オバマ大統領候補の演説

アメリカの大統領選挙が面白くて、ぼくはアメリカのメディアを通してインターネットで追いかけています。

オバマ氏が2008年10月17日に、Roanokeというバージニア州の中でも保守党が強い地域で行った演説がとても素晴らしかったので紹介したいと思います。

1961年生まれ、今年47歳になったばかり。若くて経験が浅いと一貫して指摘されてきたオバマ氏です。しかし、ジョン マケイン、ヒラリー クリントン氏などの強力なライバルと長く激しい選挙戦を戦っていくなかで、彼は明らかに成長してきました。最初は雄弁さと夢ばかりが強調された演説でしたが、今回の演説で夢を控えめにし、国民のニーズを捉え、具体的な政策を、説得力のある形で紹介するようになってきています。

日本国民には雄弁な演説というスタイルは一般的になじまないのかもしれません。しかし日本のいまの政治家は、それ以前の問題として国民のニーズすら理解できなくなっているように思います。その結果、重要法案とされているものは国民にとってどうでも良いものばかり。オバマ氏のように国民のニーズを汲み取り、国の方向性を示し、具体的な政策を雄弁に提案できる政治家がいれば、小泉人気など全く吹き飛んでいくほどの支持を国民から得られるのではないでしょうか。

ということで、そのオバマ氏の演説の中から僕が気に入った部分を取り上げていきたいと思います。

The credit crisis has left businesses large and small unable to get loans, which means they can’t buy new equipment, or hire new workers, or even make payroll for the workers they have. In households across the country, it’s getting harder and harder to get a loan for that new car or that startup-business or that college you’ve dreamed of attending. Wages are lower than they’ve been in nearly a decade. You’re paying more for everything from gas to groceries, but your paychecks have flat-lined.

金融危機によって大企業も小さい企業も融資が受けられなくなっています。その結果、新しい機器の購入ができず、新規に社員を採用することが出来ず、既存の社員の給料すら支払えない状況になっています。家庭においてはローンを組むことが困難になり、新車を買ったり、新しいビジネスを始めたり、夢に見た大学に進学したりすることができなくなっています。給料は10年間で最低の水準です。ガソリンから日用品まで価格は高騰しています。しかし給料はそのままです。

世界を揺るがしている金融危機は、かなり難解です。特にウォール街の危機が実体経済に与える影響がわかりにくく、どうして国民の税金で金融機関を援助しなければいけないのかが納得されづらいです。オバマ氏は、これをわかりやすい言葉で解説することをずっと心がけています。

一方で日本の政治家はこの金融危機を国民にしっかり説明することなく、行政の専門家が議会の事前承認を得ること無く公的資金を利用できる体制作りを先行させています。

The rescue plan that passed the Congress was a necessary first step to easing this credit crisis. It’s also important that we continue to work with governments around the globe to confront what is truly a global crisis. But now we need a rescue plan for the middle class. If we’re going to rebuild this economy from the bottom up, it has to start on Main Street – not just the big banks on Wall Street. That’s why I’ve outlined several steps that we have to take right now to help folks who are struggling.

First, we’ve got to act now to create good paying jobs. We’ve already lost three-quarters of a million jobs this year, and some experts say unemployment may rise to 8% by the end of next year. That’s why I’ve proposed a new American jobs tax credit for each new employee that companies hire here in the United States over the next two years. That’s how we’ll create good, new jobs here in Virginia and all across America.

先日議会を通過した金融の救済計画は、金融危機を解消するために必要な第一段階でした。この世界的な危機と対決するために、世界中の政府と協調して活動することも重要です。しかし今必要なのは、中流の人のための救済計画です。この国の経済をボトムアップで作り直すのなら、ウォール街の大銀行ではなく、皆さんが住んでいる街から始めないといけません。そこで、いま苦しんでいる国民のためにいくつかのステップを用意しています。

まず最初に、いまこそ給料の良い仕事の創出に取りかからないといけません。既に今年だけで75万の職が失われています。来年には失業率が8%になると言っている専門家もいます。これに対抗するために、アメリカで採用される新しい社員に対して、二年間、税品を軽減する措置を提案しました。こうやってバージニア州を初め、アメリカ中で良質の新しい仕事を作り出すのです。

金融危機に際して公的資金を投入し、国民に多大な負担を要求するわけですが、その国民はというと安い給料と高騰する生活費で貧窮しています。その国民を救済するメッセージを持っていない政治家なんて、本当はあり得ないはずです。

日本も過去に多額の公的資金を金融機関に注入しました。でもその間に国民の生活を豊かにする施策があったかというと、逆に国民生活を貧窮させ、金融機関を潤す超低金利政策、そして正社員採用を減らし企業を優遇する政策があっただけです。

If I am President, I will invest $15 billion a year in renewable sources of energy to create five million new, green jobs over the next decade – jobs that pay well and can’t be outsourced; jobs building solar panels and wind turbines and fuel-efficient cars; jobs that will help us end our dependence on oil from Middle East dictators.

私が大統領になったら、再利用可能なエネルギーの開発に$150億ドル(1.5兆円)を投資します。これによって環境関連の500万の仕事が創出されます。これらの仕事は給料が高く、アウトソーシングもされない仕事です。ソーラーパネルを作ったり、風力発電施設、低燃費自動車を作ったりする仕事です。この仕事によって、我々は中東の独裁者に頼らなくてすむようになるのです。

オバマ氏は、最高の経済対策は新しい仕事を生みだすことだと主張してきました。特に企業が仕事を海外にアウトソーシングしている現状を放置できないと繰り返しています。そこで海外にアウトソーシングできないような高い技術力を要する仕事をいかにして生み出すかについて、その戦略を明確にしています。

オバマ氏は新しい時代のアメリカを支えるべき新しい産業を予見し、そこで必要となる技術力の高い仕事の創出をしていく戦略を思い描いています。

一方の麻生政権はというと、彼らの景気対策は何十年前と同じ、減税と道路などの公共建設事業しか考えません。お金をばらまくことによって、市場がなんとか解答を見いだしてくれるだろうという考え方です。どちらかというと高度経済成長の日本を支えた輸出産業とゼネコンを支える政策です。その一方で将来の日本で最も重要になってくる産業、例えば高齢者福祉産業の惨状は放置したままです。省エネルギー技術など、日本が国連から最も期待されている役割にだって積極投資するわけではありません。

And we’ll give every child, everywhere the skills and the knowledge they need to compete with any worker, anywhere in the world. I will not allow countries to out-teach us today so they can out-compete us tomorrow. It is time to provide every American with a world-class education. That means investing in early childhood education. That means recruiting an army of new teachers, and paying them better, and giving them more support in exchange for higher standards and more accountability.

そして我々はアメリカの子供に、世界のどの労働者にも負けない技術と知識を与えます。アメリカの今日の教育が他国に劣っているがために、将来の我々の労働者が他国に競り負ける状況は許しません。すべてのアメリカ人が世界トップレベルの教育を受けなければ手遅れです。このためには幼少からの教育に投資しなければいけません。新しい先生たちを採用して、より高い給料を支払い、より多くのサポートを与えなければいけません。その代わりに先生たちにはより高い水準を要求し、成果に対してより責任を持ってもらわなければなりません。

グローバリゼーションおよび途上国の経済発展によって、アメリカを初めとする先進国が享受してきた豊かさが失われていくことが危惧されています。企業は途上国の安い労働力を求めて、次から次へと仕事をアウトソーシングします。あるいは海外での生産にシフトします。その結果、先進国の労働者は途上国の労働者と直接競争することになり、給料がどんどん安くなったり、仕事を失ったりしてしまいます。これに対抗する手段は、自国の労働者の能力水準を高め、途上国の労働者には簡単に置き換えられないようにすることしかありません。

日本のワーキングプア問題はまさにここにあります。日本の労働者の賃金水準が上がらない理由、日本企業が派遣という形で安い使い捨ての労働者を集めている理由は、途上国の安い労働との競争です。日本の労働者は途上国の安い労働者との価格競争にさらされ、そして一生懸命働いているにもかかわらず、貧しくなってしまっているのです。

一方で日本の教育水準は下降の一途をたどっています。ゆとり教育が悪者にされていますが、日本の教育に対する投資が先進国で最低だということの方がよっぽど問題でしょう。教員採用試験の異常な倍率を見ても、金銭的な投資をすればすぐに優秀な人材が採用できることは明らかです。ワーキングプア問題の根本的な解決策として、そして日本が将来にわたっても豊かな生活ができるための土台として、いまこそ教育への投資を積極的に行うときでしょう。

まとめ

世界競争力ランキングで日本がまたランキングを下げたことが先日報じられました。アジアでも日本は一番ではなく、シンガポールに遅れをとっています。

日本の技術の革新性、科学者・技術者の能力の高さはまだ高く評価されています。その一方で政治が大きく足を引っ張っています。プロ野球の楽天ゴールデンイーグルズの野村監督が繰り返し述べている言葉に「組織はリーダーの力量以上には伸びない」がありますが、日本もそろそろ付けが回ってくる頃です。

「日本にもオバマ氏のような立派な政治家が現れないかなぁ〜」

そんな思いで今日もアメリカの大統領選挙を、アメリカ人以上にじっくりとフォローしてしまいました。

抗体検索, バイオの買物.comの広告のコンセプト その1

グーグルのネット広告が堅調で、不景気にも関わらず7-9月期決算で売上31%増、利益が26%増の増収増益であったことが報じられました(asahi.com)。

どうしてでしょうか。

サブプライム問題に端を発した金融不安は消費者の購買意欲にも大きな影響を与えており、自動車メーカーなどでは対米販売が数十%低下するという異常事態になっています。これほど極端ではないにせよ、他の製品も落ち込んでいます。この極めてネガティブな状況にも関わらず、グーグルのネット広告が好調なのはなぜでしょう。

僕がマーケティング部門に入って始めての頃、当時の外国人の上司は、modern advertisingの父と呼ばれている John Wanamaker の有名な言葉を紹介してくれました。

“Half the money I spend on advertising is wasted; the trouble is I don’t know which half.” (私が使っている広告費の半分は無駄だっているのはわかっている。問題は、どの半分が無駄かがわからないことだ)

グーグルのネット広告システムはこのJohn Wanamakerの悩みに対して、非常に優れたソリューションを提供しているように思います。

グーグルはAdwordsという広告システムを提供していますが、これを利用する広告主は、1) この広告が何回表示されたか、2) この広告をクリックした人が何人いたか、3) この広告をクリックして広告主のウェブサイトを訪問した顧客はどれぐらい興味を持っていたか、4) この広告をクリックした顧客は実際に購入してくれたか、を知ることができます。

このためには広告を表示するだけでなく、その広告をクリックした顧客の行動を追跡するための様々な解析ツールも提供しています。

広告主は広告の文言をリアルタイムで変更できるのはもちろんのこと、広告がどういうときに表示されるかもコントロールできます。解析ツールから得られる分析結果を見ながら、広告の出し方を少しずつ帰ることができます。こうやって、どのような広告をどのようなときに表示すればどれぐらい効果があるかを知ることができます。John Wanamakerの悩みは有効な広告と無駄な広告が見分けられないということでした。グーグルのシステムを利用すれば、この見分けが簡単につくのです。

有効な広告と無駄な広告の見分けがつくということは、不況のときこそ重要になります。

以前にこのブログでイギリスのインターネット広告について書いたときも、インターネット広告ではお金がどこに使われているかが正確に把握できるため、予算削減の対象になりにくいと紹介しました。

さてバイオの買物.comの広告はどうでしょうか?

バイオの買物.comでは、抗体検索に連動して、スポンサーの抗体を優先的に表示する仕組みを作っています。例えば“CD4″で検索をすると、まず最初にスポンサーのBioLegend社とMillipore社の抗体が表示されます。そしてここに表示されている抗体だけで不十分であれば、ワンクリックでBioCompareにアクセスして、同じ条件でBioCompareのデータベースから抗体を探すことができます。

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この広告システムは様々な点でグーグルを真似ています。

完全な成果報酬型

まず、この広告システムは完全な成功報酬型です。セットアップ費用も月額の固定料金もありません。表示される抗体をクリック(下図の製品名のリンクをクリック)して、広告主のウェブサイトに飛ぶときに始めて費用が発生します。いわゆるCost-Per-Clickのモデルで、グーグルの仕組みと同じです。実際の広告の効果に応じて費用が発生しますので、無駄な広告費が発生しにくい仕組みです。

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クリック数のレポート

クリック数のレポートは下図のようになっています。

一番左の列は年月日、その右が課金対象のクリック数です。そして左から3列目はセッション数です。セッションというのは訪問者数とほぼ同じで、一人の訪問者が複数回クリックすることがありますので、クリック数>セッション数になります。また自動的にCost-Per-Clickで料金を計算したのが右から2列目になります。Cost-Per-Clickは従量的に単価が安くなります。ここで表示している例ではクリック数が少ないので単価が高いのですが、クリック数が多くなると最初と比べて約1/3のCost-Per-Clickにまで下がります。一番右の列は、最後のクリックがあった時間です。多くの研究者は実験が終わって、夜に試薬のリサーチをしているようで、かなり遅い時間でも大学からクリックが発生したりします。

なお、無駄なクリックに対してはなるべく課金しないようにするために、休日,祝日のクリックは課金しないようにしています。

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ユーザについてのレポート

クリックしてくれた顧客がどのような顧客だったのか、何に興味を持っていたのかを知ってもらうためのレポートも用意しています。顧客がどこから来たか、具体的に何を探していたのかを知ることができますので、無駄な広告費用を支払っていないという安心感があります。

なお、例えば自社からのアクセスでクリックが発生したり、競合他社からのアクセスでクリックが発生した場合はこれを報酬から除外するようにしています。こんなクリックにお金を支払うのは頭に来ますよね。

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今後の方向性

バイオの買物.comでは引き続き完全報酬型の広告システムを採用します。Cost-Per-Clickの他に、画面に表示された回数に応じて課金するCost-Per-Impressionというシステムも採用するかもしれません。

それ以上に大切に考えているのは、ユーザについてのレポートです。多くの広告は「やりっ放し」になりやすいのですが、本来、広告というのはもっとインタラクティブになる可能性を秘めていると考えています。

広告に対する感受性を見ることによって、広告主は顧客のニーズを理解することができます。抗体であればどのような抗原にニーズがシフトしているか、どのような標識が人気があるか。また複数のスポンサーが表示されたときにどのメーカーがクリックされるかを見ることによって、どのメーカーが高いブランド力を持っているかを分析できます。

そういったことがしやすいようにレポートをだんだんと充実させ、John Wanamakerの悩みを解決するだけでなく、それ以上のレベルのマーケティングツールとして活用できるような仕組みを提供していきたいと考えています。

そろそろ復活

気がついたら最後にブログを書いてから1月以上も経ってしまいました。

この間は「バイオの買物.com」の抗体検索でスポンサーを募るための準備、それと妻の体調が優れないので1歳半の娘の世話に明け暮れていました。

紹介したいことは山ほどあります。特に私が用意している抗体検索スポンサーのコンセプトは、広告に対する考え方はもちろん、経営に対する考え方、マーケティングに対する考え方、インセンティブに対する考え方など、僕のものの考え方をかなり集約させたものになっています。

もうしばらくお待ちください。

ロングテールでは知ってもらうことが大切 : iTunes 8 のGeniusプレイリスト

Amazon.comのビジネスモデルの説明として、「ロングテール効果」が紹介されています。全売上の80%は上位20%品目がもたらしているという観測(パレートの法則)から、多くの経営者は上位20%品目に重点を置き、下位80%の製品を軽視する傾向が強くなります(特に大企業では目に余ることが多い)。それに対してAmazon.comなどのオンラインショップは、この下位80%をビジネスに組み込むことに成功しており、Amazon.comの売上の中で重要な位置を占めるようになっています。

バイオの研究用試薬機器のマーケティングにおいては、このロングテールはとても重要なコンセプトです。2,000億円程度の市場に200万以上の製品がひしめく、超少量多品種市場だからです(単純に平均すると1品目は10万円しか売れていない)。

ロングテールを可能にしているのは様々なインターネット技術と物流革命ですが、本日発表されたiTunes 8のGeniusプレイリストもその一つと言えると思います。iTunesユーザからの情報を集積して、関連性のある曲、一緒に聴くと楽しい曲をまとめてくれるのです。iTunes Music Storeにある曲も紹介してくれます。

とりあえずは、面倒くさくてほとんど整理していない自分の音楽コレクションを、全く新しい感じで聴くことができるので、とても楽しんでいます。

バイオでも何か似たようなことができないか。またまた刺激されてしまいました。できたら結構すごいと思います。

ポイントは、普段だったら知ることない製品でも、「これはあなたの趣向にぴったりです。あなたが使っているものと似ていて、ちょっと拡張したものですよ。」と伝えること。全く新しいものに取っ付くには時間がかかりますが、いままで使っていたものとの関連で説明されると早く納得してくれますので。

ウェブサイトでの調査が、店舗での購入に与える影響

ある製品を買うときに、まずウェブサイトで下調べし、実際には店舗で買うことがよくあります。
でも、ウェブサイトの善し悪しがどれだけ貢献しているかはなかなかわかりません。

バイオの場合はオンラインで試薬や機器を購入するのではなく、ほぼ100%代理店を介して購入しますから、まさにこのパターンです。

今回は、お客様がウェブサイトで下調べすることが、実際の店舗での購入にどれだけ影響しているかについて、いくつかの記事を紹介します。

Measuring the Offline Impact of an Online Visit

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解説:1) 店舗で購入した人の53%は、ウェブで下調べしたときに一番良く見た販売店から購入した。2) 店舗で購入した人の80%は、ウェブで下調べしたときに一番最初に見た販売店から購入した。

なお、実際に店舗を訪れた人のうち64%はウェブで下調べをしていたこと、さらにウェブで下調べした人の50%は、実際に店舗も訪れたというデータも得ているそうです。

Pinpointing the Value of Multi-Channel Behavior

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これは購入前に、顧客はどのように下調べを行うかを調査したものです。それを店舗で購入した顧客とオンラインで購入した顧客で分けて分析しています。

店舗で購入した顧客でも31%がメーカーのウェブサイトを訪問し、さらに28%が製品比較サイトなどを利用したという結果になっています。さらに38%の顧客は製品を取り扱っている販売店のウェブサイトを訪問しています。

The Online and In-Store Crossover Conundrum: Pinpointing the Value of Multi-channel Behavior

これは店舗とウェブの補完的で相乗的な関係について述べています。さらに上述のブログをまとめています。

Like peanut butter and jelly, cookies and milk, or bread and butter, some combinations are just meant to go together. Such is the case when you link “high-consideration” categories like consumer electronics with online shopping. Arming the consumer with enough product information to make an instant expert, the Internet not only quenches the thirst for knowledge, but it satisfies the desire to buy too.
ピーナッツバターとジャム、クッキーと牛乳、パンとバターのように、完璧にうまくいく組み合わせというものがあります。家庭用電子機器のような”high-consideration”カテゴリー(購入前に十分検討するカテゴリー)とオンラインショッピングの組み合わせはまさにそのようなものです。専門家になれるぐらいの知識を消費者に与えることによって、インターネットは知識欲を満たすだけでなく、購買欲も満たしてくれるのです。

On the other hand, “low-consideration” categories, such as consumable products like pet food, do not hold the same online purchasing appeal.
一方で、ペッドフードなどの一般消費財のような”low-consideration”カテゴリー(購入前にあまり検討しないカテゴリー)では、オンラインでの購入の魅力はあまりありません。

感想

バイオの製品は “high-consideration”カテゴリーに含まれるものが多いので、オンラインショッピングには本来的には向いています。しかし、現実には代理店を介してオフラインで購入することがほとんどです。

“high-consideration”カテゴリーではウェブサイトでの調査はとても重要だと顧客は考えています。そしてウェブサイトを充実させることが、オフラインの購入を大きく促進することになります。

さらにウェブサイトがまぁまぁいいというレベルでは駄目だということです。既に当該製品分野でのブランドイメージも大切ですが、Googleなどで高い位置にリストアップされること、そして一番最初に見てもらえるぐらいに充実していることがとても大切です。

バイオ百科で抗体検索:僕が使いにくいと感じるところ

以前のブログで、バイオ百科の抗体検索が使いにくいとお話しました。

僕もいちおう科学者の端くれですので、方法および結果をちゃんと紹介し、皆様も追試できるようにしました。実際に僕が問題にぶち当たっているところをビデオにしましたので、ご覧ください。

インターネットで抗体を探す方法:抗体検索サイト vs. Google

理想の抗体検索システムを追求した新「まとめて抗体検索」サービスを始めましたので、ぜひご利用ください。

またこの記事を含め、ライフサイエンス研究用製品メーカーのウェブサイトのあるべき姿について書いた記事を特集ページにまとめました。あわせてご覧ください。

あなたは抗体を探すとき、抗体検索サイトに行きますか?それともGoogleでダイレクトに検索しますか?

日本国内の抗体検索サイトについては以前のブログで紹介しましたが、今回は抗体検索サイトを利用せずに、ダイレクトにGoogleで検索する方法について話したいと思います。

ここでいうGoogleで検索する方法というのは、つまり “CD4 抗体”もしくは”CD4 antibody”のキーワードでGoogleすることを指します。

面白いことに、コスモバイオのウェブサイトなどをを利用して抗体を検索するのと、Googleで直接検索するのとでは、全く異なるのです。例えば “CD4 抗体”でGoogle検索すると、Beckman CoulterのサイトやMiltenyi Biotechのサイトは出てくるのですが、コスモバイオのサイトはやっと3ページ目に、あまり関係がないと思われる「Tregマーカー 細胞表面にある4型葉酸受容体抗体:コスモ・バイオ」というページが出てくるだけです。コスモバイオが取り扱っているCD4 抗体のページは出てこないのです。

どうしてそうなってしまうのかという技術的な問題については、後で機会があれば詳細に解説したいと思います。今日はとりあえず、Googleで直接検索する人がどれぐらいいるのかを分析したいと思います。利用するのはAdwordsのキーワードツールです(Adwordsアカウントがないと、フルバージョンは使えません)。

いくつかの抗原で、”[抗原名] 抗体”もしくは”[抗原名] antibody”のGoogleでの検索回数を表にまとめました。数字は月間の平均検索回数です。

抗原名 “抗体”と組み合わせ “antibody”と組み合わせ
annexin 不明 390
Calcineurin 不明 91
Raf 不明 12
Ras 36 480
Caspase 不明 58
myc 170 91
CD20 170 不明
CCR3 不明 73
CD133 91 390

各抗原について、非常に乱暴ですが、平均で月間100回の検索が行われると想定しましょう。また抗原の種類は、割と知られているものだけでも数百はあるでしょう。仮に500種類あるとします。そうすると、直接Googleで抗体の検索を行うのは、月間50,000回あると計算されます。平日だけを考えますと、毎日2,000回の検索が行われている、非常におおざっぱに言えると思います。

そもそも「抗体」というキーワードだけだと165,000回の検索が行われていますし、antibodyだと27,100回の検索が行われています。「抗体」で検索しているのは、研究者以外の人が多いと思われますので、僕らの目的からすると、antibodyの27,100回の方が意味があると考えています。ちなみに「コスモバイオ」は6,600回、Googleで検索されています。

‘antibody’は27,100回検索されていますが、この数を先に推定したGoogleでの直接的な抗体検索回数、月間50,000回と比べますとかなり近い数字です。そこで、論理的にはかなり乱暴ですが、インターネットで抗体を探している人はかなり高い割合で、Googleでの直接検索を行っていると言えると思います。

そう考えると、Googleで直接検索を行うユーザは多いので、彼らを対象とした対策が必要になります。しかし、極一部のメーカーを除いて、これをしっかりやっている会社はかなりの少数派のように見受けられます。

残念な話です。

収益モデルがウェブサイトの使い勝手を決める例:バイオ百科

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またこの記事を含め、ライフサイエンス研究用製品メーカーのウェブサイトのあるべき姿について書いた記事を特集ページにまとめました。あわせてご覧ください。

アップデート
バイオ百科で僕が実際に抗体を検索して、使いにくくて困っているビデオをアップロードしました。

バイオの買物.comを含め、ウェブサイトの運営資金は広告収入を当てにしていることはとても多いです。

優れてウェブサイトを作り、多くにユーザが訪問してくれれば、広告収入が増えるという形です。

しかし広告料金のプラン(つまり収益モデル)を上手に設計しないと、ユーザにとって優れたウェブサイトが作りにくくなることがあります。ユーザの要望に応えるウェブサイトにすることと、収益を得るということが、互いに矛盾するケースが生まれてしまうのです。

その例として、「バイオ百科」というウェブサイトを見ていきたいと思います。

バイオ百科は抗体メーカー(商社)数社の製品をデータベースに登録し、限定的ではありますが、横断的な検索を可能にするウェブサイトです。特に抗体を探すときに有用です。登録しているメーカーが少ないので、BioCompareの抗体検索に比べれば抗体の網羅性は低いのですが、コスモバイオとフナコシの抗体が入っているので、小さいメーカーはかなりカバーされています。

しかしこのサイトで非常に残念なのは、検索インタフェースの使い勝手です。

「CD133」で検索を行った例で解説します。

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まず気付くことは、製品が全くランダムに並んでいることです。製品名で見ても、メーカー名で見ても、包装サイズで見ても、価格で見ても、全く何で見てもランダムに並んでいます。
並べ替えるには再度検索を行う必要があるのですが、検索条件のメニューは以下の通りです。

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ユーザが一番望むであろう「価格順」というのが無いのです。

どうしてランダムに製品を並べるのか。どうして価格順に表示させないのか。

さてここからは想像になりますが、ユーザにとって不便なインタフェースのままになっている理由を考えたいと思います。どうしてバイオ百科は不便を承知で、ランダムな表示順にしたり、価格順の並べ替えを用意しなかったりしたのか。

製品を掲載するにあたり、バイオ百科ではまず比較的高額なセットアップ費用を支払う必要があります。そして小額ではありますが、毎月の固定料金を支払います。

僕はこの料金システムがバイオ百科の自由を束縛し、ユーザ本意のウェブサイトを作りにくくしていると考えています。

まずは高額なセットアップ費用です。高額な費用を支払った以上、広告主であるメーカーはバイオ百科に対して強い発言権を持つようになります。自社に都合の悪いサイトの改良をしようとすれば、拒否できるだけのパワーを広告主は持つことになります。すべての広告主が納得するような改良は簡単にはできないでしょうから、サイトの改善スピードが遅くなってしまいます。

一方、もしバイオ百科がセットアップ費用を取っていなかったとします。そのとき、広告主に都合は悪いけれども、ユーザにとっては便利な機能(例えば価格順の表示)を追加しようと考えたとします。その結果として一部の広告主の反感を買ったとしても、その広告主に外れてもらうようにするだけでいいのです。文句を言う広告主の製品は載せてあげませんよと。広告主もセットアップ費用を支払っているわけではないので、損はありません。それに対して広告主がすでに高額なセットアップ費用を支払ってしまっていると、広告主はもとをとろうと考えますので、簡単には外れてくれません。広告主は引き下がらずにしつこく文句を言う可能性がありますし、仮にそうではなくても今後のビジネスにしこりを残すことになります。

月額の固定料金も問題です。広告主は一定の費用を毎月支払うわけですから、各広告主の製品をなるべく均等に表示する義務が発生します。メーカーのアルファベット順に並べてしまうと、いつも同じ会社が上位に表示されてしまうので、広告主間で不公平が生まれます。製品名のアルファベット順に並べても、同様の問題が発生する可能性があります。価格順に並べた場合は、安売りメーカーが優先して表示されるので、高い品質とブランド力を持っていて価格を高めに設定しているメーカーは広告を出してくれなくなります。

バイオ百科で製品をランダムに表示しているのは恐らくこのためでしょう。

一方GoogleのAdwordsのように、訪問者がリンクをクリックする回数に応じて課金するシステムであればこの問題はかなり軽減されます。並べ替えの関係でたくさん表示されるメーカーは多くの広告費を支払いますし、少ししか表示されないメーカーは広告費をあまり支払いません。したがって広告主間の不公平感は生まれません。価格順に並べても問題ありません。真に高い品質とブランド力を持っているメーカーであれば、検索条件で指定してもらえるはずですから、表示してもらえるはずです。検索条件で指定してもらえないメーカーは、実はブランド力が思ったほど無かったという、それだけのことです(もちろん、ウェブサイト側は検索条件でメーカーを指定しやすいように工夫していることが前提ですが)。

また月額の固定料金の場合は、バイオ百科自身のインセンティブが低くなることが言えると思います。ユーザにとって便利なサイトを作ることよりも、広告主にとって都合のいいサイトへと重点が移ってしまう可能性があります。事実、今回紹介したもの以外にも、バイオ百科にはびっくりするような不便なところがありますが、なかなか改善されません(CD4を検索してみてください)。

以上、自分のバイオの買物.comを棚に上げて、他のウェブサイトの悪口を言ってしまいました。でも言いたかったのは悪口ではありません。

言いたかったのは、収益モデルをよくよく考えておかないと、広告主に自社の自由を束縛されてしまうということです。そして本当の顧客であるウェブサイト訪問者からフォーカスが外れてしまって、使いやすいウェブサイトが作れなくなってしまう可能性がありますよということです。

そういうことに注意しながらデザインしているバイオの買物.comの収益モデルについては、また別の機会に紹介したいと思います。

Bob Sutton: Stanford大学教授の信条

Bob Suttonというスタンフォード大学教授のブログと、そこに書いてある彼の信条が非常に面白かったので紹介します。

Bob Suttonは管理職の知識と組織のアクション、イノベーション、成果の関連性およびズレについて研究しています。

さて、ブログに書いてあった彼の15の信条です。

  1. Sometimes the best management is no management at all — first do no harm! : ときとして、最高のマネージメントとは何もしないことであるーー何よりもまずは邪魔をするな!
  2. Indifference is as important as passion : 情熱を持つのと同じぐらいに、距離を置いた冷めた視線も大切だ
  3. In organizational life, you can have influence over others or you can have freedom from others, but you can’t have both at the same time : 組織での生活においては、他者に対する強い影響力を持つか、あるいは他者からの自由を維持することができる。しかし、これは同時には持てない。
  4. Saying smart things and giving smart answers are important. Learning to listen to others and to ask smart questions is more important : 賢いことを言ったり、賢い回答をすることは大切だ。しかしそれ以上に大切なことは、他者の言うことを聞いたり、賢い質問をすることを学ぶことだ。
  5. Learn how to fight as if you are right and listen as if you are wrong: It helps you develop strong opinions that are weakly held : 戦うときは自分が絶対正しいという姿勢で、他人の意見を聞くときは自分は間違っているという姿勢でいることを覚えなさい。強い意見を持ちながら、それに固執しないことができるようになる。
  6. You get what you expect from people. This is especially true when it comes to selfish behavior; unvarnished self-interest is a learned social norm, not an unwavering feature of human behavior : 他人は悪い意味で、あなたの期待通りになってしまう。高い期待を持たなければ、低レベルのことしかしてくれないだろう。これは特に利己的な行動によく現れる。利己的な行動は社会から学習されるのであって、人間の本来的な行動ではない。
  7. Getting a little power can turn you into an insensitive self-centered jerk : 権力を持つことによって、それまでまともだった人間が、感受性の低い、自己中心的で、とても嫌な奴に変身することがある。
  8. Avoid pompous jerks whenever possible. They not only can make you feel bad about yourself, chances are that you will eventually start acting like them. : 偉そうで嫌な奴はなるべく避けろ。つきあっていると、嫌な気分になるだけでなく、彼らと同じような行動が身に付いてしまうだろう。
  9. The best test of a person’s character is how he or she treats those with less power. : 人の性格を知るのに一番良いのは、自分よりも権力の無い人をどのように扱っているかを見ることである。
  10. The best single question for testing an organization’s character is: What happens when people make mistakes? : 組織の性格を知るのに一番良いのは、間違いが起きたときに何が行われるかを観察することである。
  11. The best people and organizations have the attitude of wisdom: The courage to act on what they know right now and the humility to change course when they find better evidence : 優れた人と組織は知性的な態度を持っている。つまり、現時点で得ている限定的な知識に基づいて行動する勇気を持ち、かつより多くの情報を得た時点で方向を変える謙虚さを持っている。
  12. The quest for management magic and breakthrough ideas is overrated; being a master of the obvious is underrated : マネージメントスキルや画期的なアイデアの価値は過大評価されている。当たり前のことをマスターすることは過小評価されている。
  13. Err on the side of optimism and positive energy in all things : どうせ間違いを犯すのであれば、楽観性やポジティブな活力の方向に向かって間違えなさい。
  14. It is good to ask yourself, do I have enough? Do you really need more money, power, prestige, or stuff? : 自分が満ち足りているかどうかを顧みることは大切だ。本当にもっとお金がいるのですか?もっと名声が必要ですか?など。
  15. Work is an overrated activity : 「仕事」の重要性は過大評価されている。

Google Insights for Searchとバイオ業界のSEO

Googleの新しいサービスであるGoogle Insights for Searchの紹介と、バイオ業界において日本語のウェブサイトが必要な理由を解説したビデオです。Google Insights for Searchを使うと、韓国や台湾では英語のウェブサイトで十分かもしれないけど、中国では絶対に中国語のウェブサイトが必要になることがよくわかります。

いまはYouTubeを使っていますが、画質を考えながら、ビデオを今後どのように掲載するかを考えていこうと思っています。

高画質バージョンはここからダウンロードしてください。