イギリスてiPhone 3Gは0円

イギリスの02というキャリアが提供しているiPhoneプランのうち、ヘビーユーザ用のプランではiPhone 3Gは0円になるとのことです。

table {border: 1px solid #666; font-size: 0.8em;}
td, th {border: 1px solid #666;}
th {background-color: orange;}

月額使用料 30ポンド(¥6,300) 35ポンド(¥7,350) 45ポンド(¥9,450) 75ポンド(¥15,750)
8GB iPhoneの価格 99ポンド(¥20,790) 99ポンド(¥20,790) 0ポンド(¥0) 0ポンド(¥0)
16GB iPhoneの価格 159ポンド(¥33,390) 159ポンド(¥33,390) 59ポンド(¥12,390) 0ポンド(¥0)
無料通話時間 75 600 1,200 3,000

いずれもデータ通信は無制限で、18ヶ月の最低契約期間となっています。
それとO2というキャリアはWiFiのHotSpotもやっているのでしょうか、WiFiも無制限でコミコミとなっています。

さて、ソフトバンクはどのような価格設定をするでしょうか、楽しみです。

iPhone 3G $199 (21,000円)から

サンフランシスコのApple World Wide Developers ConferenceでiPhone 3Gが発表されました。

日本の価格が確定したのかどうかわかりませんが、USの価格はとても安い。しかも機能というか、ソフトウェアとソフト開発環境がすごいです。

Appleのホームページにも紹介がありますし、キーノートを解説した記事もありますので、詳細はそちらを見てください(ケータイWatch, NikkeiBP

僕がここでお話ししたいのは、以下の2つとイノベーション一般への示唆です。

その1:AppStore

iPhoneは7月11日よりソフトウェアがversion 2.0になります。これは新しいiPhone 3Gだけでなく、既存のiPhoneユーザも無償でアップグレードできます。そしていままではサードパーティーがiPhone用のソフトが作れなかったのが、このversion 2.0からはどんどん作れます。

ここまでは一般的なパソコンと同じモデルです。Palmでもそうでしたし、スマートフォンでも同じです。iPhoneが違うのは、サードパーティーがソフトを販売する場合、必ずAppleが運営しているApp Storeから買わなければならない点です。つまり、iPhone用のソフトを発売できる小売業者はAppleだけであり、Amazonにしてもヨドバシカメラにしても楽天にしても、iPhone用のソフトを一切取り扱えないのです。無償のソフトもすべてApp Storeから販売されます。

これはとても閉鎖的に見えますが、元はウィルスなどによるセキュリティーの問題を回避する手段として講じられたのだろうと思われます。でも結果として、小さいソフトメーカーでもPRチャンネルと販路が確保できますし、Appleは売値の70%をソフトメーカーに還元してクレジットカード手数料やサーバホスティング費用はすべて負担しますので、悪い話ではないはずです。自分たちの販路を確保しているソフトメーカーとしてはうれしくないかもしれませんが、小さいメーカーにとってはとてもいい話のはずです。そして顧客としては、バージョンアップが確実にできるので、とてもらくちんです。

インターネット時代の新しいソフトウェア流通経路の完成です。日本の携帯電話市場でも類似したシステムになっていたと思いますが、より徹底したアプローチをAppleはとったと言えると思います。そのアプローチを採らざるを得なかった理由はセキュリティーという、どちらかという後ろ向きのものですが、そのアプローチの可能性をしっかり考え尽くすことによって、ユーザとソフト開発者の双方にとって非常に魅力的なシステムになったと思います。

その2:Mobile Me

Mobile MeはMac.comに変わる新しいウェブサービスで、大きな特徴はプッシュ型のメール、カレンダーとアドレス帳です。インターネットのメールは通常はプル型で、パソコンのメールソフトがサーバに問い合わせを数分おきに実行することによって、新しいメールを受け取っています。それに対してプッシュ型というのは、サーバに新しいメールが届いたら瞬時にサーバからパソコン側に連絡が来て、そしてパソコンにメールが届けられる仕組みです。実用上のプル型とプッシュ型の大きな違いは、プル型では最新メールを受け取れるまで数分かかること、それに対してプッシュ型は瞬時に最新メールが受け取れることです。

このプッシュ型のサービスは、パソコンであればMicrosoft Exchangeをメールサーバとして使用していれば10年以上前から実現していました。しかし、それ以外にプッシュ型のパソコンメールというのはほとんどありませんでした。一方で、携帯電話ではプッシュ型のサービスは一般的で、いまの携帯電話のメールはすべてプッシュ型です。

GoogleのGMailとかYahooのメールとかもプッシュ型ではないので、Mac.comとしては敢えてプッシュ型にする必要はありませんでした。どこもみんなプル型でしたので。しかしAppleが携帯電話市場に参入した結果、どうしてもプッシュ型のシステムを用意しなければいけなくなったのです。そしてそのシステムを用意している以上、携帯電話だけでなく、パソコンでも使わないとおかしい。ということで、こうしてMobile Meのプッシュ型メール、カレンダー、アドレス帳が生まれたのでしょう。

インターネットのパソコンだけを相手にしていたらやらなかったプッシュ型のメールを、Appleは携帯電話に参入するために開発したのでしょう。Microsoftが企業内向けだけに用意していたプッシュ型メールを、誰でも利用できる環境にしたのは、Appleのように妥協を許さないパソコンメーカーが携帯に参入したおかげと言えると思います。(BlackberryはMicrosoftのプッシュ型メールを受け取る仕組みまでは作りましたが、サーバとかメールサービスを自ら作ることはしませんでした。)

最後に

この2つの例を見ていると、イノベーションってどこからくるのか、そのヒントが見えてくるように思います。そのヒントとは、

  • ネガティブで後ろ向きに見えることであっても、徹底して考え抜けばきっとポジティブにできるという超前向きな姿勢
  • 異なる分野に参入するだけなら誰でもやっていますが、新しい分野と既存の分野を妥協の無い、高いレベルで統合させるぞという姿勢

イノベーションというのは、他人がいままでやらなかったことを成功させることです。そして他人がいままでそれをやらなかった理由は、1) できないと思ったから、2) できてもあまり価値が無いと思ったから、3) 気づかなかったから がほとんどのケースだと思います。上述したAppleの姿勢が、1)-3)を乗り越える力になったのだと思います。

ウェブサイトが顧客離れを招くとき

NBonlineにあなたの会社のサイトは、顧客離れを招いていないかという記事がありました。

テレビCMをはじめととした広告で消費者の心をつかみ、ホームページでじっくり検討してもらって消費者の頭をつかむというのが、昨今のCMとインターネットの関係であるとした上で、そのウェブサイトのインタフェースが不十分であるケースが多いと指摘しています。それにも関わらず、ウェブデザインに投じられているお金が相対的に少ないとしています(掲載されていた図を下に引用しました)。

そして、こう述べています

Webサイトは、消費者との接触時間を豊富に取れる手段である。それにもかかわらず、Webサイトのインターフェースをなおざりにしがちなサイトが多い。高額の広告費をテレビなどに投入し、Webサイトに誘導することには成功しても、それが裏目に出ている場合がある。

 Webサイトへの接触時間が長くなればなるほど、顧客のロイヤルティが低下しかねない。皮肉をこめて言えば、わざわざ顧客ロイヤルティを低下させるために、膨大な広告費を各種メディアに投じている。そういう現象に見える。ユーザーインターフェースに接触するたびに、ユーザーのロイヤルティは高くも低くもなる。ユーザーインターフェースというものを、単なる使い勝手の良し悪しとだけで捉 えてはいないだろうか。

…….

ユーザーインターフェースほど、単価コストあたりのロイヤルティ向上期待値が高い戦略手段はない。広告費、販売促進費、サイトのユーザーインターフェース投入資金を総合的に評価しながら、ロイヤルティ向上のための最適なポートフォリオを再考する時期にきているのではないだろうか。

獲得した優良顧客を、Webサイトに誘導する度に、その顧客のロイヤルティを下げてはいないか。あなたの会社のサイトは、顧客離れを招いていないだろうか。

さて、バイオの研究試薬・機器業界ではマス広告にはそれほど力を入れないで、むしろ営業に力を入れています。しかし、図式としては非常に似ています。ウェブの使いやすさに投じられるリソースはわずかです。

僕自身がマーケティング・マネージャーをしていたあるメーカーでは、敢えて入社初年度はほとんど表向きのPR活動をしませんでした。その理由は他にもいろいろありましたが、大きかったのは、ウェブがまだまだ駄目だったからです。この記事に書いてあるように、駄目なウェブサイト客離れを起こすことを心配した訳です。ですから、あまり顧客をウェブに誘導するのは逆効果だなと。
そして初年度で一生懸命ウェブサイトを整備し、2年目以降は安心してPR活動をいろいろやりました。

ただ、それでもこの記事で指摘されているようなユーザインタフェースにこだわることはできませんでした。やはりリソースが全然足りなかったのです。

いま作っているバイオの買物.comでもユーザインタフェースは大切になります。その改善のツールとして使っているのが、以前も紹介しました4Qというアンケートツールです。訪問者のおかげで思いのほかにレスポンス率がよく、大変参考になっています。

でもよく考えてみると、ウェブだけじゃないですね。マニュアルや技術サポートへの投資が不足のメーカーも多いですよね。営業に力を入れている割には。

これようするに、
「釣った魚に餌をやらない」
というのが恒常化してしまっているメーカーが多いということか。

オンライン広告がTV広告にかなわない訳(そしてかなう必要も無い訳)

Advertising Ageの記事Interactivity Is Not Just for the Internetを読みました。

オンライン広告(サーチ連動広告以外のバナーなど)がまだまだTV広告に遠く及ばないこと、さらにTVのデジタル化の普及に伴いオンライン広告の双方向性がTVでも実現されるようになって、TV広告が再度注目されるようになるだろうと結論しています。

バナーなどのオンライン広告の効果が弱いことを示す事実として、Nielsenの2008 Media Comparison studyを引用し;

  • オンライン広告の影響は強いとしている回答者がわずか5.1%
  • 残りの94.9%はバナー広告を邪魔と感じていること

を取り上げています。

また最近話題を集めているSNSを利用した広告についても、click-throughはひどいとしています。

それに対して、Nikeの”Just do it”など、非常に印象に残る広告は依然としてTV広告だとしています。

さて、僕の感想です。

TV広告と比べれば、バナー広告は非常に弱いだろうというのは、これは当たり前だと思います。もちろん、オンライン広告を過大評価している人もいますが、インターネットのバナー広告をTV広告と比較すること自体に無理があると思います。

バナー広告はコンテンツの脇に置かれるものであるのに対して、TV広告というのは一定時間、画面を独占します。これが決定的な違いです。TV広告は「暴力」と評している人もいますが、まさにその通りです。TV広告はソフトな作りになっていますが、画面を奪い去るという面では「暴力」です。

バナー広告はむしろ新聞広告や雑誌広告に似ています。特にニッチな購読者にマッチングしたコンテンツを用意しているという側面では雑誌広告に近い面があります。それにインタラクティブ性を追加している訳ですから、インターネット広告が雑誌広告を抜くというのはそれほど無理の無いことです。

オンライン広告は影響力の面ではTV広告にはなかなか勝つことはできません。それはそもそも期待するべきではないでしょう。安価に制作できることであるとか、ニッチをしっかりターゲットできることをうまく活かして、新聞や雑誌の広告を参考に、これらをより発展させるという形で進化していくべきだろうと思います。

コンテンツ ディレイ シンドローム (どうしてコンテンツが軽視されるのか)

ウェブプロジェクトのマネージメントをやっているPepi Ronaldsが面白いブログ記事を書いていました。

The Cure for Content-Delay Syndrome

ウェブプロジェクトを10年間マネージメントした経験から

  • 一番最後に検討されるのがコンテンツ
  • 一番最後の仕上がるのもコンテンツ
  • プロジェクトが遅れる原因はコンテンツの遅れ

と述べています。
ユーザシナリオとかサイトマップとかデザイン、データベース設計、仕様決定に何ヶ月を掛けることはあるけど、コンテンツの作成はプロジェクトでは「その他」扱いされているとしています。

解決策として編集者をウェブプロジェクトに早くから参加させるべきだとしています。

編集者が最初からいれば、文書を書き始める前から書式や文体の統一を保証できるし、他の業務に追われてしまっているプロダクトマネージャー(メーカーで製品のウリを考えたり、価格を決めたり、サポート体制を準備したりする人)が大急ぎで書いた文章も、ちゃんと仕上げてくれます。

最近流行のSEOも、ちゃんとした編集者がいれば、不自然にならない感じで適切なキーワードを配置できますので、後から高いお金を払ってコンサルタントを雇う必要がありません。

また専門的な業界の文章の場合、ゼロから文章を書ける人はその分野の専門家なので、必ずしもきれいな文章が書ける人ではありません。なおさら編集者が重要になる訳です。

さて、僕の感想です

まさにその通り!

僕が所属したメーカーでは、いずれも編集者という人はいませんでした。

そのため、文体はバラバラになるし、誤字脱字は残ってしまうし、超直訳調のわかりにくい日本語もそのままになってしまうし、完璧な間違いだってそのまま放置されてしまいことがありました。コンテンツが遅れてしまうということは特にありませんでしたが、その一方で、編集者がちゃんと見てくれれば公開できるのにという情報はありました。

別にこれは日本に限ったことではなく、特にウェブサイトに関しては本社のものも結構悲惨なことがあります。ただ、日本の場合はさらにリソースが少ないので、印刷物までもおかしくなっているという状況です。

でもそれをなんとかしようにも、文章を書くための訓練をちゃんと受けた人はいないので、全体を仕切れるだけの信頼を受けている人はいませんでした。仮にいたとしても、その人は他の業務がたくさんあるだろうから、なかなか時間がかけられない。

僕が思うには、研究用試薬機器においては、製品そのものの性能と同じぐらいに技術情報は大切です。製品は必ずしも簡単に使いこなせないので、それをしっかりサポートするための資料は不可欠です。また簡便な製品が時間節約に役立つのと同じように、いい技術資料があればそれだけで研究者は時間が節約できます。

特に日本の支社はよく考えるべきです。並行輸入業者とメーカーの支社というのはいったい何が違うのか。自分たちのサポートや技術資料が弱かったら、日本に支社がある必要はあるのか?

僕が思い描く未来では、各メーカーの日本支社は、技術資料の作成とテクニカルサポート、さらに顧客の声を吸い上げて本社に伝えることにリソースの大部分を使うべきです。技術資料がきっちり書けていて、間違いがなく、読みやすいことを保証するために、当然のこととして編集者が必要になります。

紹介したブログの内容とはちょっと違うまとめ方になりましたが、各メーカーの日本支社は、自分たちが作り出すべきコンテンツを、もっともっと大事にしなければいけないと思います。

「広告は北風、PRは太陽」NB onlineの記事

NBonlineに「広告は北風、PRは太陽」という記事がありました。

すぐにピンとくる記事ではありませんが(それとも僕の日本語力の問題かもしれませんが)、こう言いたいのだと思います;

  • 広告は物量作戦で多くの人にメッセージを伝える手法。信憑性が薄い。
  • PR (Public Relations)は消費者と関係性を作り、消費者や周囲の人が製品を中心にコミュニケーションする環境を作り出すこと。(「広報」という言葉はマスコミに情報を流すというニュアンスがありますが、それが主ではない。)

研究者の皆さんはバイオのメーカーとPR的な関係が築けていますか?
メーカーの皆さんは研究者の方とPR的な関係を築けていますか?

そして何があれば、このPR的な関係がよりうまく築けますか?

私はこのPR的な関係を作り出す場として、バイオの買物.comが何らかの役割を果たせたらと願っています。

RSS広告はどうやるべきか

RSSに広告を載せる場合、どうするのがいいか、少し調べました。
Feedburner CEOのDick CostoloとのミーティングからBusinessWeekの記事

コンテキスト連動型の広告はRSSに向かない。例えばBlackberry (世界でもっとも人気の高いスマートフォン)についてのRSSフィードに競合のスマートフォンの広告を載せてもうまくいかない。うまくいくのはそのRSSフォードの読者のデモグラフィックを狙った広告(年齢だとか年収だとか職業をターゲットした広告)。
理由を考えると、どうも検索エンジンを使ってウェブサイトを訪問する人とRSSフィードに登録する人というのは違うようだ。検索エンジンを使う人は新しいスマートフォンを買おうと思って探している可能性があるので、スマートフォンの広告に反応する。でもBlackberryのRSSフィードに登録している人は既にBlackberryを持っている訳で、もう一台Blackberryを買ってもらうための広告や競合のスマートフォンを買わせる広告はうまくいかないのだ。

ちなみにFeedburnerの広告は以下のような感じで表示されるようです。僕はでもTwitterrificの表示の形の方が好きです。

Feedburner ads.png

Twitterrificの広告は結構見ちゃう

TwitterのクライアントとしてTwitterrificを使っているのですが、無料で使っているので広告が表示されます。

この広告、効果が高いんじゃないかなと思います。僕自身はTwitterrifficの広告は結構良ているし、製品が気になります。それでいて、無料で使わせてもらっているという気持ちも強いせいか、邪魔だという感覚がありません。

Twitterific Ads.png

RSSに広告を載せる際に参考になると思います。

メルマガはタイトルが重要

新しい情報を顧客に伝えるためにメールマガジンを利用しているメーカーが多いと思いです。

でもメールマガジンにはいくつか欠点があります;

  • いろいろなメーカーに登録していると、しょっちゅうメールが送られてきて、だんだんとうっとうしくなります。
  • メールの受信箱というのは重要なメールが入ってくるところでもあります。ごちゃごちゃと余計なメールが混ざり込ると、重要なメールを見落としそうで心配になります。
  • メールマガジンに登録する際に個人情報の提供を要求されること多くあり、ついつい登録を避けてしまいます。

実際にメールマガジンを購読している人も、興味なさそうなものは読まずに即座に削除する人も多いのではないでしょうか?あるいは読まずにずっと受信箱に置いておいて、画面の端から次第に消えていくのを待っているのではないでしょうか?

インターネットコムとgooリサーチが行った「メールマガジンに関する調査」があります。それによると、メールマガジンを読んでいると答えているユーザは多いものの、「気になったタイトルのものだけ読んでいる」と答えているユーザが77%を占めていました。

メールマガジンにとって、タイトルが如何に大事かということです。

そこで一歩下がって考えたいと思います。

「メールマガジンってタイトルを強く主張するのに適した媒体なのだろうか?」
タイトルを強く主張するのが大切なら、メールマガジンで配信するのがベストだろうか?

僕は「違う」と思います。

メーカーが主張したいことがだいたい毎月10件あったとして、すべてをしっかりとPRしたいと思ったら、それぞれタイトルが異なるメールマガジンを10回配信しないといけません。そんなにたくさんメールが来たら、ユーザとしては相当にうっとうしいはずです。そうなると、10件あったものをうんと減らして、だいたい週に1回となるように4件に絞るしかないのです。残りの6件は優先順位を下げて、タイトルには表示しないけど、おまけとしてメールにつける感じになります。

これではメールマガジンは目的とした役割を果たせません。インターネットでの情報配信の利点はコストの低さなのに、結局週に1件しか配信できないというボトルネックがあることになります。

僕はこの問題の解消をRSSに期待しています。RSSの詳しい解説はここではしませんが、この技術は大量のタイトルを取り扱うのにうってつけです。しかもメールの受信箱を汚さないし、個人情報も必要ありません。僕はいまRSSリーダーのNetNewsWireを使って、100以上のRSSフィードに登録しています。送られてくるタイトルも毎日100近くになります。でもRSSだとタイトルをさっと眺めることがすごく簡単で、効率がいいのです。

まだまだRSSフィードをしっかり提供しているバイオのウェブサイトは少ないので、その点を改善しないといけませんが、間違いなくメールマガジンの代わりにRSSフィードが使われるようになると確信しています。そして、皆さんがもっともっと便利にインターネットを使えるようになることを。

ちなみに完全に脱線ですが、僕は会社で管理職をやっていたとき、多いときで100以上のメールが飛んできていました。普通でも30-40通は来ていて、しかもその多くは読む必要のないメール(僕がアリバイメールと呼んでいるCc:メール)。普段はなんとか処理できますが、数日間出張すると半日はつぶれます。こういうのは思い切ってRSS化してしまえば、受信トレイがオーバーフローを起こすこともないし、社員全体のストレスレベルが下がると思うのですが。

そういえば前の会社でイントラネットがある程度出来上がって、人事部が人事発表をイントラに出すようになると、よくこんな感じのメールが飛んできました。

*6月の人事異動*
人事異動を人事のイントラに掲載しましたので、ご覧ください。
(リンク)

メールのタイトルをクリックしてイントラのページに移動するのなら、こんなメール開けないんですけどね。でもメールという仕組み上、タイトルはリンクにならないのです。RSSならなります。

新聞広告ってどうなっているの

新聞というのは収入のかなりの部分が広告です。慶応大学の講義スライドによると、収入の実に34.5%が広告費です。その広告がどのようになっているのかを見てみると、インターネット広告の参考になるのではないかと思います。

広告の位置

全面広告を除くと、ほとんどの広告は一番下に位置しています。広告は完全に「従」の位置に置かれ、あくまでも新聞記事が「主」です。例外は1面と裏面に数カ所置かれている小さな広告だけです。

広告の内容

全面広告を除くとほぼテキスト広告と言っていいものです。文字の大きさなどの工夫はありますが、絵柄で目立たせるということはありません。

広告主

全面広告を除くと、単行本、雑誌が多いです。なお、朝日新聞の会社案内に広告主をまとめたグラフがあります。

全面広告は派手

全面広告はとにかく派手です。スペースもふんだんにあり、大部分はカラーです。

インターネット広告への示唆

インターネット広告では一般的なバナーの効果が薄いこと、それに対してテキスト広告の効果が高いことが言われています。新聞でテキスト広告が多いことと似ているような気がします。

雑誌の広告で目立つのは、目次そのものを載せているものです。非常に字数が多くなっています。また書籍の広告でもかなりの文章が書き込まれています。完全に読ませる広告です。特に雑誌の広告は、読む方も結構楽しみにしてしまいます。その雑誌は買わないとしても、最近のゴシップを知るために習慣として読んでいる人も多いのではないでしょうか。

変な話だけど、週刊誌の新聞広告にこそ、インターネット広告の未来が隠されているような気がします。