CMSの役割について考える

最近ライフサイエンスの研究試薬・機器メーカーのウェブサイトを画期的に良くするサービスを準備していて、その関連でメーカーのウェブサイトを良く眺めています。

そうする中でCMSの存在が気になります。どういう風に気になるかというと、あまりクライアントの役に立っていなくて、むしろウェブサイトを悪化させているのではないかと感じているのです。

ポイントはメーカーのウェブサイトの特徴です;

  1. メーカーウェブサイトのボリュームの大半は製品ページであって、これはほとんど更新することがありません。更新するとしても印刷版のカタログと同期させることが(本来は)必要なので、どこかで更新履歴がまとまっていないと印刷版との同期がおかしくなります。
  2. メーカーウェブサイトの更新の大半はキャンペーンや新製品です。どれも新しいページの作成が必要です。特にキャンペーンページはデザインが重要なので、ウェブデザイナーに依頼します。製品担当が直接ページを作成することはありません。新製品の場合、注力製品であればイメージなども多いので、やはりウェブデザイナーに依頼するのが無難です。

CMSの最大の「売り」は、ウェブデザイナー以外の人がコンテンツを直接書き込めることですが、少なくともメーカーのウェブサイトの場合はそのニーズがそもそもないと感じています。

そうなるとCMSの欠点ばかりが見えてきます。CMSの欠点についてはYahoo知恵袋に良くまとまっていますが、一言で言えばCMS導入業者への依存度が凄く強くなることです。

総合すると

  1. CMSはメーカーにとってはメリットがない
  2. CMS導入業者にとっては継続的に管理費やカスタマイズ費がもらえるので、メリットだらけ

もちろんCMSには他にもメリットがありますが、そのほとんどはDreamWeaverのようにサイト管理機能が充実しているソフトウェアを使えば同等以上のことができます。

  1. CMSはテンプレートでデザインの統一性が保てます。DreamWeaverにもテンプレート機能が充実しています。そしてCMSのテンプレートとDreamWeaverのテンプレートの最大の違いは、CMSだとプログラマーが変更しなければならないのに対して、DreamWeaverのテンプレートはウェブデザイナーが変更できる点です。
  2. CMSに機能拡張をすれば、価格などの情報をデータベースから引っ張ったりできますので、常に最新の価格情報を保証することができます。しかしこれはまず非常に高価です。そしてカスタムなので業者依存がますます強くなります。このあたりは私たちが新しく用意しているサービスを利用すると、うんと安くできます。業者依存も生じません。

DreamWeaverの場合、一番のメリットはこれがデザイナーの標準ツールだということです。デザイン力が高い人材を探すとき、あるいはウェブサイト担当者を変更しればならないときにはこれは凄く重要です。確実に、簡単に、そして安価に引き継ぎが可能です。

もしもそれでもCMSを利用するのであれば、業者依存を生じさせないために、広く普及しているオープンソースのCMSを利用するべきだと考えます。世の中で圧倒的に普及しているCMSはWordPressですので、原則としてWordPressが第一候補です。明確な理由(Wordpressで実現できない機能)がない限り、それ以外のCMSを使うべきではないでしょう。

もちろん「CMSを使うべきかどうか」はケースバイケースで変わります。例えばこのブログはWordPressで動いていますし、Castle104のホームページもWordPressです。

気をつけなければならないのは、「業者は業者依存を増やしたい。なので彼らはCMSを導入したがる」という点です。

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