Facebook, Twitter, Mixiのデモグラフィックを見てみる

Facebookが日本で普及し始めていることを受けて、斉藤 徹さんがブログ”In the looop”に書いた記事を先日紹介しました。

Facebookの実名主義がとても大切な理由

昨日は斉藤さんの記事に対する反論というか別の見方を「もとまか日記」が書いていました。

Facebookが楽々と世界で普及していった本当の理由

どっちもそれなりに良い指摘はあるのですが、いずれも大切なことを忘れている気がします。それはマーケティングでとても重要な顧客のセグメンテーションです。いずれも顧客のセグメンテーションをせずに、インターネットを利用している人はこうだ!とあたかも一つのセグメントかのように議論しています。

そのもっとも顕著な例が後者のブログに書かれていたこの言葉。

「旧知の友人を探しやすい」
と言っても、昔の友人を探さなければならない人が
そんなに多いとも思えないしね・・・。

日本の人口の大半は、大学時代までインターネットも携帯も使っていない

何を言いたいかというと、日本人の大半は旧知の友人のメールアドレスも知らないし携帯番号も知らないということです。私の場合だと、大学の体育会はOB会がしっかりしているので卒業後にメールアドレスを確認していましたが、それ以外の学生時代の友人でメールアドレスを知っているのは少ししかいません。

日本の人口ピラミッドを見れば一目瞭然です。

日本でインターネットが普及したのは1995年ごろからですが、そのときに大学を卒業した人はいま37歳前後です。日本人の平均年齢は45歳ですし、人口ピラミッドを見ても37歳以下の成人は全体の1/4ぐらいです。

友人同士のコミュニケーションツールとしてのインターネットおよび携帯電話の活用度合いについては、恐らく37歳前後で大きな違いがあるはずです。そして旧知の友人とインターネットでコミュニケーションできていない人は、むしろ大幅に多数を占めていると考えられます。

NewImage

DoubleClick Ad Plannerに見るデモグラフィックの違い

各ウェブサイトを利用しているユーザのデモグラフィックを見るツールとして、Google提供のDoubleClick Ad Plannerがあります。ここのデータの信憑性はハッキリ分かりませんが、他の方法では入手しがたい有益なデータが得られます。FacebookのデータMixiのデータ

例えばFacebook.comの人気上昇ぶりを見てみましょう。ここ半年間で急にアクセスが増えていることがわかります。

Facebook access trend

ではデモグラフィックとして年齢構成をfacebookとmixiとで比較しましょう。なお、このデータは日本からのアクセスのデータで、ガラパゴス携帯電話からのアクセスやアプリからのアクセスは含まれていないと考えられます。

2011 02 18 00 36 22

ハッキリとした違いがあるのは、Facebookのユーザに45歳以上が多いことでしょう。Mixiは30歳から44歳までのセグメントが多くなっています。

どうもこの45歳前後(私が言っている学生時代にインターネットがあったかどうかの境目あたり)がFacebookとMixiの人気の分かれ目のように思います。

恐らく斉藤 徹さんの意見は45歳以降の世代の考えを代表していて、「もとまか日記」さんの意見はそれより前の世代の考えを反映しているのではないでしょうか。お互いの意見が異なるように見えますが、単に違う世代、違うデモグラフィックについて語っているだけのように思えます。

それでFacebookは日本で人気が出るの?

最後に結論ですが、もし斉藤 徹さんの意見が45歳以降の動向を正確に見極めたものであるならば、日本の人口構成を考えたとき、間違いなくFacebookはMixiに迫るかもしくは追い抜く存在になるでしょう。

若い世代にとってはMixiを手放す理由がないのは「もとまか日記」さんの言う通りです。でも実名主義のFacebookは日本のSNSの空白地帯が狙えるのです。それはデモグラフィックを見て初めて分かります。

Facebookの実名主義がとても大切な理由

斉藤 徹さんがブログ”In the looop”でFacebookの実名主義の効果を解説していました。

なぜ、Facebookだけが、キャズムを楽々と超えるのだろうか?

私はほぼ完全に同じ意見です。

私の理解するところでは、要点は以下の通りです:

  1. Facebookがこれだけ普及する理由は実名制。実名制ソーシャル・ネットワークだからこそ可能となる「人物探索機能」と「メッセージング機能」にポイントがある。
  2. Facebookでは、実名制だからこそ、旧知の友人などをすばやく探し出すことができる。これはmixiやTwitter、さらにはGoogleでも非常に難しい、つまり今までのWebサービスでは困難だった。
  3. 「メッセージング機能」は友人に限定されているのではないので、インターネット「住所録」「電話帳」のように使える。これが充実することによって知人を探しやすくなり、連絡を取れるようになる。

ただしもう少しキャズム越えの戦略について、顧客セグメントを掘り下げた議論さあっても良かったと思います。

Facebook mask

顧客セグメントから考えた解釈

このブログでも紹介されているキャズム思考は、キャズムを越えるために採るべき戦略は顧客層を限定した選択と集中です。狙うべきマーケット(顧客層)をしっかりと定め、これに“whole product”(顧客のニーズを満足させるまとまったパッケージ)を提供することです。

したがってFacebookの実名主義と関連機能が、どの顧客層のニーズを満たし、かつどのようにしてwhole productになり得ているかを見る必要があります。

ほとんど斉藤氏の意見の焼き直しですが、こうまとめられると思います。

  1. ターゲット顧客層:旧知の友人を含めた、リアルな友人とのつながりを深めたい人。年賀状しかやり取りしないぐらいの友人と、実はもっとこまめに連絡をしたい人。
  2. ターゲットじゃない顧客層(匿名性):ネット上のバーチャルな友人関係を広げたい人。ネット上で自分の意見を公開してぶちまけたい人。これらの人は匿名性が維持でき、誰でもフォローできるTwitterなどを使うのが良い。
  3. Facebookが提供するwhole product:旧知の友人を探し出す機能。つながりを意識できるようにする機能(「いいね」とか)。連絡が取れるようにする機能(メッセージ)。

ただこのターゲット顧客層をターゲットする場合、デフォルトのFacebookのアプリケーション以外はあまり重要ではない気がします。例えば写真とかTwitter連携のアプリは大切ですが、ゲームなどのアプリは関係ない気がします。

斉藤氏も述べている通り、Facebookには他にもいろいろな機能があり、例えば企業やアーティストがFacebookページが作れることも大きな特徴です。ただ、Facebookに企業ページがあり、それが見たいという理由でFacebookに参加する顧客はほぼ皆無ではないでしょうか。Facebookにそもそも参加する理由はやはりリアルな友人とつながりたいからで、これらの顧客に対してマーケティングを行いたいから企業ページがあるのです。これが順番です。

日本のインターネットは本当に匿名性が重要なの?

これもマーケティングで行われる顧客セグメントで考えることができます。今までの日本のインターネットでは匿名性が重視されていたのは、これは事実です。問題なのは、「今まで日本のソーシャルインターネット」を利用していた顧客層と「これからの日本のソーシャルインターネット」を利用する顧客が同じかどうかです。

「今まで日本のソーシャルインターネット」を引っ張ってきた人は、情報を発信するように人たちであったと思います。キャズム理論で言えば「イノベーター」や「アーリーマジョリティー」に属する人たちです。これらの人は、インターネットやそこで行われてきたやり取りに興味を持っている人たちで、「インターネット」がやりたい人たちです。これらの人がリアルな社会とインターネットを別の空間と考え、インターネット上では匿名でやりたいと思うのはごく当たり前のことです。

それに対して「これからの日本のソーシャルインターネット」を考えるとき、「インターネット」そのものには興味がない人を対象にしなければなりません。例えば2chをただの怪しい存在としか思っていない人、SNSを時間の無駄としか思っていない人、自分のことをネットで公開すると危ないと思っている人(匿名であろうが実名であろうが)。このような人が「アーリーマジョリティー」を形成しているのです。

「アーリーマジョリティー」はリアルな生活に関心があるのであって、ネット上の生活には多少は興味はあるものの、はまり込む理由がありません。そうなるとインターネットのソーシャルサービスが成功するか否かは、リアルな生活にとってどれだけ有益かということになります。そのためにはリアルな生活とつながる必要があります。これは日本でも欧米でも同じはずです。

実名主義が可能にするのは、インターネットとリアルな生活をつなげることです。日本で匿名性が大事だとされていたのは、いままでのソーシャルインターネットの利用者たちがインターネットとリアルな生活を分けていたからでしょう。インターネットがリアルな生活に役立つと考えている人が少なかったからでしょう。単純にそれだけだと思います。

匿名性を重視していた日本のソーシャルインターネット利用者と、これから利用するであろう「アーリーマジョリティー」は同じではありません。インターネットに対する考え方および使い方、リアルな生活との関係、そして年齢にしても、相当に違う人たちの集団です。これを無視して「日本人は匿名性を重視する」というのはナンセンスです。

Facebookが日本で普及していけば、旧知の友人とつながるという大きな価値がインターネットでますます実現していきます。そうしてインターネットがリアルな生活に役立っていきます。こうなれば、日本人であっても匿名性をことさらに重視することはなくなるでしょう。

それだけです。

ソーシャルメディア(TwitterやFacebookなど)を使う上での注意点

NewImage.jpgここ数日、ある代理店とあるメーカーのTwitter公式アカウントで不正確なツイートがありました。私がその点を指摘したところ、ツイートはいずれも削除されましたので、詳細は省きます。ただこれらの「問題ツイート」がどうしてマズイのか、そしてこれをやらないようにするためには何を注意すれば良いのか、自分なりの考えをまとめたいと思います。

続きはバイオの買物.com公式ブログにアップしました。

ライフサイエンス研究用試薬・機器メーカーのFacebook利用状況

表記の記事をCastle104公式ブログにアップしました。

ライフサイエンス研究用試薬・機器メーカーがどのようにFacebookを活用し、顧客とコミュニケーションを計ろうとしているかを調査しています。

結論としてはClontechの一人勝ちです。Facebookの活用を考えているメーカーはぜひClontechのやり方を勉強してください。

ちょっと力が入った記事ですので、ぜひご覧下さい。

Applied BiosystemsのTaqMan® Assays QPCR Guarantee Programって素晴らしいアイデアだと思う件

Applied Biosystems (Life Technologies)がTaqMan® Assays QPCR Guaranteeというのを始めるそうです。

内容はこうです。

  1. カスタムTaqMan Assayを除くすべてのpre-designed TaqMan Assayが対象です。
  2. 実際に購入してみて、思い通りの性能が発揮できなければ(結果が出なければ)、必要に応じて無償で交換してくれます。
  3. ただし結果が出ない理由がAssay側にあるのか、それともサンプルにあるのかを確認するために、事前にテクニカルサポートに問い合わせる必要があります。

NewImage.jpg細かいことは十分に調べていませんが、このアイデアはとても素晴らしいのではないかと思います。

顧客である研究者にとってみて得なのは一目瞭然です。再実験の手間は仕方ないとしても、追加の費用が発生しないというのは大きな安心です。メーカーがまじめに向き合ってくれるという期待も生まれます。

そしてこの仕組み、実はメーカー側にこそメリットがあるのではないかと思います。Pre-designed TaqMan Assayの仕組みがそうさせています。以下に解説します。

  1. Applied BiosystemsのPre-designed TaqMan Assayは非常に膨大な数になります。ブローシャーの12ページにもありますが、製品はRefSeq (human, mouse, rat)を網羅し、その他のターゲットも多数あります。19の生物種を対象になんと120万 Assayがデザインされています。
  2. 120万 Assayというのはべらぼうに大きい数字です。仮に1アッセイが¥10,000で合成できたとしても(ABIの定価は¥39,000)120億円かかります。これはInvitrogenの日本国内年間売上げに相当する金額です。
  3. このため、Assayのほとんどはコンピュータの中で設計されただけの段階であり、実際に合成されている訳でもなければ、実験的に性能が確認されている訳でもありません。
  4. それでも安心して研究者に利用してもらうにはどうすれば良いかを考えなければなりません。販売前の品質管理が現実的でないのであれば、顧客に品質管理の協力をしてもらうのは一つの選択肢です。

通常であれば、仮にうまくいかないアッセイに当たったとしても、多くの研究者が泣き寝入りすることが多いでしょう。「研究用試薬なんて所詮そんなもの」という割り切りで、メーカーに連絡もしないで損をかぶるでしょう。

一部の研究者はテクニカルサポートに連絡をしてくるでしょう。そしてテクニカルサポート側とすれば、いろいろな面倒が起こると大変なので、その場その場で代替品を無償で提供したりするでしょう。通常であればそのコストは原価ではなく、販売費用に計上されてしまいます。ですからこのようなケースが頻発するようであれば予算の振り分けに影響が出てしまいます。

それに対して今回のように品質保証プログラムを実施すれば、良い結果が得られなかった研究者は非常に高い確率でフィードバックをくれます。そして社内にこれを吸い上げる正式なルートがあるということなので、フィードバックはきっちり製品開発部門に伝わり、次製品の改良に活かせます。その上、テクニカルサポートも非常に明確で分かりやすい対応が可能になり、顧客への接し方も良くなるはずです。経理上の問題にしても、このプログラム内であればコストはすべて原価に反映されますので、販売部門の予算への影響がありません。

もう一つ、このプログラムのメリットを大きくしているのは、代替品が簡単に作れるということです。所詮は計算機で設計して化学合成するだけの話ですし、通常のターゲットであれば、計算機がはじき出すデザイン候補は複数あるはずです。そこである1つのアッセイがうまくいかなかったら、計算機がひじき出した2番目の候補を作れば良いのです。そしてこれを顧客に送って、評価してもらえれば良いのです。

抗体の場合はこうはいきません。同一のターゲットに対して何種類もクローンがある訳ではありませんので、代替品を出すと言っても同じクローンしか出せないことの方が多いでしょう。

なおsiRNAはTaqmanアッセイと同様に計算機の中でのデザインが可能ですので、すでに同じようなアプローチが複数のメーカーでとられていると記憶しています(ちゃんと調べていませんが)。ただTaqmanアッセイの方にメリットがある理由は、実験結果がよりクリアだからです。siRNAの場合は生細胞が相手になるので、顧客が行った実験をメーカーがどれだけ信用するかは難しくなるでしょう。とはいうものの知的所有権の関係で競争が激しいので、siRNAに関してはメーカーは積極的にいろいろな策を打たざるを得ません。

感想

このようにTaqMan® Assays QPCR Guarantee Programは顧客にとってもメーカーにとっても非常にメリットのある、かなりウィンウィンの企画だと感じました。そしてそのメリットはTaqMan Pre-designed Assaysの技術およびビジネス上の特徴が背景にあります。

とは言うものの、同じように双方ともメリットのある企画はきっと他にもたくさんあるはずです。一所懸命になって頭をひねらないといけないかもしれませんが、ぜひ多くのメーカーにがんばってもらいたいです。その一助としてバイオの買物.comが役立つことが、僕の大きな願いです。

GizmodoのGalaxy Tab Review

GizmodoのSamsung Galaxy Tab Reviewが出ていました。かなり辛口です。

“Samsung Galaxy Tab Review: A Pocketable Train Wreck”

Samsungの技術力や製品企画力がどうのこうのではなく、そもそも7インチのタブレットは意味があるのかという観点での議論が多いです。

If you take iPhone apps and simply scale them up for the iPad, most of them don’t feel right. If you take Android apps and scale them up for the Tab, the majority of them—Twitter, Facebook, Angry Birds—work perfectly. (Except for when they don’t, like The Weather Channel.) That’s because the Galaxy Tab is small enough that apps simply blown up a little bit still fundamentally work. Which means, conversely, that there’s almost no added benefit to using the Tab over a phone. It’s not big enough. Web browsing doesn’t have greater fidelity. I don’t get more out of Twitter. A magazine app would be cramped.

現時点ではスマートフォン用のアプリを拡大表示したものしかありません。でもスクリーンが小さい分、拡大率も小さく、結果としてあまり問題がありません。議論を裏返すとスマートフォンを使うのと比べると、Galaxy Tabを使うメリットはほとんどないという結論です。

In other words, you get the worst of a phone’s input problems—amplified.

文字入力に関してはスマートフォンの入力のしにくさをそのまま引き継いでいるということです。しかも一段と悪くなっているとまで言っています。

The browser is miserable, at least when Flash is enabled. It goes catatonic, scrolling is laggy, and it can get laughably bad.

Flashをオンにしている状態では、ブラウザは惨めそのものだと言っています。技術的に言えばFlashは迷惑なんですね。マーケティング的にはiPadとの差別化のために含めたくなるのでしょう。

Typically, the point of a compromise is to bring together the best of both sides. The Tab is like a compromise’s evil twin, merging the worst of a tablet and the worst of a phone. It has all of the input problems of a tablet, with almost none of the consumption benefits.

スマートフォントとタブレットの妥協点を探った製品ゆえに、問題が噴出しているという結論です。

ただし、妥協点を探った中間的な製品が難しいというのは、現実社会でマーケティングを見つめて来た人には当然分かる話です。たぶん最初から「妥協」狙ったのではなく、以下のように製品企画の議論は進んだと思います。

  1. iPadと対抗するタブレットを作ろう
  2. まずは10インチを検討してみよう。狙いとしては、iPadより多機能で、そして価格が安いものを作りたい。
  3. 実際に製造コストを推定したら、すごく高くなってしまった。これじゃ話にならない。(シャープガラパゴス10.8インチモデルの価格が今月中に発表されると思いますので、そのときにApple以外が10インチを作るとどれぐらい高いのかが分かるかもしれません)
  4. 10インチのタブレットだとアプリを専用に開発しないといけなさそうだ。サードパーティーも10インチ用のアプリを開発してくれないと。でもGoogleですらまだタブレット用のOSを用意していない。10インチタブレット用のサードパーティーアプリはまず期待できなさそうだ。
  5. 7インチならなんとか価格的にすり合うし、Androidスマートフォンのアプリを拡大しても無様にはならない。よし7インチでいこう。
  6. マーケティング的には苦しいけど、これしか作れないのでやるしかない。

要はSamsungだってバカじゃないし、マーケティング部隊はすごいという話なので、市場からかけ離れた間抜けな発想はしないはずです。それでも7インチという中途半端な製品を作ることになったのは、iPadの価格設定が安すぎたこととGoogleの準備ができていなかったということで、Samsungには他に選択肢が残されていなかったからだと思います。

持ち運びがしやすいというメリットを最初から積極的に考えていた訳ではないと思うのです。

Samsungの人、気の毒….

「中間」カテゴリーの危うさ:Android 7インチタブレットの競合は本当にiPad。それともスマートフォン?

ようやくiPadに対応し得るタブレットとしてSamsung Galaxy Tabが注目されていますが、評論家の意見を読んでいるとなんだか論調がぶれているような気がします。

要は、Galaxy TabはiPadの競合なのか、それとも新しいカテゴリーなのか。あるいはスマートフォンと競合するのか。

New York TimesのDavid Pogue

But the Galaxy doesn’t feel like a cramped iPad. It feels like an extra-spacious Android phone.

WiredのChristopher Null

The Tab requires some retraining in the way you use a mobile device — it’s somewhere between a phone and a regular tablet — but once you get it, it’s a pleasure to use. The Tab ultimately reveals itself not as a competitor to the iPad but as a new class of mobile devices: a minitablet that is designed to go everywhere you do.

Read More http://www.wired.com/reviews/2010/11/galaxy_tab/#ixzz14zdHpWy9

「ヘー、新しいカテゴリーなの」って聞くと聞こえはいいのですが、問題はそんな新しいカテゴリーにニーズがあるのかないのかです。

Steve Jobs氏の大失敗作、G4 Cubeを思い出してみるといいと思います。Steve Jobs氏がAppleに戻ったとき、あまりにも製品ポートフォリオが訳が分からなかったのでばさっとシンプルにしました。Consumer <-> Pro, Desktop <-> Portableの軸で割って、4つのカテゴリーに区切ったのです。(YouTube Macworld NY 1999 09:30頃)

apple mac portfolio.png

なのに翌年にSteve Jobs氏は中途半端な製品を発表してしまいます。それがG4 Cubeです。

G4 cube in portfolio.png

PowerMacとiMacの良さを兼ね備えた製品というのが売りです。

Cube = Power Mac + iMac.png

でも売れなかったので、発表から1年半で販売中止になりました。

G4 Cube販売中止のプレスリリースがこれです。中間的なマーケットセグメントには熱狂的な顧客がいなかった訳ではないのですが、いかんせんマーケットサイズが小さすぎたという主旨です。

Apple® today announced that it will suspend production of the Power Mac™ G4 Cube indefinitely. The company said there is a small chance it will reintroduce an upgraded model of the unique computer in the future, but that there are no plans to do so at this time.

“Cube owners love their Cubes, but most customers decided to buy our powerful Power Mac G4 minitowers instead,” said Philip Schiller, Apple’s vice president of Worldwide Product Marketing.

The Power Mac G4 Cube, at less than one fourth the size of most PCs, represented an entirely new class of computer delivering high performance in an eight-inch cube suspended in a stunning crystal-clear enclosure.

G4 Cubeの教訓 : 新しい「中間」カテゴリーというのは危険信号

G4 Cubeの教訓は何か。それは非常に売上げが好調な2つの製品カテゴリーがあるからと言っても、その真ん中にも大きなマーケットニーズがあると思ってはいけないということだと思います。

むしろ好調な2つの製品カテゴリーに挟まれていると、顧客はどちらから一方に吸い寄せられてしまい、真ん中のセグメントはサイズが小さくなると思います。

そのとき、中途半端な製品のスペックを上げる改良を今更加える訳にもいきません。そこで結局は利益を犠牲にしてでも価格を下げ、下の方のカテゴリーの顧客に売り込むことになります。G4 Cubeもそうでした。

僕がいたバイオ業界の話になりますが、前社の新しいリアルタイムPCR装置がそうでした。ABIのフラグシップモデルを狙う訳でもなく(勝つのに必要なサポート体勢がありませんでした)、Takaraなどの安いモデルを狙う訳でもなく、真ん中のカテゴリーを目指すのが狙いだったのです。しかしふたを開けてみると中間のマーケットセグメントはわずかなサイズで、大部分の商談はTakaraとの競合になってしまい、価格をがんがん下げることになってしまいました。それはそれはもう社長まで値下げの号令を出す、本当にびっくりするような値下げの仕方でした。

新しいカテゴリーは端っこに作られる

Appleの話ばかりで恐縮ですが、Appleが新しく生み出した製品カテゴリーを思い出してみるといいと思います。成功したもので「中間」は一つもありません。

  1. Macintosh : 全く新しいユーザインタフェースを搭載した、画期的なパソコンでした。価格はべらぼうに高いものでした。
  2. iPod : ポケットの中に1,000曲。当時のMP3プレイヤーは小さなフラッシュメモリかCDにデータを焼き込んでいました。ハードディスクにデータを書き込むことによってトップスペックの1,000曲を実現し、しかもFirewireによって高速な書き込みも実現していました。
  3. iPhone : それまでのどのスマートフォンでも搭載していなかったタッチUIとJavascriptを含めたフルブラウザを兼ね備え、メールでもマーケットリーダーのBlackberryに引けを取りませんでした(Exchange互換だけは遅れましたが)。

Apple以外で言えば

  1. ネットブック : 圧倒的に安い価格でパソコンを提供。
  2. ウィンドウズパソコン : MacintoshのUIの素晴らしさを圧倒的に安い価格で提供。
  3. ソニーの薄型バイオノートブック : 当時としてはダントツの薄さでした。
  4. 電子辞書 : 紙の辞書よりは圧倒的に軽く、調べやすい。パソコンよりも軽いし、起動が速いし、安いし等々、圧倒的に便利。

成功する新しいカテゴリーは、基本的に既存カテゴリーの上位か下位のどちらかにしか生まれません。中間はうまくいかないのです。

Galaxy Tabはどうなる?

その流れが今回も当てはまるのならば、Galaxy Tabの運命は割とはっきりしています。

  1. まず売れません。どうして売れないかというと、持ち運びやすさを重視する人はGalaxy SもしくはiPhoneを買い、パソコンを代替するような使い方をする人はiPadを買うからです。あるいは片手で持てるeBook Readerが欲しい人は遥かに安価なKindleを買うでしょう。Galaxy Tabは中間的な製品としては秀逸です。しかし中間的な(中途半端な)マーケットセグメントのサイズは小さいのが一般的です。
  2. 仕方なくSamsungはGalaxy Tabの価格を下げます。今でも高すぎると言われているぐらいですから、失敗の原因を当然価格に求めるでしょう。あるいはキャリアとバンドリングして、なんとか見かけだけでも値下げします。そしてどれぐらい値下げが必要かというと、スマートフォンの購入を考えている人やKindleの購入を検討している人が立ち止まって考えるレベルまでの値下げ幅です。相当な値下げが必要です。
  3. Appleの場合はG4 Cubeを売らなければならない理由がなく、iMacとPowerMacで十分だったのですぐに撤退しました。Samsungが赤字すれすれでもGalaxy Tabを売り続けるか、それともGalaxy Sなどのスマートフォンに集中するかははっきり分かりません。多分逃げずにがんばって売り続けると思います。
  4. それでも最後は何らかの形で諦めるしかありません。それがどのような形になるかはちょっと予想がつきません。

まともにiPadに勝負に挑むのならば、中間を狙うのではなく、上か下かを狙うしかありません。

上を狙うというのは圧倒的な付加価値を付けるということです。カメラ程度では厳しいでしょう(近いうちに発表されるiPad 2にはついてくるでしょうし)。Flashでもだめです(というかそもそも実現不可能みたいだし)。

いまのところはキラーアプリとしてMicrosoft Officeが動くこととかしかないと思うのですが、Android用にMicrosoftがOfficeを移植する可能性はゼロに等しいでしょう。Android用のOpenOfficeみたいなやつはありますが、それが仮にMS Officeとの互換性が100%であったとしても、Microsoft公認のOfficeがあることに比べれば末端顧客へのインパクトは全然足りません。ですからMicrosoftがタブレット用のWindowsを開発するまでは、上から狙うのは無理そうです。GoogleもAndroid限定のキラーアプリを開発して上から狙えるようにするよりは、iPadでも使えるようなウェブアプリを作って、なるべく多くの人に使ってもらうのが全社戦略にマッチするはずです。

下を狙うのであれば価格を圧倒的に安くすることです。しかしMacintoshの時と異なり、Appleは積極的な価格設定と厳密な製造コストのコントロールをしています。まず圧倒的な差をつけるのは常識的には無理です。

10ヶ月前にも言いましたが(” iPadのこわさは、他のどの会社も真似できないものを作ったこと” )、iPadの独走はしばらく続きそうです。

New York Times : Samsung Galaxy Tabは素晴らしいけど高すぎる

ユーモアたっぷりに最新のガジェットを素人にも分かりやすく紹介してくれるNew York TimesのDavid Pogueの記事。

“It’s a Tablet. It’s Gorgeous. It’s Costly.”

このトピックについてはiPadについて論じた一連のブログ記事で紹介していますので、それとの関連でいくつか引用します。

But the Galaxy doesn’t feel like a cramped iPad. It feels like an extra-spacious Android phone.

ということはAndroidの7インチタブレットはiPadと競合するのではなく、Galaxy SなどのAndroidスマートフォントと競合するってことなのかな?

そもそもどうして各メーカーが7インチタブレットを作っているかを考えると、10インチを作って真っ正面からiPadとガチンコ勝負をすると、ソフト的にも価格的にももっとぼろぼろに負けてしまうからではないでしょうか。

Because the Galaxy runs Android 2.2, it can also play Flash videos online (touché, iPad!). Or at least it’s supposed to. After some delay, I got Flash movie trailers and CNet videos to play, but at ESPN.com, the Play Video button just stared at me sullenly. (My Samsung rep says they play fine for him.)

まぁAdobeがどんなにがんばったって、Flashは終わっていますよね。

Another problem: most of the 100,000 apps on the Android store are designed for a phone-size screen, not a tablet. The Galaxy either blows them up, at the expense of clarity, or lets them float in the center of the larger screen with a Texas-size black border.

This problem, of course, was familiar to early iPad adopters: iPhone apps ran on the iPad, but couldn’t exploit the larger screen. But Apple encouraged programmers to come up with iPad-specific versions, and released a software-writing kit to help them along. Google hasn’t done that yet, so it may be awhile before 7-inch Android apps become the norm.

Googleとしてはまず7-inchタブレット用のAndroidを作らなければならないのですが、10-inchを無視するのも大きなギャンブルになります。ということはスマートフォン用、7-inch用、10-inch用のAndroid OSをGoogleが開発し、そしてアプリ開発者も同じように3つのバージョンのアプリを開発するのかって?それはちょっと考え難いですよね。

Googleとしては、現時点で7-inchタブレットにコミットできないのだと思います。10-inchも考えておかないといけませんので。

The biggest drawback of the Galaxy, though, may be its price: $600. You could buy two netbooks for that money, or four Kindles —or one 16-gigabyte iPad, with its much larger screen, aluminum body and much better battery life. (The iPad gets 10 hours on a charge; the Galaxy, about 6 hours.)

品質の有意性が明白ではないもの関わらず、トップブランドよりも明らかに高い価格で新規市場に参入するなんて、よほどのことがない限りうまくいくはずがないですよね。常識的にはあり得ない。

なんでそうなってしまうのか、それはiPadについて論じた一連のブログ記事でも紹介しています。iPadが発売された2010年1月末時点で、競合が同様の製品を作るのに何年もかかるだろうというのは明白でした。

しかもiPadの発表からすでに10ヶ月近く経ちますので、もう数ヶ月もすればiPadの新しいバージョンが発表されるのは間違いありません。1年前に僕が危惧した通りですが、ハッキリ言って今の時点では勝負になっていません。

Netscape創設者Marc Andreessen イノベーションについて

Netscape創設者の一人でインターネットブラウザの普及に決定的に大きく貢献したMarc Andreessen氏は、現在ベンチャーキャピタルの運営をしていますが、全く新しいスタイルのブラウザ、RockMelt Browserの開発会社に何億円相当ものを投資をしているそうです。

僕はTwitterは使うけどFacebookはほとんど使っていませんので、これが成功するかどうかについて語る立場には全くありませんが、Seattle Timesの記事に書かれていたAndreessen氏の言葉が非常に気に入りました。

Andreessen is convinced Internet Explorer’s lead remains vulnerable, even after more than a decade of domination and repeated upgrades.

“I don’t believe in mature markets,” he said. “I think markets are only mature when there is a lack of innovative products.”

「成熟したマーケットというのが存在しないと思っています。イノベーティブな製品がなくなるとマーケットが成熟するだけだと思います。」

product life cycle.pngマーケットが成熟したかどうかは単純にはその成長率で計ります。そして一般的な考え方ではどんな市場も次第に成熟していき、イノベーションが起こらなくなり、成長がとまり、そして価格競争等で利益が出なくなり、最後には衰退していくとしています。そしてこれを必然的なことと考えています。

ライフサイクルは必然的に進行し、その結果としていつかイノベーションが起こらなくなり、そして市場が成熟化するというのは、マーケティング等のテキストブックによく出てくるプロダクトライフサイクルの考えです。しかしAndreessen氏は因果関係が逆だと言っています。単に何らかの理由(独占・寡占による怠慢?)でイノベーションが停滞し、その結果としてマーケットが成熟するだけだとしています。マーケットの成熟ステージに関わらず、探しさえすれば常にイノベーションのチャンスは常にどこかにあり、その努力をしなくなってしまった結果がマーケットの成熟化だという考え方です。

DigitalHub.jpg2000年頃のパソコン市場は成熟化し、衰退に向かっていくマーケットだと考えられていました。インターネットの普及によって一気に盛り上がったパソコン市場ですが、2000年頃にはもうパソコンはおしまいだという論調が大勢を占めました。その代わりユビキタスコンピューティング等がもてはやされ、いずれパソコンがなくてもPalmなどのデバイスで十分だと考える評論家がほとんどでした。その結果としてパソコンメーカーは価格以外に攻め手がなくなり、価格競争が激化しているとされました。そのときにAppleのSteve Jobs氏はキーノートスピーチの中でDigital Hub戦略を発表し、パソコン市場は成熟してしまったのではなく、むしろこれからが第三の黄金時代(Digital Lifestyleの時代)を迎えると主張しました。そしてiTunes、iMovie、iPhotoなどを発表し、そしてiPodも発売しました。この戦略が見事にはまったのは、もう皆さんもご存知の通りです。

NewImage.jpgバイオの世界について言えば、2005年頃のDNAシークエンサーが成熟市場と言われていました。ゲノム解読の熱がいったん冷め、そしてキャピラリー電気泳動によるSanger法も完全に成熟した技術になりつつありました。僕も当時、アプライドバイオシステムズ社に転職するかどうかを考えてたりしていましたので面接を何回か受けましたが、話題は「あなたならうちのシークエンスビジネスをどうやって停滞から抜け出させるか」と言ったたぐいのことばかりでした。

しかし2005年秋に454 Life Sciences社が売り出したGenome Sequencer 20によって展開はがらりと変わりました。次世代シークエンサーの開発競争が白熱化し、半導体におけるMoores Lawを遥かにしのぐ勢いで一気にイノベーションが活発化しています。成熟してしまったと思われていた市場が、一気にバイオサイエンス全体のイノベーションドライバーになりつつあるのです。

僕がメーカーで主にマーケティングを担当していたのは、主に成熟期から衰退期と言われた製品でした(454 Life SciencesのGenome Sequencer 20も短期間担当しましたが)。でも上記の事例を見ていたので、絶対に成熟し切った訳ではないはずだと信じていました。今でも強くそう思っていますし、Marc Andreessen氏の言う通り「成熟したマーケットは存在しない」と思っています。ただ何かのイノベーションが必要です。イノベーション無しではマーケットは成熟してしまいます。

バイオの買物.comはライフサイエンス製品のイノベーションの活発化を強く望んでいます。それも次世代シークエンサーのような話題を集めるけれどもユーザが少ない大型機器だけではなく、PCR酵素、クローニング酵素、細胞培養用試薬など、どっちかというと成熟したと考えられるけれども、一方で非常に多くの利用者がいる製品分野でのイノベーションです。まず製品購入の意思決定にイノベーションをもたらし、研究者とメーカーの距離を縮め、製品のイノベーションが起こりやすい環境を作れないか。そんな形で貢献できたらいいなと思っています。

バイオのウェブサイトのビジターあたり売上げはどんなもんだろうか

以前に「ウェブサイトへのアクセスと売上げの関係」のブログ記事を書きましたが、そこで僕が出した結論は、試薬メーカーのウェブ訪問者数と売上げが驚くほどに相関しているということでした。

もちろん相関があるという言っているだけで、因果関係があるかどうかは全く別です。ウェブ訪問者数と売上げがよく相関していると言っても、ウェブサイトに訪問したから売上げが増えている側面はあるでしょうが、同時に製品が良く売れているからウェブサイトの人気があるという側面もあります。恐らくはこの2つの側面が両方ともに絡み合っていて、その結果としてこのような良い相関が見られるのだと思います。

webvisitors vs revenue.png

さてこのグラフを見ると、ビジターあたりの売上げを計算することができます。このグラフを見ると、大雑把に年間100億円のあるメーカーは60,000ユニークビジター/月があると言えそうです(これはビジターの効果を一番低く見積もった線ですが)。この数値を使うと {100億円 / 12 (月間売上げ)} / 60,000 (ユニークビジター) = 1.38 万円/ユニークビジター になります。つまり、月間ユニークビジターあたり1.38万円の売上があることになります。

ビジターあたり1.38万円の売上ってすごいですよね?

なんだかとても高い数字です。ライフサイエンス研究支援の試薬の単価が高く、低く見積もっても一品が平均2万円ぐらいだというのは確かにあります。またウェブを見ないで製品を購入しているケースもそれなりにあるはずです(繰り返し同じものを買うとき等)。

ビジター数についてもちょっと考えてみたいと思います。例えば年間で20億円の売上を出している中堅メーカーであり、平均単価が2万円だとすると、年間で10万製品を出荷していることになります。毎月8,300製品を出荷していることになります。先ほどの相関ですと年間20億の売上げのメーカーのウェブサイトは毎月12,000のユニークビジターがいることになりますので、ウェブサイトのユニークビジター数と出荷製品数はだいたい同じ程度と言うことになります。この数字だけでは因果関係が出てきませんのではっきりしたことは言い難いのですが、製品の購入とウェブサイトへのアクセスはやはりかなり関係がありそうな雰囲気です。

なお毎月8,300製品の出荷というのはかなり少なく、平均的なコンビニに大きく負けています。コンビニの顧客単価は¥600弱らしいので、平均日販を60万円とすると毎日1,000人、月間で30,000人に物を売っていることになります。同じ土俵で語ることではないのですが、いまだにメーカーと代理店が注文伝票をFAXでやり取りしていられるのも(そう、電子化されていないのがまだほとんどです)、そもそも取り扱っている数が少ないからです。

いまのところバイオの買物.comを経由して、毎月数千のビジターがメーカーのウェブサイトを訪問しています。仮に5,000のビジターを誘導していると計算し、先ほどの1.38万円をかけ算すると、バイオの買物.comで月間6,900万円の売上貢献をしていることになります。ものすごい我田引水的な計算で恐縮ですが。

まぁ実際のところ、まだその1/100も稼いでいないのですが、将来的にちゃんとしたビジネスが構築できるのではないかという勇気がわいてくる計算です。

ちなみに最近のインターネットで話題になっているSNSのMixiやGREEやモバゲー。これらは様々な形で収入を得ていますが、会員あたりの月間売上げは¥63-¥256のようです。なんだか1会員あたり1,000PVしているという計算になっているのですが、これもすごいですね。同じインターネットでの商売だし、何かのインスピレーションにならないかなと思ったりもするのですが、やっぱりバイオの買物.comがやろうとしていることとはとても比較できないと痛感します。アクセス数はもちろん何桁も違いますが、アクセスあたりの価値もライフサイエンスの場合は桁違いに大きい気がします。