抗体検索サイト リストと評価

このポストは2008年7月に書いたもので古くなってしまっていますので、随時アップデートするページとしてバイオの買物.comからみた製品検索サイト リストと評価のページを作りました。

バイオの買物.comの「まとめて抗体検索」が大幅にリニューアルしました。最新のウェブ技術とトップブランドの抗体で、「瞬間的」に抗体を見つけてください。
リンクはこちら

この記事を含め、ライフサイエンス研究用製品メーカーのウェブサイトのあるべき姿について書いた記事を特集ページにまとめました。あわせてご覧ください。

以下は2008年7月に書いたもので、内容が古くなってしまっています。ご注意ください。

日本では抗体を検索するときにはコスモバイオ、フナコシなどのウェブサイトを利用することが多いかと思います。でもこの2社は、日本に支店を持っていないような小さい抗体メーカーばかりを扱っているので、BD Pharmingenのような大手は引っかかりません。

コスモバイオ、フナコシ、試薬.com、バイオ百科など、みんな同じです。どれも小さい抗体メーカーのみ扱っています。

大手メーカーも小さいメーカーも全部まとめて検索してくれるサイトが欲しくありませんか?

僕が運営しているバイオの買物.com まとめて抗体検索はこれを目指したものになっています。でもその話をする前に、アメリカの抗体検索サイトと日本の抗体検索サイトについて紹介したいと思います。

アメリカの抗体検索サイト

アメリカではメーカー直販が一般的ですので、コスモバイオ,フナコシ、試薬.com (和光純薬系列)のような輸入販売代理店は存在しません。その分、小さい抗体メーカーは自社製品をPRするのに苦労します。そういうこともあってか、良質の抗体検索サイトがあります。そしてBD Pharmingenのような大手もこれらの抗体検索サイトに登録しています。

抗体を製造しているメーカーは非常に多く、The Antibody Resource Pageというウェブサイトに300社以上がリストアップ(リスト1, リスト2)されています。

メーカー横断的な抗体検索サービスを提供しているウェブサイトとしては

  • Biocompare Antibody Search: ここは抗体だけでなく、バイオ研究関連の非常に多くの製品を掲載していますが、中でも抗体検索が役に立ちます。大手メーカーの製品もばっちり検索されます。使い方について、ライフサイエンス統合データベースセンターの統合TVに紹介されています。
  • ExactAntigen: ここは登録だけでなく、ロボットでメーカーウェブサイトを自動的に巡回しています。メーカーだけでなく非営利団体や大学研究室の抗体までも含めて22,000のモノクローナル抗体を掲載しています。大手メーカーもばっちりです。また抗体のレビューも用意されています。詳しくはAbout ExactAntigenから。
  • Antibodies Online: ここは小さな抗体メーカーをたくさん集めて、オンラインでの販売も行っているウェブサイトです。大手のメーカーは登録されていません。出荷と請求はやらないので、ヤフオクのようなサイトと言ったところでしょうか。

日本の抗体検索サイト

日本では基本的にメーカー横断的なウェブサイトはバイオ百科、そして僕が提供しているバイオの買物.comだけだと思います。バイオの買物.comはBiocompareのシステムを利用しているので、大手を含めてほとんどの製品が登録されていますが、バイオ百科はコスモバイオ、フナコシ、DSファーマ、アブカムの販売している抗体のみを掲載しています。

ただし日本では比較的大きな輸入販売元が、世界中の小さい抗体メーカーの製品をまとめてくれているので、以下の輸入販売元のホームページからたくさんのメーカーの抗体を検索することができます。ただし大手メーカーの製品は登録されていません。

最後に感想

日本の抗体検索サイトは、現時点ではコスモバイオ、フナコシや和光などの輸入販売元がほぼ独占しているような状態です。でも、これらの輸入販売元は、ほぼ間違いなく米国価格の2-3倍の価格設定をしています。そして国内に支店があれば責任を持ったサポートや値引きなどもしてくれますが、輸入販売元だとそれもなかなかしてもらいにくいです。

ですからこのような輸入販売元が、日本市場であまり強い力を持つのは好ましくないと思います。

それに対してBiocompareやExactAntigenの日本版のような横断的抗体検索サイトがあれば、日本の研究者は輸入販売店が取り扱っている製品だけではなく、日本支店がある大手メーカーの抗体も効率よく見つけることができます。おかげでよりよいサポートやサービスを受け、より安価に抗体が購入できるようになるでしょう。

バイオの買物.comが目指しているのはこの方向です。

学術資料が退化している?

世の中は進化するべきで、退化していってはならない。
自分の後の世代には、より良い世界を引き渡してやりたい。

当たり前のように思うことです。

しかし、バイオの業界では一部で退化が始まっている気がしてなりません。

例えばABI社を買収して、バイオ業界のリーダーとして役割がますます期待されるインビトロジェン社。インビトロジェン社の刊行物のページを見てみると、学術的な刊行物は日本語翻訳をやめていることがわかります。

以前はFOCUSという製品情報紙を少なくとも日本語に要約していましたが、最近のQuestやBioProbesは英語だけを載せるようになってしまっています。いま日本語で定期発刊している雑誌は、BioHighwayという単なる製品プロモーション集です。実験データや技術情報を載せたものを翻訳することは、2003年にやめてしまっていようです。

そういう問題を顕在化させて、各メーカーが日本におけるサポートを充実させるインセンティブを与えるために、各メーカーの学術資料の比較表をバイオの買物.com上に準備しています。まだしばらく準備に時間がかかりますが、ご期待ください。

新しいWeb技術 SproutCoreがもたらすもの

6月9日のApple Worldwide Developer’s Conferenceは、iPhone 3Gの発表とそれがたった$199で発売されるというニュースで持ち切りでしたが、その陰で他にも非常に興味深い発表が多くありました。

その一つがSproutCoreという技術。これはAppleが発明した技術ではないのですが、Appleが全面的に支援している新しいWeb技術です。ひとことで言うと、SproutCoreを使うとWebの使い勝手が大幅に良くなります。しかも開発が簡単です。

日本語になっている記事がいくつかありますので、下にリンクを用意しました。

  1. アップル、ウェブアプリに向けオープンな「SproutCore」技術を採用か?
  2. アップルのMobileMeを試してみたい人は、SproutCoreをチェックしよう

さて、上のリンクだけだと専門的すぎて、ウェブ開発者でなければ理解できないものばかりです。
そこで僕は、このSproutCore的な技術が、バイオの研究にどのような利点をもたらすかに絞って紹介します。複雑な話なので、順番を追って。

AJAXという技術

HTMLを柱とするウェブ技術は、もともとページという概念が強く、すべての情報はページ単位という考え方でした。紙とかなり概念が似ていました。これはすごくシンプルでネットワーク上も扱いやすいという利点がありましたが、インターネットの双方向性とブロードバンド化が進むに従ってその限界が明確になってきました。

例えばマップ技術を見てみましょう。ぐるなびは初期のインターネットの技術を利用しています。そのため、地図を拡大するにしてもあるいは少しだけ場所をずらすにしても、ページが丸ごと再表示されてしまいます。
これに対してGoogle Mapsではすべての動作がスムーズです。地図の中心をずらすには地図をドラッグすればいいし、拡大縮小のときもページ全体が再描写されることはありません。

これはGoogle MapsでAJAXという技術が利用されているためです。AJAXを使うと、ウェブサイトをページ単位に扱う必要がなく、またドラッグのような操作を使うことができるようになります。ウェブのサイトを見ているというよりは、自分のパソコンにインストールされているソフトを使っている感覚に近くなるのです。

GoogleはMaps以外にもAJAX技術を活用していて、Google Docsではワープロ、スプレッドシート、プレゼンテーションを作成するためのソフトを無償提供しています。これらはいずれも自分のパソコンにソフトをインストールせずに、マイクロソフト オフィスのような機能と操作性のソフトを提供するものです。

まとめると、パソコンにインストールされたソフトと同じような高い操作性のものが、AJAX技術によってウェブで実現できるようになりました。

ソフト開発におけるフレームワークの重要性

AJAX技術はGoogle MapsとGoogle Docsに代表されるように、非常に強力な技術ですが、残念ながら開発は簡単ではありません。簡単なAJAXはずいぶん多くなりましたが、ユーザが入力したデータまで含めて管理する、Google DocsタイプのAJAXウェブサイトはまだ数えるほどしかありません。

SproutCoreはこの問題を解決してくれる可能性のあるテクノロジーです。これはAJAXソフトのための「フレームワーク」です。ソフトの開発ではこのフレームワークが非常に重要で、優秀なフレームワークがあればプログラマーの生産性は何倍にもなります。

フレームワークというのは例えると電気、ガス,水道、そしてそれを利用する流しやトイレ,コンロ、暖房のようなものです。家を造るために自分で電気、ガス、水道を引くのは大変ですし、トイレやコンロも全部用意するのも面倒です。それらをすべて備え付けておいてくれているのがフレームワークです。あとは居住者の趣味に合わせて家具やカーテンをそろえて、住み心地の良い部屋にすればいいのです。フレームワークはすべての人が必要として、ほぼ共通しているものをあらかじめ用意してくれているものなのです。

いままでもAJAXのフレームワークはいくつかありましたが、どちらかというと電気、ガス,水道どまりのものでした。SproutCoreはさらにトイレ,コンロ、暖房を用意したものになっています。ですから、SproutCoreの出現によって、Google Docsのようにデータまで管理してくれるAJAXウェブサイトが簡単に開発できるようになります。

Appleのサポート

AppleはSproutCoreの開発者を雇い入れ、7月に公開するMobileMeにSproutCoreを全面的に活用します。MobileMe Webアプリケーションとしてはメール、アドレス帳(連絡先)、カレンダー、iDisk、そして写真ギャラリーを用意しますが、いずれもパソコンにインストールされたソフト並みの操作性となっています。AppleはSproutCoreの技術を利用するだけでなく、SproutCoreの開発も支援していて、おかげでずいぶんとSproutCoreの性能が向上したと紹介されています。

バイオへの波及

AJAX技術はバイオにとってかなり重要な技術です。バイオの情報はあまりにも多く、多岐に分かれていますので、ページという単位で表現するのは困難です。情報を閲覧している人がいろいろな絞り込み検索を行ったり、画面の微調整をしたり、自分で整理したりしないと、なかなか目的の情報が得られません。

実際、NCBIもかなり努力をしていて、AJAX技術も使われているようです。Sequence ViewerもおそらくAJAXをかなり活用していると思われます。

SproutCoreなどが普及することにより、Sequence Viewerよりもっともっと使い勝手のいいものが、より多くのバイオインフォマティックス系のウェブサイトに登場することが期待されます。Sequence ViewerそのものがSproutCoreのカスタムコンポーネントとして普及し、データを持っているところであれば簡単に自分のウェブサイトに組み込めるようになるかもしれません。

またPubMedなども、いまでは論文のタイトルとリンクが表示されているだけですが、AJAX技術を利用すれば、ページを移動することなく、素早くSummaryをプレビューできるようになるでしょう。またメールソフトのようにお気に入りの論文をフォルダにドラッグして整理できるようになるかもしれません。

あと、塩基配列を解析して制限酵素サイトを探したり、プラスミドマップを作ったりするソフト。。。。AJAX無しのものとしてはNEBcutterPlasMapperなどはいいと思いますが、もっともっと便利なものができてくるでしょう。

研究試薬・機器の内外価格差

研究試薬や機器は日本で買うと高いというのは、ほとんど常識?!になってしまっていますよね。

それでその理由として、中間卸しがどうのこうのって話になって、日本の流通システムが非効率って話にすぐになっちゃうんですけど、以前に内部にいたものとして言わせてもらうと、これはほとんどが嘘です。

確かに1~2割ぐらいだったら、流通とか、日本語のサポートが必要だからという説明はそれなりに説得力を持ちますが、実際のところ同じ試薬の日米内外価格差はこんなもんではなく、2倍~3倍っていう話も珍しくないと思います。ネットではうまく見つけられませんでしたが、ここでは3倍と言っています。要するに、流通とかとは別の理由で値段が高くなっているのです。

アメリカ留学などをして日本に帰ってきた研究者にはこの内外価格差が非常に良くわかるのですが、日本でだけ研究しているとなかなかわからないものです。そこでいま考えているのは、バイオの買物.comに米国価格も併記しようということです。これで内外価格差が非常に明確になってくれば、例えば割り引き交渉をするときの材料にも使えますので。

それと、一部のメーカーでは内外価格差が非常に少ないこともあります。このようにがんばっているメーカーと、相変わらず非常に高い値段設定をしているメーカーがいったいどこなのか。そこをはっきりさせたいとも思っています。

がんばっているメーカーは日本の研究者から支持され、日本からぼったくっているメーカーは日本の研究者から見放される。そういうことに少しでもつながればと思います。

細かい時期は未定ですが、年内には実現する予定の機能です。

ページビューの誤差、バイオの買物.comでは20倍

以前のブログエントリーでページビューによるウェブサイト人気比較の問題点を指摘しました。

そのときはまだバイオの買物.comのアクセス数をあまり解析していませんでしたので、その誤差がどれぐらいあるかを書きませんでしたが、さっき計算してみましたので紹介します。

結果:
6月の第1週(平日分)の解析結果では、
ページビューで、Webalizer : Google Analytics = 20 : 1
ビジター数で、Webalizer : Google Analytics = 3 : 1

上の結果は平日だけですが、週末にはページビューでは70倍ぐらいの誤差になります。

最大の原因はロボットによるウェブアクセスです。Yahoo, Google, MSNをはじめ、多数の検索サイトはインターネット中にロボットを走らせ、自動的に各ウェブサイトをくまなく調べているのです。そのアクティビティーは凄まじいものがあります。

そういう問題があることを承知の上で、一応Webalizerの解析結果で計算すると、バイオの買物.comは毎月23万ページビューあることになります。意味の無い数字ですけど、数字だけ見るとなんだか立派に思えます。

広告を募集している世の中のウェブサイトは、どこもページビューの多さをPRしていますが、そのページビューをWebalizer的に計算したのか、それともGoogle Analytics的に計算したのかを示していません。ですから、そのウェブサイトが本当に人気があるのか、それとも単に数字のマジックなのかどうかはわかりません。

でも、そのウェブサイトがセッション数(ビジター数)を公開していれば、ある程度の見当をつける方法があります。

それを解説するために、バイオの買物.comのアクセス解析の中で、ページビューをセッション数で割り算した数字を比較してみます。

  • ビジターあたりの平均閲覧ページ数、Webalizer = 20, Google Analytics = 2.5

なぜこのような差が生まれるかというと、ロボットは短時間で多数のページを閲覧するため、ビジターあたりの平均閲覧ページ数を押し上げる傾向にあります。それに対して顧客が閲覧するときは、興味のある数ページしか見ないことがほとんどなので、だいたいどこのウェブサイトでも5未満の数字になります。

そこで一つの目安として、ビジターあたりの平均閲覧ページ数が5を大きく超えているサイトはWebalizerのような解析ツールを使っていると考えていいと思います。そしてそのような場合はページビュー数自体も一桁ぐらい、ロボットによって水増しされていると考えていいと思います。

そこでもう少し世の中の状況を見るために、日経BPのBiotechnology Japanの資料を見てみました。

アクセス解析結果のことがあまり詳しく書いていないのですが、ヒントになる数字が2つありました。

  • 2006年3月に150万ページビューを突破
  • 月間ユニークブラウザー数 74,244 (2006年3月)

さて、僕はBiotechnology Japanに直接問い合わせた訳ではないので、間違っているかもしれないとあらかじめ断っておきますが、僕がここから読み取るのは以下のことです。

  1. 2006年3月は150万ページビュー、74,244セッション
  2. 単純に割り算すると、平均閲覧ページ数は20.2ページ
  3. 平均閲覧ページ数はバイオの買物.comのWebalizer解析結果とほとんど同じです。したがってBiotechnology JapanはWebalizer的なアクセスログ解析をしたと思われます
  4. Biotechnology Japanの場合は日々のニュースが非常に多く、恐らく数十万ページからなる巨大なウェブサイトになっていると思われます。ロボットはすべてのページを閲覧しようとしますので、そのためロボットによる影響はバイオの買物.com以上と考えていいと思います
  5. したがって、Biotechnology Japanの全体のページビューのうち、9割以上はロボットによると推測できます
  6. 総合すると、人間によるページビューはおおよそ10万と推測されます。残りの140万ページビューはロボットによると思われます

もちろん、僕は本当の数字を知りませんので、全然間違った結論を導いているかもしれません。でも、自分自身が研究者として働いていたときの印象からして、これはそんなに外れた数字ではないんじゃないかなと思います(要するに、研究者はあのウェブサイトをあんまり見ないと思うよという意味)。

バイオの買物.comのアクセスログを公開

以前のブログエントリ(ページビューによるウェブサイト人気比較の問題点)で、広告媒体がクライアントにアクセス数を伝える際の問題点を指摘しました。そして僕はこう言いました。

媒体側は一歩進んで、Google Analyticsの結果を報告するだけでなく、Google Analyticsへのアクセス権をクライアントに提供してあげるべきです。そうすればクライアントは報告をリアルタイムで受け取ることができるし、Google Analyticsで独自に分析を深めることもできます。そして媒体からの報告が嘘偽りのないことを確認できます。

それはウェブサイトの人気度の尺度として、「うちは何十万PVですよ!」と言っている人がいても、必ずそれを疑うことです。実際には一桁違うかもしれないので。

自分で言ったことは早く実践するに越したことは無いので、早速アクセスログを公開しました。バイオの買物.comのトップページの右下の方にリンクとパスワードがありますので、ぜひ見てみてください。

なお、Googleアカウントを多数の人で共有することの問題点について、僕の方ではまだはっきり確認できていませんので、もしかするとアクセスログをこの形で公開することはできなくなるかもしれません。そのときはそのときで別の方法を考えます。必ず何らかの形で公開するようにしていきたいと思います。

4Qアンケート結果のアップデート (2008-05-29)

4Qのアンケートを始めて今日で1週間が経ちます。そこで、中間報告です。

アンケート回答率

予想を大幅に超える回答率が得らました。計算方法はいろいろ難しいところがあるのですが、おそらく3%台の回答率だと思います。回答してくれた皆さん、ありがとうございました。
メルマガを出したりしたときのクリック率(プレゼントとかキャンペーンとかがなければ、1%を割り込むことも珍しくない)、特に英語で出したときの反応の悪さを考えると、これはかなりいい方だと思います。

ひとまずはこのアンケートシステムが有用であると判断し、今後も継続したいと思います。

アンケート結果

全体的な満足度は100点満点中、51点でした。これはもちろん決していい数字ではありません。

その原因は非常に明快でした。ニュースを確認する目的だった訪問者は65点とまぁまぁな点数を付けていたのに対して、製品を比較したり、製品について学びたいと考えていた訪問者は46点と非常に厳しい点数つけていました。

製品を比較するサイトとしてはまだまだという結果になりました。

実際、ニュースを確認する目的で訪問してくれた方は100%が主目的を達成したと述べているのに対して、製品比較等を目的としていた訪問客はわずか40%の方しか主目的を達成できなかったと述べています。

今後は製品を比較するための情報と機能を充実していかなければならないことを痛感しました。

アンケート結果を受けた対策

まずはアンケートを継続したいと思います。ただしアンケート画面の出現頻度を調節します。いままでは50%の訪問者にアンケート画面を出していましたが、今後は20%に減らします。

ウェブサイトそのもののの対策ですが、現在製品比較については、1) コンテンツを増やすこと、2) 製品を絞り込んで比較しやすくすること を中心に対策を進めています。より満足の得られるものになるように努力するとともに、この4Qアンケートを活用しながら、良い方向に進んでいるかどうかをこまめにモニタリングしていきたいと思います。

製品サポートの最前線:コールセンターの課題

NBonlineに顧客との最前線「コールセンター」に人材危機、このままでは「顧客満足経営」も絵に描いた餅という記事がありました。

コールセンターには本来非常に高い専門性が要求され、顧客との最前線としての重要な機能があるにも関わらず、社会および社内から大切にされず、結果として人材危機になっていることが紹介されています。

この記事で紹介されているのは火災保険の保険代理店向けのコールセンターですが、1)代理店は自動車ディーラーや修理工場などで、保険に習熟していない、2)保険が複雑化している、などの理由で、かなり保険に詳しくないと勤まらないそうです。なのに十分に大切にされないために、トレーニングを受けてスキルを身につけた人材が十分に確保できないというのです。

僕もメーカーのコールセンター(テクニカルサポート)について見たり聞いたりした中で、コールセンター業務の専門性の高さが十分に認識されていないケースをいくつも見てきました。どちらかというとまだまだベンチャー企業の香りが残っているような会社、つまり研究者出身もしくは現場の営業出身の人が経営者をやっている会社ではコールセンターは大事にされます。それに対して、畑違いの人が経営者となったりするとコールセンターは軽視されていくように感じます。これは合併によって例えば診断薬出身の経営者がバイオ部門に指図をしたり、最悪のケースはどこの現場にも詳しくない企画や経理出身の人がコスト構造だけを見て経営判断したときに起こるように思います。

コールセンターがどれだけ売上に貢献するかというのは、具体的な数字になりにくいので、どうしてもコストだけが目立ってしまいがちです。そこで畑違いの経営者は合理化と称して、コールセンター業務を一カ所にまとめるなどを実施して、現場を大混乱に陥れ、サービスレベルを低下させてしまう訳です。このような経営者はたいていジェネラリストで、専門的スキルを自分自身があまり持っていないこともあり、専門性を軽視してしまう傾向があるのです。

バイオの買物.comでは様々な工夫を通して、エンドユーザの声がメーカーに伝わるように仕掛けていきたいと考えています。そうやってコールセンターを含めた全体的なサポートが、実際にどれだけ売上に貢献するかを見えるようにできれば、業界全体のサポートレベルが向上するのではないかと思っています。

4Qアンケート結果のアップデート

4Qのアンケート始めてからまだ2日しか経っていませんが、最初の中間報告をします。

回答数そのものは報告しませんが、アンケートが表示された訪問者のうち2%の訪問者がアンケートに答えてくれました。ありがとうございました。
英語のアンケートであることを加味すると、決して低い回答率ではないと思います。回答してくれた訪問客の方にには心より感謝いたします。

ニュースのチェックを目的とした訪問者は目的を果たし、その一方で製品の比較を目的に訪問してくれたお客様は目的が果たせなかったそうです。

もう少しアンケートを継続しようと思います。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。

技術者向けソーシャル・ノウハウサイト okyuu.com 開設

カカクコムがIT技術者向けのソーシャルサイト okyuu.com のβ版を開始ししたと発表しました。@ITの記事に紹介されていました。

ちょっと見ましたが、まだまだコンテンツが少なく、何とも言えない感じでした。

僕が反応したのは、カカクコムの安田さんのコメント

カカクコムの取締役COO 安田幹広氏は「ITについてのノウハウはネット上にたくさんあるが、Googleなどの一般検索エンジンではノイズが多く、効率的ではない」と指摘し、「専門のエンジンの方がずばりと情報を探せる」とokyuu.comの狙いを説明する。

英語を読むことに抵抗が無くて、ある程度どこで情報を探すべきかがわかっていれば、現状のGoogleでも特に不便は無いので、僕自身は必ずしも安田さんの意見には賛同しません。でもいいポイントをついていると思います。

実際、Googleもこの問題に対して対策を打っているように僕には思えます。それは対象検索サイトを絞り込んだカスタム検索サービスです。バイオの買物.comでの「メーカー限定Google検索」はこれを利用しています。検索対象ウェブサイトを限定することによって、ノイズが減らしています。後は対象検索サイトを登録する仕組みがもう少し工夫できれば、同じ興味を共有するコミュニティーが、S/N比の高いカスタム検索サイトが作れると思います。

okyuu.comのアイデアはバイオではまだ時期尚早だと思いますので、バイオの買物.comでは当面は考えません。でも、たくさんの頭のいい人がいろんなことを考えているので、また何か面白いものがありそうですね。