機能がまだそろっていないのは許せました。何しろベータなので。でも何よりもパフォーマンスが遅すぎました。2001年3月に発売されたMac OS X 10.0 (Cheetah)も大してスピードは良くなりませんでした。当時はWindows 2000を仕事で使っていましたが、それと比較するともう猛烈に遅かったです。すべての操作がもたつきました。

もうがっかりです。

もうだめかなと。

僕はCheetahが出て、これもすぐに家で試してみて、あまりにも遅いのでがっかりしたので、すぐにIBMのThinkPadを買いました。Windows Meという超駄作がプレインストールされていましたが、すぐにWindows 2000を買ってインストールしました。

もうMacを仕事で使うのは無理かなと。Apple社、だめだったのかなと。

今の飛ぶ鳥を落とす勢いのApple社からするととても信じることが出来ないような、とても将来が暗い時代でした。

Mac OS X。本当に良くここまで成長してくれました。ここまで立派になるとは、Public Betaのときは夢にも思いませんでした。

仕事で使うのは一時期諦めましたが、それでもずっと信じ続けて良かったです。

Public Betaに期待を寄せたのにすごくがっかりしてしまったファンは、みんなそう思っているはずです。

最後に、Mac OS X Public Betaの冊子に書かれていたApple社からのメッセージを引用します。

あなたの力が必要です。Mac OS Xを先進的で直感的なオペレーティングシステムにするために。そう、世界で最高の。

親愛なるMac OS Xベータテスターへ

Macintoshの未来は、あなたの手の中にあります。

Mac OS Xは、Macintoshを新世紀へと導く、全く新しい、次世代のオペレーティングシステムです。根本から生まれ変わったMac OS X。それは、特にインターネットへのベストマッチを目的にデザインされ、安定性とパフォーマンスを信じられないほど向上させる先進のテクノロジーが存分に注がれています。目を見張る最新のグラフィカルユーザインタフェース、Aquaも搭載しています。

このパブリックベータは、あなたにとって、Mac OS Xをいち早く体験できるチャンスです。同時に、Appleにとって、あなたの意見を聞けるチャンスなのです。

あなたの声を、ぜひ聞かせてください。

あなたの協力とApple historyへの参加に感謝します。

これまでも、これからも。

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一部の新しいAndroid携帯ではGoogle検索ができない?Bingしか使えない

ここ一週間ほど、表題のような噂がインターネット上で流れました(日本語の記事はあまり見つかりませんでしたが)。例えばCNN.comでは“Verizon forces Fascinate users to use Bing?”として紹介されています。

裏にはMicrosoft社とVerizon社の提携があるようです。二社間の契約がどのようなものかは明らかにされていませんが、今後Verizon社が提供するAndroid携帯の少なくとも一部はBingがデフォルトの検索エンジンになるそうです。それが今後Verizon社のすべてのAndroid携帯に広がるのか、あるいはGoogle検索を選択することすらできなくなるのかはまだ情報が出てなさそうです。

いずれにしても、Androidのように「オープン」であるというのは相応のリスクがあるようです。

雇用を生み出すには起業を促せ

New York Timesの記事で”To Create Jobs, Nurture Start-Ups”というのがありました。

2010年8月に発表された論文で、どのような企業が雇用を生み出しているかを分析しているものがあり(“Who Creates Jobs? Small vs. Large vs. Young”)、それによると雇用を生み出しているのは大企業でもなく、中小企業でもなく、創業してから間もないスタートアップであるそうです。

アメリカでは雇用創出は中小企業が担っていて、大企業はあまり貢献していないというのが「定説」でした。しかしこの論文では、会社の規模ではなく、若いかどうかがポイントだとしています。ですから従来の「定説」に基づいてオバマ政権がとっている中小企業支援策が、若干的外れではないかと疑問を投げかけています。

さて、日本の場合はもっと議論が訳が分からないです。というのもどのような企業を雇用を創出しているかという議論すらないのです。でもニュースをじっくりおいかげているとよくわかります。エコカー減税とかをやってもトヨタや日産、ホンダ等の大企業は雇用創出なんてしません。やるとしても海外への生産移転によって、外国人の雇用を増やすだけです。もうこういう会社の支援は止めにしてもらいたいんですけど。

Apple TV: 我が家での使い方

2007年1月10日に発表されたApple TVですが、Apple社としては思ったほどの成功を収めることが出来ず、ずっとビジネスではなく「ホビー」として製品事業を模索しているとスティーブ・ジョブズ氏は公言してきました。

そして去る2010年の9月1日に全く新しいバージョンのApple TVが発表されました。100ドルを切る非常に大胆な価格設定で、Netflixなどのサービスも取り込むとのことです。こうしてAppleはTVに再度挑戦をします。

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残念ながら日本ではまだ新しいApple TVは発表されていません。

そこでこの機会に、我が家でのApple TVの使い方を紹介したいと思います。我が家では2007年に初代のApple TVを購入しました。よく使うのは以下の機能です。

海外のニュース系ポッドキャストを見る

例えばCNN, ABC, CBS, NBCなどのアメリカの主要ニュース番組はPodcastを積極的に無料で配信しています。CNNの名物インタビューアのLarry Kingのショーは最初から最後までPodcastで見られますし(15分程度)、NBC Todayなどは全部ではないのですが40分間を見ることができます。

特に面白いPodcastはFareed ZakariaのGPS。国際政治の話題を非常に多角的に分析し、コリンパウエルやパキスタン大統領等著名人を独占インタビューする等、ものすごくレベルの高いPodcastです。

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子供を寝かしつけているときなど、よく見ていました。妻は授乳中によく見ています。

残念ながら日本の放送局ではこういうPodcastは用意していないようです。

子供の写真を見る

Apple TVはiPhotoに入っている写真をスライドショーにして見せてくれています。我が家は小さい子供がいるので、その子たちの写真を大型のテレビ画面で手軽に見られるのはとても楽しいです。子供たちも楽しんでいます。

何となくぼーっとくつろぐとき等にスライドショーを流したりしています。

音楽を聴く

うちは本格的なステレオを用意するほどの音楽好きではありませんので、音楽を聴くときはテレビのスピーカーもしくはDVDプレイヤー(一応ホームシアター仕様)で十分と感じています。iTunesに入れている曲はすべてApple TVで聞けるので、Apple TVからテレビもしくはDVDプレイヤーのスピーカーに出力しています。またインターネットラジオも聞けるので、BGM程度には結構使えます。

その一方でほとんど使わない機能もあります。

YouTubeは見ない

YouTubeのコンテンツは正直言ってテレビで見る気がしません。少なくと僕の場合、YouTubeで見るコンテンツは非常に私的なものになりがちです。例えば仕事のWeb関連の解説ビデオだったり、ある特定のスポーツシーンのビデオだったりするので、文字入力が簡単でいろいろと検索条件を試せるPC環境が必要です。

広い観衆を相手にプロフェッショナルなコンテンツを作っている団体は、インターネットにコンテンツを配信している場合であっても、主にYouTubeではなく専用のウェブサイトで動画を配信しています。逆にYouTubeのコンテンツはどうしても完成度の低いもの、もしくは非常にニッチ向けなものになってしまいます。僕の場合はこれをテレビで見ようとは思いません。完成度の高さで言えば、Podcastの方が良いものがたくさんあります。

大リーグの全試合をノーカットで放送しているYouTubeのMLB.jp channelみたいなものが多くなれば事情は変わるかもしれません。しかし個人的にはあまり期待していません。

映画やTVショーは見られない

これは単に日本では対応していないというだけのことです。USであれば、レンタルDVDの感覚でApple TVを使って映画を見ることができます。また映画だけでなく、TVショーを見ることもできます。なんで日本はやれないんですかね。まぁおおよその想像はつきますが、Appleジャパンにはもっとちゃんと働いてもらいたいものです。

まとめ

スティーブ・ジョブズ氏も言っていましたが、Apple TVはヒットしていないものの、顧客満足度が高い製品です。我が家でも買ってよかったと思っています。日本では恐らく著作権のごたごたとAppleジャパンの力不足でApple TVの本来の魅力の半分も活かせていないと思いますが、それでもしょっちゅう使っています。自分の写真を眺めたりPodcastを見たり、あるいは音楽を聴いたりするだけのためでも、Apple TVは十分に魅力的な製品だと思います。その人のライフスタイルに大きく依存はしますが。

新しいApple TVはiTunes、iPhotoのコンテンツがテレビで見られるというだけで99ドルの価値はあると思います。Appleジャパンが日本のビデオコンテンツ会社と何か重大な交渉を進めているというのであれば別ですが、そうでなければ今できることだけでもしっかりPRして、国内で販売を開始してもらいたいと思います。

Win XPのシェアは、未だにVista + 7よりも高い

バイオの買物.comのまとめてカタログの7月のアクセスログによると、訪問者の中でのWindows XPのシェアは66.39%、Windows Vistaが20.58%、Windows 7が11.4%となっていました(ただしWindows全体の中でのパーセンテージ。Windows利用者は全利用者の80.46%)。

なんとWindows VistaとWindows 7の利用者数を足しても、Windows XPの利用者の半数にも満たないのです。

ぎょえっ!!!!

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