ソーシャルメディアって難しい

ソーシャルメディアと言えば私はTwitterとFacebookとmixiを使っていますが、それぞれに微妙な使い分けをしています。私以外の多くに人も何らかの使い分けをしている思います。

私の場合;

  1. Twitterはネットで知り合った人を始め、不特定多数の人とつながっています。投稿も雑多な内容で、仕事のことを含め、思ったことをその場で書いていました。最近はバイオの買物.comの公式アカウントという位置づけにして、発言内容を仕事関連になるべく絞っています。Twitter上の友人は旧知の間柄でもないので、すごく大切な友人ということはあまりありません。そのため、政治のこともちょっと過激に発言することもありました。逆にそれでつながっている人も多くなっています。
  2. Facebookは顔なじみの人に限定しています。それも学生時代の友人や、プライベートの話が気軽にできる会社の友人(今の会社は一人でやっていますので、以前の会社の友人になりますが)に絞っています。投稿もプライベートばかりで、子育て関連のことばかり書いています。大切な友人ばかりなので、気軽な中にも、学生の頃は話さなかったような政治とかの話はしないようにしています。友人の政治観とかが分からないし、それが理由で友情にひびを入れたくないからです。
  3. Mixiはそもそもほとんど使っていませんが、Facebookと同じようにプライベートの話が出切る友人に絞っています。

ただこれはあくまでも私の使い分けであって、友人が同じだとは限りません。

例えば私はFacebookをプライベートな友人に絞っていますが、その友人の中にはFacebookを今の会社の人間とのつながりに使っている人がいます。

そのとき僕が彼の投稿に対して、学生時代の悪のりした感じでちゃかしたようなコメントをするとマズいのです。なぜならそのコメントを彼の会社の同僚が見てしまうからです。

実際やってしまった後に気付いて、あわてて消してしまったことがあります。

アップデート

よく考えると日本人でFacebookをやっているは、何らかの形で外国人と知り合っていて、その人と連絡を取るためにFacebookを使っていることが多いように思います。留学したのでなければ、必然的にFacebook上の「友人」は会社関係の人間になりやすいですね。
Facebookが日本で普及していけば、そうでもなくなると思いますが。

10代の子供にはネットをどう活用してもらいたいか:「10代、パソコン離れ…ネットは携帯で 東大教授ら調査」

Asahi.comに「10代、パソコン離れ…ネットは携帯で 東大教授ら調査」という記事が載っていました。

NewImage.jpg左に引用したグラフを見てもらえるとはっきりしていますが、「自宅でのパソコンによるネット利用時間」が2005年には20分弱あったのに、2010年には10分強までに落ち込んでいます。他の年齢層は軒並み利用時間が増えている中で、10代だけが落ち込んでいます。したがって10代の若者特有の何かがあると考えるのが自然です。以下、思うことを書いてみたいと思います。

これは意外な結果ではない

2009年の1月に僕は「高校生の携帯電話の使い方」というブログ記事を書きました。高校一年生だった姪が携帯電話をどのように使っているかを聞いたものです。そのときも「自分専用のパソコンが仮にあったとしても、面倒だから使わない」ということを言っていました。ブログを書いた当時は気付かなかったのですが、iPadなどが登場したいまでは、パソコンの何が面倒だったのかははっきりしていると思います。立ち上がるのは遅いし、設定が面倒だし、アプリのインストールは分かり難いしなど、iPadが解決しようとしているのはそういったパソコンの面倒臭さです。

この調査を実施した橋元教授は

10代のパソコンによるネット利用時間が落ち込んだのは意外で、10代の携帯ネットの利用も飽和状態に近いと見ている。

と語っているそうですが、彼はあまり10代の若者と接する機会がないのかなと想像されます。

面倒くさいというのは10代だけではないはずです

しかしパソコンが面倒くさいというのは10代だけの話ではないはずです。他の世代にとってもパソコンの起動が遅いのは共通の苦痛です。ですからこれだけでは10代の落ち込みは説明できそうにありません。

Asahi.comの記事の中では、10代の時間がテレビゲームなどに振り分けられていることにも注目していますが、これもまた10代特有とは言えません。3-40代もかなりテレビゲームをやっているはずです。

日本のマスコミのレベルが一般に低いので仕方ありませんが、Asahi.comの記事では10代の落ち込みの原因が十分に議論されていないと言わざるを得ません。

携帯サイトの年代別利用状況

一つ考えられる仮説として、携帯サイトが10代の若者にとって魅力的である一方、インターネットのコンテンツに魅力がない可能性があります。

「モバイルでの利用サービス調査」では世代別の調査が行われていますので、これを見てみましょう。

NewImage.jpg

この中で10代の利用率が突出して高いのは「着うたフル」「ブログ」「電子コミック」「占い」です。「ブログ」の中身が芸能人等のブログなのか、友人同士のブログなのかはこのウェブページだけでは分かりませんが、僕の姪の話だと友人同士のブログを見ることが多いと言っていました。よくある、携帯で簡単に書いたブログなのでしょう。

確かにこれらのものであれば、携帯の小さな画面でも不便は無さそうです。敢えてパソコンを使う必要は感じられません。今日初めて電子コミックをこのサイトで試してみましたが(パソコンの画面上で)、画面が小さいと一コマ一コマに集中させられてしまい、却って良さそうな気もしますね。

逆にパソコンでネットを利用する目的のうち、高校生にとって魅力のありそうなものを見てみます。総務省の資料平成 21 年「通信利用動向調査」の結果の9ページ目のグラフにいろいろな利用目的が記されています。

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上位項目のうち、パソコンでなければできず、なおかつ中高生にとって面白そうなのは「動画投稿サイトの利用」ぐらいでしょうか。10代がパソコンを利用しなくなっている理由がだんだん分かって来た気がします。

親としては子供にネットをどう活用してもらいたいか

先ほどの総務省のグラフを見ながら、親としては10代の子供にどのようなサイトに行ってもらいたいかを考えてみたいと思います。

パソコンでのネット利用の最上位は「企業・政府等のホームページ(ニュースサイトを含む)」ですし、親としては子供にもこれを見てもらいたいはずです。世の中がどのようになっているのかの情報はそこにあるからです。そして親自身がインターネットをイメージしたときは、このようなサイトをイメージしています。

しかし10代の子供はこれにあまり興味がないのでしょう。だから携帯で十分と考えるのだと思います。

どう考えるか

少なくとも親の世代から見たとき、10代の理想的なネット利用というのは、学習の助けになるような使い方だと思います。学校でやる目の前の勉強はもちろんのこと、社会の仕組みを知る勉強、将来の職業について考えるための勉強など、そういうことにインターネットを利用してもらいたいと思っているはずです。

しかし当然ながら子供が素直に親の意向に従ってくれるはずもなく、自分たちが興味を持っているものがまず最初にあって、それに合わせるようにネットを活用していきます。そして若者の興味はいつの時代もほとんど変わることはなく、相変わらずポップ音楽であったり、友達関係(異性を含む)だったり、漫画だったり、芸能人だったりする訳です。10代の若者が社会の仕組みや将来の職業に非常に関心を持っていた時代は、少なくとも日本が豊かになってからはないはずですし、今後も訪れないと考えるのが自然です。社会のことに無関心でいられるのは先進国の10代の特権なのですから。

10代のパソコン離れは、これを単に反映しているだけではないかと思います。

ただ僕としては残念な思いはあります。若い世代にはもっと有効にネットを活用し、我々の世代では出来なかったようなこと、得られなかったような情報を活用しながら、我々の世代を越えるような人間たちが育ってほしいからです。

そのためにはネット(パソコンの)を活用した授業を学校の中で取り入れるしかないのかなと、この調査結果を受けて、いままで以上に強く思うようになりました。

何でも不景気のせいにするのは考えが足りない: 「30代前半の男性、半数が親と同居…不況背景?晩婚化も」

Asahi.comの記事
「30代前半の男性、半数が親と同居…不況背景?晩婚化も」

マスコミだから仕方ないと諦めているけれども、論理展開がおかしいです。

国立社会保障・人口問題研究所が「経済状況の厳しさが、結婚や自立を遅らせている可能性もある」と語ったと報じられていますが、本当にそうだとすると、この研究所もちょっと考えが足りないことになりそうです。

なお調査の原文はここの10ページ、図III-6だと思われます。

スクリーンショット(2010-12-11 2.00.16).png

新聞記事を引用します

親と同居している割合は、結婚を機に30代になると大幅に減少する。ただ、30代前半の男性は調査のたびごとに増加し、1999年は39%、04年は45%だったが、今回は48%と最高を更新。女性も04年の33%から37%に増えた。

つまり1999年から2004年は同居率が6ポイント上昇していて、2004年から2010年は3ポイントしか上昇していません。2002年2月から2007年10月は公式には好景気(いざなみ景気)である一方、2008年のリーマンショックによる景気後退は100年に一度とも言われているものです。したがって言い方によっては、好景気時に同居率が6ポイント上昇して、不景気時に上昇率が半分に低下したとも言えます。

実際に過去の調査結果のデータを確認し(2009年実施2004年実施1999年実施1994年実施)、30歳前半男性に限って整理しました。

2009年 47.9%
2004年 45.4%
1999年 39.0%
1994年 41.2%

1994年から1999年にかけてというのは、バブルが崩壊した直後で、日本経済史上最長の不景気が続いた時期です。でもその間に同居率は2.2ポイント減少しています。

僕なんかの考え方で言えば、この数字を見る限り、景気と同居率の間には相関関係は無さそうだと思うのですが、いかがでしょうか。

まとめ

親との同居率について、晩婚化についても、最近15年のデータを見る限り景気との相関関係は認められません。新聞で報道されているように景気のせいにするのは、はなはだ根拠に乏しい議論だと言えます。

おそらく親との同居率についても、晩婚化についても、景気とは全く異なる要因がむしろ大きく影響していると思われます。

そもそも親と同居するかどうかの判断は、家賃、給与、そして会社の福利厚生に大きく影響されます。

好景気のときは給与も増えますが、家賃も増えます。もし給与の増加分以上に家賃が増えてしまったら、いくら好景気とはいえ、親と同居する子が増えるという議論が成り立ちます。好景気かどうかを見るだけでなく、給与と家賃の相対的な関係を見る必要があります。

また会社の福利厚生として独身寮があり、格安で借りることができるのであれば、景気に関係なく多くに人が入寮するでしょう。最近は各企業が社宅や独身寮を減らしていますので、親との同居率にはこっちの方がむしろ影響している可能性があります。

本当のところはしっかりした調査が必要になりますが、いずれにしても簡単に景気のせいにするというのはあまりにも考えが足りず、あきれてしまいます。

朝日新聞だけなら仕方ないのですが、日経新聞までもこんな報道の仕方をするのでがっかりです。

子供が学校で意地悪を受けたとき、どう話すか?

まだ3歳10ヶ月の長女の話ですが、子供どうしで遊ぶようになってまだ2年も経たない年頃なので、子供として初めて体験する友達同士のトラブルが発生します。

特に男の子は言葉が汚くなることもあり、長女に対してもちょっと意地悪な言葉だとか行為が出てくるようです。

それはそれで全く仕方のないことなのですが、そういうことを親に話してくれる長女にどういう言葉をかけてあげるか。大げさに言えば、その言葉が何かによって、その人の価値観のかなりの部分が見えてくるのではないかと思ったりします。

僕が長女に言っているのは「意地悪をする子はちょっとおバカさんだから仕方がないの。あなたはひらがなもカタカナも読めて、英語も勉強しているでしょう。でもあの子は出来ないよね。でもおバカさんだって言ったら、あなたもおバカさんになっちゃうので、絶対に言わないようにね。おバカさんが可哀想だからね。秘密だよ。」

僕はハンムラビ法典的な「目には目を」という考え方は、現代には合わない原始法律として理解しています。そうではなく、マハトマ・ガンディーの言う「”目には目を”は全世界を盲目にしているのだ」こそが僕の価値観です。少なくとも昔の日本の親の多くは「いじめられたらやり返せ」と子供に言っていたそうですが、僕はその考え方は間違っていると思ってます。

僕の考え方では「意地悪」だとか「いじめ」というのは加害者の未熟さに由来していて、「いじめられたらやり返せ」というのは自分の子供に「未熟者と同じレベルになれ」と言っているのと同じです。ですからそういうことは絶対に言いません。

同時に「意地悪」や「いじめ」に耐えたり許してあげたりするためには、自分の方が精神的にも能力的も優れているという自信が大切だということを理解しています。これは自分自身の経験もあります。自分に自信がある人間は、多少の辱めを受けたとしても聞き流すことができます。その一方ちょっとの侮辱ですぐに逆上する人間は、自分自身に自信がないのです。少なくとも僕はそう考えています。

ですから長女が「意地悪」をしてきた子を許すためは、長女が自分自身に自信を持たなければなりません。そのために自分の能力を再確認させて、そして逆に「意地悪」な子を可哀想に思えるようになる必要があります。

僕は自分のこのような価値観に基づいて、長女に先の言葉をかけました。

でもこういうときに対応はやはり難しいと感じます。それぞれの親によって、全く違う言葉をかけるでしょう。

このブログを読んでくださっている方も、自分だったらどういう言葉をかけるか、そしてそれが自分のどのような価値観に基づいているのかを考えてみたらいかがでしょうか。きっと自分の価値観がよりよく理解できるようになるのではないかと思います。

「若者が海外勤務を嫌うようになった」ってどれだけ本当か

ふと思いました。

「最近の若い社員は海外勤務を嫌う」ということがテレビで放映されているのを昨日見ました。同じような論調の新聞記事もよく見かけます。

近頃の若者の内向き傾向を批判的に論じたり、あるいはこれからの日本は海外に出て行かなければならないとハッパをかけたりするときに、このことがよく取り上げられます。具体的には最近の社員に聞くと、海外勤務を希望する人数がガクッと減って、ずっと日本にいたいという人が多いらしいのです。

さてこのような傾向が本当にあるのかないのか、実際に調査をしている訳ではないのですが、どうも鵜呑みには出来ないデータじゃないかなと思います。というのも一昔前の「海外勤務」と現代の「海外勤務」って全く状況が異なるからです。

一番端的なのは、赴任先が変わったということです。昔の海外勤務であれば欧州や米国を想像しましたが、今の赴任先は上海を筆頭にアジアが断然多くなっています。また日本も相対的に貧しかったので、日本よりも豊かな生活の国に行くのが昔の海外赴任でした。それに対して今の海外赴任は、日本よりも生活水準が低いところにいくのです。

昔だったらあこがれの地に、会社からの手厚い手当をもらい、優雅に数年間住めるというのが海外赴任でした。私も父親の仕事の関係で幼少時代を英国で過ごしましたが、それは確かに良い生活でした。

それが今の海外赴任は、日本よりも貧しい国で、現地の人のパワーに圧倒されながら生活するものです。住めば都ということも多いとは思いますが、海外赴任のイメージは今と昔とでは全く違います。

「日本の若者は内向きになった」と残念がっている人は、日本と他国の関係が全く変わったということを再認識した方が良いと思います。これは少なくとも部分的には日本が豊かになったことの結果であり、経済の焦点が発展途上国に当てられていることの結果なのです。

それを考慮した上で、今後の日本の方向を考えるのが正しいやり方ではないでしょうか。

Puff the Magic Dragonでぼろぼろ泣いてしまった…

アップデート
このブログの中でも紹介していますが、YouTubeのこのビデオのコメントを見ていると、僕と同じようにぼろぼろ泣いてしまう同世代の人が多いみたいです。なんだかとてもうれしいです。
あと、少しだけだけど日本語でも歌ってくれていますね

Puff the Magic Dragonというすごく有名なフォークソング。僕が子供の頃にロンドンに住んでいたとき、よく聞きました。とても優しくてきれいで、大きくなってからも何かつらいことがあったときに、よく口ずさんでいました。

そして今、3歳の娘に英語のDVDなどを見せているのですが、ちょうどPuff the Magic Dragonの歌がありました。「お父さんはこの歌がとても好きなんだよ」って言ったら娘もとても気に入ってくれました。そしてときどき「あの恐竜の歌を歌って」って言いよってくるので、1歳の娘も一緒に膝にのせて歌っています。

これだけでも涙が出るほどうれしいんだけど…

そして今日は電車に乗っている時間を使って、歌詞を暗記してみました。リフレインのところしか覚えていなかったので。そうしたらなんだか訳が分からないのですが、涙が込み上げてきちゃって….

昔ロンドンで苦労した頃の記憶なのか、それとも単純に曲も歌詞も美しすぎるのか….

歌詞は英語が例えばここにあります。日本でどのように紹介されているのか、僕はよく知りませんが、例えば和訳したものがここにありました。

家に帰ってYou Tubeで聞いたら、男性(Peter Yarrow)の歌声が僕が記憶していたよりもさらに美しくて、とにかく純粋で、またまた感動。

そしてYou Tubeの別のバージョンに書き込まれていたgordonAfranksのコメント、

Am I the only stupid father that has tears in his eyes when he hears this song .

“FATHERS live for ever but no so little boys”

All too soon they grow up, leave home and the fun and games you played with had are gone for ever. They move on but you are left behind thinking of the wonderful few years you had together. And with daughters.

For those fathers out there with small children – treasure your times with them. Puff was a parent!

Puffは小さい子を持った親だったんだって….

もうぼろぼろ泣いてしまいました。